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リベリオン  作者: すこやか
2/9

第1話〜開幕〜

それでは本編始まります

「297・・・298・・・299・・・」

「おーい、アベル。また素振りしてる。剣術の授業始まるよー」

「おーう!ありがとう!すぐ行く!」

ここはシキ王国の都市の1つ、カイジュの騎士学校。

騎士を目指す人が通う学校だ。

「アベル、剣術の成績、トップだったじゃないか?なんで素振りなんかしてるのさ?」

「俺の魔法は弱いからなー魔法以外で〈(ブロンズ)〉にならなきゃ」

「〈銅〉?〈(シルバー)〉の方が向いてるんじゃないか?」

「いいや、カイジュに残って家族を養いたいんだ」

「そうかー。頑張れよ!」

「おう!」




「1本!アベルに1点!」

「ありがとうございました!」

「やっぱアベルは強いなぁ!」

「ああ!応援ありがとうな!」


「アベル君てさ・・・かっこいいよね・・・」

「わかる!剣術も座学もできるって将来有望じゃん!」

えっ?なんてなんて?かっこいい?おいおいおいかっこいいなんて・・・。おっ。可愛い顔してんじゃん。


(チクショウ・・・あいつがいなけりゃ俺がトップなのに・・・。ザコ魔法のくせに生意気なんだよ!)

うわぁ、むっちゃ睨んでくるじゃん・・・。国の役人の息子だっけ?羨ましいよなー強い魔法を持ってるヤツは


「校長、アベルは魔法こそ〈再生(さいせい)〉と弱いものの、剣術、座学、討伐訓練この教科においてトップクラスです。すぐにでも〈銀〉、もしかしたら〈銅〉になれるかもしれません」

「そうだな・・・騎士になるにあたってアレもあるしの。首都の騎士にも〈再生〉待ちがいたじゃろう?」

「確かにいますが・・・あの騎士はただ強いだけならいいもの・・・」




「ただいまー」

「おかえり兄ちゃん!」

「ベゼル!学校、大丈夫だったか?」

「うん!進学してから魔法を持ってないのをバカにされなくなったよ!」

「アベル。おかえりなさい」

「アベル!おかえり!」

「母さん、父さん、ただいま」

うちの家族はみんな揃って魔法が弱い。弟のベゼルは魔法を持ってすらいない。母さんは手芸で、父さんは運搬業で稼いでいる。早く騎士になってガッポガッポ稼がねえとな。

「アベル!また、生意気なこと考えてんじゃねえか?」

がしっと頭を掴まれる。相変わらず大きな手だ。

「あんまり無茶はするな。〈再生〉だけじゃあ。騎士は苦しいぞ。みんなお前が心配なんだ」

「父さん、大丈夫だよ!討伐訓練もいつも傷一つなく終えてるんだぜ?心配ないさ」

「兄ちゃんすごーい!!!」

「まったくもう・・・ベゼルが真似したらどうするの?無理だけはしないでね」

「大丈夫だよ!」

この家族のためにも早く騎士にならなきゃな・・・




すっかり遅くなってしまった。先生に都市への推薦を頼んでいたらこんな時間になってしまった。みんなもう寝ちゃったかな?

今日はやけに寒い。いつもの帰り道なのに肌が震える。

早く家に帰りたい。




「おい、早くしろ!」

「わかってるって!あんまり騒ぐな!」

「とっとと帰るぞ、首都の役人が来ているんだ」

「「はい!」」


なんだあれ?もうかなり遅い時間だぞ?

泥棒・・・じゃないあれは騎士だ〈(アイアン)〉2人に・・・〈銅〉も1人いるじゃないか?!

しかもカイジュの騎士じゃない、ロッキーの騎士だ!隣の都市から来たのか?!

どうしたってんだ?なんかすごい焦ってるし。


「ただいまー」

ほのかにかおる鉄の匂い、目を向けた先には動かなくなった母と父がいた。

「は、え、母さんっ?!父さんっ?!はぁっ!はぁっ!はあっ!はあっ!」

どうして?誰が?いつだ?なんで?なんで?なんで?


パニックだった。目の前の状況に考えることができなくなっていた。


・・・ベゼル!・・・ベゼルは?!

「ベゼル!ベゼル!ベゼル!大丈夫か?!」


どこを探してもいない。姿が見当たらないのだ。


まさか、さっきの騎士・・・?

でも今は確かめるしかない!


