二話 悪の官僚騙される
あ、ありのままに起こったことを話すぜ…
何となくカフェ(酒場)に行ったらやたら親切な人が奢ってくれたんだ。
なんやかんやで仲良くなって職探しをしていることを言ったら...
親切「貿易関係のお仕事をしているんでうち来ない?」
俺「そういえば愉悦部の国と原始人の国と貿易してるんだよなー…それ?」
親切「そうそう大体そんな感じ」
俺「で、なにすればよいの?正直貿易関係なら俺じゃなくてもよくね?」
親切「いや、正直ね。金勘定できる人間がね。
とりわけ税金とか上手くできないせいで余計に金取られんのよ。
上手くやってーな(無茶ぶり)」
俺「OKだブラザー(酔っ払い)」
親切「よっしゃ!交渉成立!王様に何か言われたら俺もお前も首飛ぶからなー」
俺「…え?」
こんな感じのやりとりがあったんだよ…
そしていつの間にか契約書にサインしていた…わけがわからない
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カルボン港付近の貿易会社カルロタ商会。
その執務室に象牙製のひび割れた眼鏡をかけ、カーキ色のコートを乱雑に羽織る一人の女がいた。
「ふぅ…」
溜息をつき、乱雑に書類が詰まれたソファーへ寝転がる女。
彼女こそカルロタ・パルマ。
突如として貿易業に現れ、わずか数年で実質的にカルボン港を牛耳るまでカルロタ商会を成長させた若き怪物と目される女傑である。
「これしかなかったとはいえ、面倒なことになったなぁ…」
頭を掻き毟りながらソファーにある乱雑に散らばる書類の一つを睨みつける。
忌々しげな憎しみすら感じさせる表情で。
「まぁいい。最低限、ことが運ぶまで機能してくれればいいさ」
気分を切り替えようと頭を振る。
書類の山から一通の手紙をからとり出す。それは数日前に届いた過去の顧客から届いたものであった。
封は厳かさすら感じるものでありながら、
中味は可愛らしい花柄の便箋なのが異彩を放つそれをもう一度読み返す。
内容を頭の中で整理し、もう一度計画と合致するかを確認する。
「なあ、嫌われ者の徴税官さんよ」
女は笑う。そこにいない誰かを嘲笑うかのように。
「あのクソ宰相どうにかしないと死ぬなーしかし」
半分自棄になりながら。
株式会社カルロタ商会
数年前突如として現れ、夢のような大言壮語で投資家から金をせびり、結果大成功を収めた会社。
社長のカルロタは、海運で三国間の貿易を整えたとも言える化け物。
ただその急進的な貿易改革の裏には、社員という名の犯罪者紛いを囲っている、
反社会主義者による国家転覆を目論むなど根も葉もない噂が絶えない。