17頭の羊の相続の殺意
【問題】
(小問1)
羊を17頭所有していた父親が亡くなり、羊を3人の子どもで相続することになりました。
父親が残した遺言には、「長男に2分の1、次男に3分の1、三男に9分の1となるように相続する」と書かれていました。
17は、2分の1することも、3分の1することも、9分の1をすることもできません。
困り果てた兄弟たちが、羊飼いに相談をしました。
羊飼いはどのような方法で兄弟たちを助けることができるでしょうか。
(小問2)
(小問1)において、羊の数が11頭に減りました。
そして、父親の遺言には続きがあり、「もしも羊の数が13頭を下回った場合には、長男に2分の1、次男に3分の1、三男に6分の1となるよう相続する」と書かれていました。
11は、2分の1することも、3分の1することも、6分の1することもできません。
羊飼いはどのような方法で兄弟たちを助けることができるでしょうか。
(小問3)
(小問2)において、羊の数が10頭に減りました。
羊飼いに救いを求めることができないとすれば、兄弟たちはどのような方法で相続を行えばよいでしょうか。
ある村に3人の兄弟がすんでいました。
3人の兄弟には、羊を17頭しょゆうしているお父さんがいました。
ある日、お父さんが、病気で死んでしまいました。
お父さんは死ぬまえに、いしょを残していました。
いしょにはこのように書かれていました。
「羊は、長男に2分の1、次男に3分の1、三男に9分の1となるようにそうぞくする」
兄弟たちは、お父さんがしょゆうしていたぼくじょうに行き、いしょにしたがって、17頭の羊を分けようとしました。
しかし、17は、2で割ることも、3で割ることも、9で割ることもできず、兄弟たちは困りはててしました。
そこで、兄弟たちは、村の羊かいにそうだんしました。
羊かいは兄弟たちにていあんしました。
「ぼくが君たちに、羊を1頭かしてあげるよ。そうすれば、きっとうまく羊を分けられるはずさ」
兄弟たちは羊かいから羊を1頭かり、ぼくじょうにもどりました。
羊かいからかりた羊を加えると、ぼくじょうの羊は18頭になりました。
18は、2で割ることも、3で割ることも、9で割ることもできます。
兄弟たちは、いしょにしたがって、長男に9頭、次男に6頭、三男に2頭、それぞれ羊を分けました。そして、あまった1頭の羊を、羊かいに返しました。
兄弟たちは、羊かいにとてもかんしゃしました。
しかし、すうじつご、次男がそうぞくした6頭の羊にいへんが起こりました。
かんせんしょうにかかり、6頭の羊がみんな死んでしまったのです。
実は、ひつじかいが兄弟たちにかした羊はかんせんしょうを持っていたのです。
羊かいはそれを知りながら、かんせんしょうの羊をおしつけ、自分はけんこうな羊を手に入れるために、兄弟たちに羊をかすていあんをしたのでした。
次男の羊がすべて死んでしまったため、これはあまりにもふびょうどうだということで、兄弟たちは一からそうぞくをやり直すことになりました。
お父さんのいしょには続きがあって、「もしも羊の数が13頭を下回ったばあいには、長男に2分の1、次男に3分の1、三男に6分の1となるようそうぞくする」と書かれていました。
のこった羊の数は11頭で、13頭を下回っているため、兄弟たちはこのいしょにしたがって羊を分けることにしました。
しかし、11は、2で割ることも、3で割ることも、6で割ることもできませんでした。
そこで、兄弟たちは、自分たちをだました羊かいとは別の羊かいに相談しました。
羊かいは兄弟たちにていあんしました。
「ぼくが君たちに、羊を1頭かしてあげるよ。そうすれば、きっとうまく羊を分けられるはずさ」
兄弟たちは、病気のうむをかくにんした上で、羊かいから羊をかり、ぼくじょうにもどりました。
羊かいからかりた羊を加えると、ぼくじょうの羊は12頭になりました。
12は、2で割ることも、3で割ることも、6で割ることもできます。
兄弟たちは、いしょにしたがって、長男に6頭、次男に4頭、三男に2頭、それぞれ羊を分けました。こんどは羊は1頭もあまりませんでした。
兄弟たちは、羊かいにとてもかんしゃしました。
しかし、羊かいは、
「ぼくは君たちに『羊を1頭かしてあげるよ』と言ったよね。かりたものはりしをつけて返すのがしゃかいのルールだよ」
と言って、ぼくじょうから、かした分の1頭と、りしの分の1頭、合計2頭の羊をひきあげていきました。
羊が10頭になってしまったため、兄弟たちは一からそうぞくをやり直すことになりました。
10は、2で割ることはできますが、3で割ることも、6で割ることもできません。
兄弟たちは困りはてましたが、もう羊かいにたよることはしたくありませんでした。このもんだいは兄弟たちだけでかいけつしなければならないのです。
長男は、次男と三男にていあんしました。
「だれからも羊をかりられないんだったら、ぎゃくに羊の数をへらすしかないよ。羊を4頭ころして、6頭にへらすんだ。そうすれば、ぼくが3頭、次男が2頭、三男が1頭できれいに分けられるよ」
次男と三男は「それはめいあんだ」と言って、長男のていあんにのりました。
長男のアイデアにより、4頭の羊はでんきショックでころすことになりました。
長男は、
「今から君たち2人にでんきょくをわたすから、羊たちの体にそうちゃくしてくれ」
と言って、次男と三男にでんきょくを渡しました。
次男と三男は、長男のしじにしたがい、でんきょくをうけとりました。
そして、羊にそのでんきょくをそうちゃくしようとしました。
しかし、羊にでんきょくを付けるちょくぜんに、でんきがながれ、次男と三男はかんでん死してしまいました。
ぼくじょうにたおれる次男と三男の死体を見て、長男は高らかに笑いました。
「ぼくのけいかくどおり。これでそうぞくがうまくいくね」




