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NO.1 プロローグ

はじめまして。

読んでいただいてありがとうございます。


多分、いや間違いなく変更する点がありますのをご了承ください。


初めての作品です。やさしさ溢れる読者様でありますように、、、、

この感じ・・・知っている


目に見えていないのに理解できる


力の使い方が流れ込んでくる


感覚が研ぎ澄まされていく


加速していく


全てが・・・


『早く・・・起きろ・・・』




「はぁっ!?また夢か・・・」


大量に掻いた汗で濡れている布団を除ける。最近同じような夢をほぼ毎日見ている。


「なんなんだよ・・・。」


いくら物わかりが悪い俺だって異常だということは理解できる。

こんな夢を見だしたのは2年前からだ。最初のほうは1カ月に一回見るぐらいだったのだが、日に日に増えている。


「なんかの予兆ってことなのか?」





大江智之オオエトモフミ25歳の会社員。大学を中退しそれ以降は職を転々としながら生活している。主に決まった職種ではなくその時に出来る事を仕事にしている感じだ。

今はアパレルメーカーの営業部で企画や店舗運営の補佐などマネジメントを中心とした仕事を行っている。大学中退なのだが企業の根幹を成す仕事をしている事に智之の周囲の人間はかなり驚いたものの、もともとハイスペックな奴なのでそういう事もあるのだなと納得してしまっている。

職場での評価もすごく高く、周囲から頼りにされている。


「この企画いいけど今年の夏のイメージではないな。もっとリゾート感を出したらいいんじゃないか?」


「そうかしら?このままでも結構きわどい路線を攻めてるつもりなのだけど・・。」


シーズンごとの企画は社員にとって一大イベントであり自分の企画が採用されればそれは社内の一つのステータスになる。


「いや、悪くはないんだが・・・カラーバリエーション的に弱いというか・・もう少しターゲットの層を多くするイメージにした方が各店の集客にも繋がると思う。」


「なるほどね・・・。大江君は店舗で販売することをきちんと意識しているのね。部長にもそこが評価されてるんでしょうね。でもなんで大江君はいつも企画立案しないの?」


智之も入社当時は精力的に参加していたのだが、最近は全く企画立案はしていない。様々な仕事をしてきた智之の企画は消費者目線で尚且つ会社としての戦略もよく企画立案すれば100%通ってしまうため一時期智之の企画オンリーになってしまったことがある。それを見かねた部長がアドザイバー的な立場に智之を立たせた。それによって営業部全体の企画の質を上げようとしていたのだ。


「俺は部長にストップかけられてるからな。全体の企画書のレベルが低ければお声がかかるんじゃないか?まぁでも今回は加藤さんの企画で決まりそうだ。」


加藤カトウリサ、智之の同い年でデザイン部からの移動で智之と同時期に営業部に配属になった。デザイン部でのリサの評価は良かったのだが、リサは将来企業を目指しておりで営業部マネジメントの経験を積みたいというのが移動の理由だ。今時珍しい黒髪で目鼻立ちは整っている。体系はモデル体型で美人の一言に尽きる。そんなリサだが仕事に情熱を燃やし過ぎて結婚を逃さないか周りは心配している。実は本人も多少気にしているようだ。


「そう?なら最後まで付き合ってもらうわね。今日中に仕上げたいの、もちろん手伝ってくれるんでしょ?」


「いいけど、終電までには帰るぞ。今日は会社で泊まりたくない。」


リサと仕事しているといつも終電を逃すので今回は予め予防線を張った。会社には仮眠スペースもシャワールームもあるのだが誰が使用したのかPCで管理されてるので疑われるような行動は慎みたいと思っている。深夜の会社に二人っきりってシチュエーションは周りの噂の種になりかねない。智之は面倒を避けたいのだった。


「分かった。善処するわ。じゃあコンビニでご飯でも奢るわ。好きなもの買っていいわよ。」



「ギリギリ終わったな。後は仕上げだけだから一人で充分だろ?俺はもう帰る。」


なんとか終電までに企画書をゴールの見えるところまで仕上げることに成功した智之だったが、最後の仕上げまで手伝うつもりはないので冷たくそう言い切った。そもそも今回の企画書は規模が大きいのでPOP作成や各店のイメージ指示、カラー番号の確認、材質指定、原価計算、サンプル作成、予算作成などなど企画書が通ってからのほうがやることが多い。まぁそれまでの大まかな作業は今日で大体終わったので、後は会議に企画書提出しプレゼンを行うだけだ。プレゼン書類もほぼほぼ完成しているので問題なしだ。


「助かったわ。ありがとう。これで今回のシーズンの企画は決定ね。」


「それはまだ分かんないだろ。他にもいい企画書あるかもわからないしな。」


「そうね。でも私が携わった中で一番のものが出来たわ。この企画書よりいいものが通るならそれはそれで諦めがつくわね。」


「そうだな。じゃあ俺はこの辺で。加藤さんもあんまり長居せずに早く帰れよ。良い年のお嬢さんが会社で寝泊まりはあまりいい噂にならないからな。」


「ご忠告ありがとう。でも大丈夫。周りの人にどう思われようと問題ないわ。結果さえ残せればね。」


そう言いながらリサはパソコンと睨めっことを始めた。


(あぁ~、、、こりゃ会社で泊まる気だな。まぁ触らぬ神に祟りなし!早く帰ろう。)


心の中で呟いて会社から出た。


終電まであと30分もあるので、智之は普段は通らないルートで駅に向かうことにした。本人も気づいていないのだが智之は何も考えずに歩いたりするのが好きなのだ。この時間が数少ないストレス発散になっているとは本人もビックリだろう。それだけ日々の生活で気づかないうちに疲弊していた。


この世の中は生きていくだけで大変だ。何かを犠牲にしなければ得られるものは少ない。その犠牲が智之の場合仕事だった。結果を残すために努力し、周りに認められるために我武者羅に働く。

そうして得た信頼と結果の賜物の給料だけが生きていくために必要なツールなのだ。漠然とそのことを理解してからはそれ以前よりも我武者羅にそして我武者羅にそして我武者羅に、、、。

そんなことを続けていると心だって疲弊する。疲弊した心は壊れていく。壊れた心は戻らない。そして世の中はそういうものだと理解する。そして諦める。世の中を、世界を諦める。そうして段々考えるのをやめていく。当たり前だと認識する。そうして世の中の、いや世界の歯車の一つになっていく。


なにも智之だけが特別じゃない。世の中のほとんどの人が諦めている。仕方ないと割り切っている。だけどそれが智之は嫌だった。諦めていても嫌だった。

こんな世界は嫌だった。


智之の魂の一番奥で何かに抗えと言われている様な気がした。無意識に理解する。

この嫌な世界から違う世界へ行きたいと、、、


もっと自由に、、、


もっと、、、


もっと、、、



その時智之の存在は世の中いや世界から消えた、、、、




















読んでくださってありがとうございます。


今話は智之の紹介が主です。

急な展開で申し訳ありません。


回収するものは一つだけなので10話までには回収します。


ゆっくりしたペースで書くので、イライラされるかもしれませんが


これからもよろしくお願いします。

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