家から飛び出た。ロッキーのある方、東に走った。

「ベゼル!ベゼル!ベゼル!」

何度も叫んだ。弟の名前しか叫ばなかった。


ガタン!!!

少し先のところで音が鳴った。

「!!!」


「このガキ!なんで今更動いてんだよ!」

「ベゼル!」

「兄ちゃん!」

「チッ、ガキの兄貴かよ」

「なんで弟を誘拐するんだ?!なんで俺の両親をあんなことにしたんだ?!」

「教えるわけねえだろ!!!こっちも仕事なんだ!!!」

「面倒だ。お前たち先に行ってろ」

「ナイフさん!」

「こいつはここで殺しておく。ガキの方は任せた」

「何言ってやがる・・・待ちやがれ!!!」

手を伸ばす。直後、伸ばした手が切られる。 

「ここは通さない」

「うるさいどけえええええええ!!!」

「自分から俺の魔法〈手刀(しゅとう)〉に突っ込んでくるとは・・・」

知ったこっちゃない。弟の行方がかかってんだ。


俺は正面から突っ込んだ。

「阿呆が。言わんこっちゃない。重症だr」

顔面に一撃入れる。剣で戦うのもいいが、今は無力化を狙う。倒れててくれ。

「今のは効いた。まったく刃物に怯まない。

〈再生〉でも持ってるのか?ただ、それだけじゃあここは通れない。」

なんで効いてないんだよ!これが騎士か・・・


一旦距離を取る。なんとか逃げ切って荷車に追いつく。

無力化出来ないならこいつから逃げる!


刹那、腹に激痛が走る。


「?!」

「なんだ。〈再生〉待ちといっても〈強酸(きょうさん)〉の痛みは初めてか。」

痛い。切り傷でもない、骨折でもない、欠損でもない。

なんなの初めてだ。なんで?なんで魔法を2つも持っている?

「勝負あったな。頭も溶かしてやる。」

「くそっ・・・チクショウ・・・ベゼル・・・」


目の前が赤く光った。

「〈炎天(えんてん)〉!」

「なんだ?誰だお前。このガキの仲間か?」

「違う。騎士が人を殺す様子が見逃せなかった。」

「くだらない。騎士の邪魔をするなど。お前も溶けろ。」

手刀が燃えてる人に刺さる。なんで避けないんだ。

ああ、俺のために来てくれたのに、死んでしまう。

「?!、抜けない?!くそっ、熱い!熱いいいいい!」

なんだ?抜けない?力を入れてるのか?!

腹に穴が空いたまま?異常だ。どんな人間だよ!

「そのまま燃えていなくなれ。」

「くそ!くそおおおおおおおおおおお!」


そのまま騎士は燃え死んだ。


「大丈夫か?もう〈(はね)〉が来る。この傷・・・

もう助からないかもな。覚悟しとけ」

「あ、いや、大丈夫です。慣れてきたので〈再生〉で治せます。」

「なんだ、〈再生〉持ってんのか。俺と一緒だ。」

本当だ。もう治ってる。普段から使っているのだろう。

恐ろしく早い。

「あの、実は・・・


今起こったことを全て話した。

この人なら助けてくれるかもしれない。

藁にもすがる思いだった。


「そうか。だが、今ロッキーに行くのはやめておけ。

あいつらの任務ももう終わっただろう。」

「諦めろってことですか?!弟ですよ?!

他にも色々おかしな点がある!あの騎士も、あんたも!

なんで魔法を2つ持っているんですか?!」

「落ち着け!」

「!」

「諦めろとは言っていない。1つ提案がある。」

「なんですか?!教えてください!」

「今、王国は腐っている。王が、貴族が私利私欲に権力を使って国民が苦しんでいる。

俺はそんな国を変えるため立ち上がった組織〈(ふくろう)〉のメンバーだ」

「それがどうしたっていうんですか?!」

「〈梟〉では日々、いろいろな情報が入ってくる。王国のありとあらゆる情報がだ。もしかしたらお前の弟の行方もわかるかもしれない」

「・・・」

「ぜひ、〈梟〉に来てくれないか?」

「わかりました・・・。ベゼルを取り戻すためなら!」

「よし!良い意気だ!さっきの質問には移動しながら答えてやるよ!」


こうして俺は〈梟〉に入隊することになった。

ベゼル・・・すぐに助けに行ってやる!

読んでくれてありがとうございます!

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