三話 悪の官僚役不足
半年ほど飛ばします。
かつて世界は平らとされていた。
世界は丸いと主張したエルフは、地の果てへと追放された。
それを擁護したドワーフは、飢えに満ちた不毛の山脈へと追放された。
人間は豊かな平地で緩やかに衰退していった。
タルド・カファス「暗黒の時代」
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・アロンソの家(ボーナスで買った)
カフェの出来事から半年、働き口が見つかったのは良いけどこの仕事ヤバい。
あの親切な人()いつの間にか死んでた。
人の思考能力を一時的に奪う違法薬物に手を出していたらしい。
社長自ら詰所に突き出して、それで巡り巡って犯罪組織壊滅させて社長は一躍民衆のヒーローになってやがる…
何か嫌な予感をして辞めようとしたら、あの古臭い眼鏡をかけた社長に呼び出されて
「違法薬物に手を出した社員がもう何人かいるらしくてな…」っておい。
これって辞めたら殺すってことだよねぇ…
あの社長もあのカフェも皆、絶対グルだぞ!
…でも給料は良いんだよなぁ。仕事もかなり楽で休みも多いし
…あれ?別に良くね?
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・カルロタ商会、執務室
「ヒャハハハハハハハハハハハハ!!」
勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った
勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った。
「ハー…ハー…」
イカン笑い過ぎた…ダメだ…ああ、でも
「笑い止まらねえ…」
まだ計画が始まってすらいないというのにここからが本番だと言うのに…
だが、
「ここまで上手くいくとは思わなかった」
あのクソに秘密をバラさせないためとはいえ、無理をした甲斐があったってもんだ。
これで一先ずあのクソはもうこちらの意のままだ。
本当に危なかった。あと一歩でこちらが消されていた。
そう思うだけでゾクゾクする。生きていると実感できる。
「しかし、あのクソスゲェな」
想像以上に有能だった。使えない人材ならそもそも利用すらしてないが。
過去の資料から取られ過ぎた税金を引き合いに税金の一部免除を取り付けた。
航海法の隙間をついて野菜を果物と主張し出して関税を大幅に引き下げた。
その利益を土産に、愉悦部との会合を取り付けた。
さらに紅茶利権がコーヒーに取って代わられると脅して、紅茶の価格を譲歩させた。
野蛮人を山から引きづり出して、陸路からの貿易を可能にした。
勝手に行動し出す悪癖とこちらに対する反発はあるが…
「…この後の計画にも使えるか?」
こいつは使える。元々この段階で事故に遭ってもらう予定ではあったが…
「上手く行き過ぎたせいで反動が来るから余計な荷物は…」
これは予定通りだ。反発の制御もこめての事故だったが…
「いや、ここは張るときだな。流れを押しきれば誰にも止められない」
これまでの感が言っている。上手く行き過ぎた。
それすらも想定の内だというのならば、いいだろう。
「俺にも止められないがそれはそれで面白い」
過去話というか半年の間の政争(笑)書こうと思ったけど、長いのでカットしました。




