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プロローグ

 んしょ、んしょ……

 ま、まってよヒロシくん

 はやくはやく! もうすこしだから、ガンバレ!

 う、うん、ゴメン……

 もう、なんであやまってんだよ〜

 だってわたし、はしるのおそいから……

 あ、そっか、ゴメンな

 ううん、わたしこそ それよりはやくいこうよ

 ああ、もうすぐだぜ! ほらあそこにもうみえてる!

 くらいからよくみえないよ〜

 もうすぐたいようがのぼってくるから、そうしたらみえるよ!

 う、うん

 さ、いこうぜ!

 うん!


 ………………


 ひい、ふぇ……

 さ、ついたぞー!

 はぁ、はぁ……

 だ、だいじょうぶ?

 うん、ご、ゴメンね

 ああ、こっちこそゴメンな もうすぐたいようがでてきそうだったから

 わ、わたしはいいよ それよりここでなにするの? こんなにはやおきして

 ああ、まえにいっただろ みせたいものがあるって

 う、うん

 それをこれからみようってわけだよ!

 そ、そうなんだ

 そうなんだ! こっちへきてみろよ

 う、うん あれ?

 そ、これこれ!

 これって、おやしろ?

 そう! ここらへんのうみをまもっているかみさまがいるって、まえにじーちゃんがいってたんだ!

 へぇ、こんなところにあるなんて、しらなかった……

 ヘヘヘ、すごいだろ〜


 ………………


 さ、そろそろたいようがのぼってくるぞ!

 あっ!

 さぁ、はじまったぞ!

 す、すごい、おやしろがひかってる! キレイ……

 スゲェだろ! なんでなのかはわからないけど、たいようのひかりがあたると、おやしろがキラキラひかるんだ!

 うん、とってもキレイ! ヒロシくんありがとう!

 ………………

 あ、あれ?

 ………………

 あれ、ヒロシくん?

 ………………

 ね、ねえヒロシくん、どこにいったの?

 ………………

 ねえヒロシくん、どこ? ヒロシくん!

 ………………

 えぐ…… ヒロシくん、ヒロシくん……

 ………………

 えぐ……、ぐすん……、ヒロシくん……、ヒロシくん……

 ………………



「奇跡って何?」

「え?」

「奇跡って起こると思う?」

「さあ、どうだろうな」

「奇跡って、どんな時に起こるの?」

「さ、さあ」

「奇跡って、何のために起こるの?」

「…………」

「人を幸せにするため? それとも不幸にするため?」

「…………」

「私、いらない。人を不幸にする奇跡なんかいらない。そんなの、起こってほしくなんかない……」


 

 あなたは「奇跡」を信じますか?

 あなたの周りで「奇跡」と呼べるような出来事が起こったことはありますか?

 そしてそれは、あなたにとって「よいこと」でしたか? それとも「わるいこと」でしたか?

 この物語には「奇跡」を体験した女の子が登場します。

 その女の子は「奇跡」が起こると泣いてしまいました。

 女の子に起こった「奇跡」、それは「わるいこと」でした。

 

 でも周りのみんなは気付きませんでした。

 女の子が「奇跡」を体験し、そしてずっと泣いていたことを……。


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