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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第8章 光の剣を携えて、残された『日常』という生活を過ごしていこうと思います。…後悔は、あまりしたくなかったから。
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遊園地

「みんなで遊園地行こうよ。」


 そんなことを、リンセルに提案された。

 ここは教室、昼休みである。


「…いいね、みんなで行くのって楽しそうだね…。僕も行きたい!」

「ウスギリ君たちもみんな一緒に行こ?」


 クリーゼが一気にハイテンションになった。

 さっきまで暗かったのは、テストの点数が悪かったからである。


 テストは100点満点×7。

 クリーゼ、まさかの280点。


 …俺は500点くらいだった。

 …くやしい。


 アンセルとリンセルは満点である。


「いいのか?」

「うん、ヘレナちゃんも。リンちゃんも行こう?」

「久しぶりにしてはいいかもね。…最近は勉強詰めだったから…。」

「勉強してないでしょ。絵を描いてるだけでしょ。」


 ヘレナの発言に対して、リンが突っ込む。

 実は彼女、将来の夢は画家だったりするのだ。


 …俺の夢は…まだない。


「ジル君は?」

「いいのですか? …では、お言葉に甘えて。」


 ジルがうなずき、手に取っていた資料を床におく。

 何の資料かは言わないでおこう。

 明らかに犯罪行為である。


「…あの、私もいいですか?」

「マイカちゃんもおいでー!」


 マイカ・エウクスも許可をもらったようだ。

 …彼女はウェイカーである。

 …『超絶能力開花アッパー』はまだ発現していないようだが。


「私たちも構いませんか?」

「ギョウアンさんも来るんですか?」


 後ろに気配を感じたと思ったら、3年首席がいた。

 クラスのほかの女子がキャーと黄色い声をあげるが、ギョウアンの耳には全くと言っていいほど届いていない。


「あれ、でもこの近くに遊園地あった…?」

「ない…。でも、セリシト魔法王国の国境の…ちかくに。」


 …遠いな。

 歩きでいったら1週間くらいかかりそうだ。


 …まあ、【デルエクス】が一般的だろう。

 …しかし、やっぱり大人数でいくなら、バスタイプの方が良さそうだが…。


「それなら、俺が出す。…【大人数用デルエクス】なー。」


 思考を読みとられた。

 リンセルに続き、次はガイロウにまで読みとられた。

 ショック。


「ガイロウさん、いいんですか? …不法侵入じゃあ…。」

「は? ナメてもらったら困るぜ? 俺は特別許可証を持っているからな、どやぁ。」


 ドヤられても困る。

 しかも、強面イケメンのドヤ顔は正直言って怖い。


「で、結局人数は…?」

「11人だな。」

「団体様だー。」


 リンセルがはしゃぐ。

 …異常と思えるほど、彼女ははしゃいでいたのだ。







------------------







「最近、無理をしているよなアンセルもリンセルも。」

「…そんなこと…ないです。」

「ないよ?」


 放課後、寮のリビングにて。

 俺はリンセルとアンセルに話をすることにした。


 時間は俺たちを待ってくれない。

 …時は、本当に…あと1ヶ月といったところか。


「不安だもんな、ごめん。」

「いいえ、私たちはちゃんとラン君を信じていますから、心配しないでください。謝るのは禁止です。」


 アンセルがほほえむ。

 しかし、その笑みも自然な物ではなかった。


「ほら、無理してるっていうけど、貴方も絶対に無理してるよ。自分だけで抱え込まないで、笑って?」


 リンセルが、俺の肩を軽く叩いた。


 …仕方がないな。


「…わかったよ。」

「ミレイちゃんも、そろそろ全詠唱いけるかもって言ってたし…。」


 ミレイも、尋常じゃないほどの体力を付けようとしていた。

 完全な支援型であるミレイに、今まで体力というものは皆無でも構わなかったのだろう。

 しかし…俺の制限リミッターを解除するために。

 …本当に、頑張っている。


 それは俺もだ。

 カレルに、「一か八か、で戦うんじゃなくてもいいんじゃないか?」とお褒めの言葉をいただいた。


「本当に有り難う…。」

「気にするな、当然だろ?」


 彼氏として。

 仲間として。

 将来のパートナーとして。


 当然のことなのだ。

 …それは。

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