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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第8章 光の剣を携えて、残された『日常』という生活を過ごしていこうと思います。…後悔は、あまりしたくなかったから。
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霊長類(?)

 テストが終わりました。


 筆記試験の科目数は6個。

 必修科目は『国語』、『数学』、『魔法史』、『魔法科学』、『魔法基礎』。

 選択科目は俺の場合、『カエシウス聖王国表記文字』(口語はアルカイダス共通)と、『発展魔法』。


 オウラン帝国の表記文字でもよかったんだが、選択出来る時期が結構遅く、すでにリンセルやアンセルとつき合っていたため、カエシウスのほうに決めた。


 『発展魔法』はカレルの授業である。

 …1年次の発展というのが、上級以上のものだったため何の悩みもなく普通に選択した。

 すでに今、禁術を使っている俺に実技はあまり必要ないんだが、知識としてほかの属性の魔法も必要だと考えた。

 対策も練られる可能性があるしね。


「数学、難しかったね…。」

「そうだな。…なんていうかさ、プログラムコードみたいな印象しかなかった。」

「プログラムコード?」


 …この世界では、なにが発展していてなにが発展していないかわからない…。

 …また地雷踏んだ?


 リンセルに対し、この世界にも存在するパソコンの中を構成するものについて説明をする羽目になった。


「…へー。博識なんだね。」

「お、おう。」


 いや、俺がそういう関係でいろいろやらかしているだけです。

 …と、リンセルが俺の手を握る。


「それよりもさ、デート行こう?」

「…ん、マジか…。」


 テスト終わってすぐのお誘い。

 …いきたいけど…なぁ。

 夏休み、あまり闘技場にいってないから大人数のデートは控えたい。

 お金がない。金欠である。


「久しぶりに行きたいな、…ラン君とふたりで!」

「ああ、行こうか。」


 二人なら余裕が出来た。

 …金はある。


「ふふ。」

「…やけに見せつけてくれるじゃないか、ロキアスよぉ。」


 と。

 後ろから野太い声。

 後ろを向くと、針山がみえた。


「誰だ頭ツンツンフライド。針の山でも作っているのか?」

「今はこれがブームなんだよ!」


 だれだこいつ。

 …リンセルを見つめるも、クラスメイトかな? と首を傾げているだけだった。

 …不審者だ!


「ねえ、早く行こうよー。」

「全く意に介されていないだと!?」

「…だれ?」


 ズバッ。

 子供とは、残酷である。

 …いや、17歳もまだ子供だ!


 18歳から大人なんだぁぁぁぁ!


「俺の名前はゴウラだ!」

「ゴリラ?」

「違う! ゴウラ・サリスだ!」

「ゴリラ・サル?」


 ゴリラか…。

 頭の上が針の山なのは、斬新な趣味のゴリラだ。

 すごい、霊長類。

 …いや、6種族は霊長類ではないらしいからね?


「おいサル。」

「サルじゃねぇぇぇ!!」

「おサルさん?」


 リンセルも追い打ちをかけるがごとく。

 …ゴリラは膝を折った。


 …リンセルのことが好きだとか、俺を目の敵にしてる…だとか、そんな感じだろう、十中八九。


「さらば。」

「おいまてぇ!」


 リンセルの手を引くと、ゴリラがガシッと俺の手をつかんだ。

 …気持ち悪いので、裏拳で殴ることにする。


「ぐふっ!?」

「いいから黙ってろ。…おまえに構ってる暇はないんだよ。」


 今からリンセルとのデートだ。

 ゴリラと戯れている場合ではない。

 …リンセルも不満そうにゴリラを見つめている。


「夜道には気をつけな!」

「…それは俺のセリフだ。」


 悔しそうに俺に向かって叫び。

 きびすを返してゴリラは走り去っていく。


 …夜道って。夜道って…。

 【闇】属性にとっては、周り全部が武器みたいな感じなんだけど!?


 本当に俺に向かって気を付けろっていえるんだろうか。

 逆に返り討ちにしてやれる気しかしないのは、俺の自信過剰だろうか。


「…むぅ、ゴリラさんのせいで時間かかっちゃった。」


 結局、ゴリラ…で定着したらしい。

 えっっと、誰だっけ?


 リンセルに案内してもらいながら、ゴリラみたいなパンクファッションの男の名前を思い浮かべる。







 ああ、ゴリラ・サルか。

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