宝玉 ※ゲストキャラ有
本日4話目の投稿です、ゲストキャラ登場っ!
お楽しみくださいっ!
龍が苦しそうに声を漏らし、のたうち回っていた。
何が起こった!?
よく見れば、目が片方潰れている。
いや…【撃ち抜かれ】ている。
獄炎龍が、遠くに目をやる。
…俺は標的から外れたようだ。
痛みに耐えながら、龍の見つめる先を見る。
そこには崖と、崖に伏せている少女がいた。
…少女だと判断したのは、長く赤い髪の毛からである。
少女は、巨大な銃を持っていた。
それを地面に、2脚で立てて狙いを獄炎龍に定めている。
…まて。
この世界での銃火器は、目玉が飛び出るほど高価なはずだ。
『武器妖精』付きの武器ほどではないが、それでも【デルエクス】1台は新品で買える。
…すき好んで、ワザワザ銃を買う人は、いない。
魔法で解決できるからである。
使用するのは、近距離攻撃しか持ち合わせていないサミュリ…くらいか。
「ぼーっとしないで。もう片方の目をやるから、トドメをさしてくれないかな?」
話しかけられる。
…いや、何で声が届くんだ!?
声は女でした。完全な。
「いいから早くするっ!」
訳が分からない。
しかし、助かった。
助かるかもしれないということだけを信じ、思い切り跳躍する。
『アッパー』のアシストにより、おそらく10メートルくらいは跳躍できたと思う。
なぜ、その少女を、突然現れた謎の少女を信用できるのか、理由が思いつかないはずなのだが。
本能が、俺に信用できると告げていた。
あとは、その本能が間違っていないのか祈るのみだろう。
刹那。
少女の持っている銃から、オレンジ色の閃光が瞬く。
音速すら振り切り、【光】属性の矢ですら速度的には勝てないだろうと思われるほどの銃弾が発射された。
銃声すら振り切る。
残念ながら、禁術よりも上に行かないと光速は再現できないようだ。
銃弾は寸分の狂いもなく、龍のもう片方の目に命中。
獄炎龍が一瞬怯んだところを見計らって、その眉間にアシストされた筋力で、剣を突き刺した。
目と目を結んだそのあたりが弱点…のようだ。正しくは。
獄炎龍の断末魔とともに。
…巨体が横倒しになる。
そして、遅れてやってくる銃声。
それは、雷が鳴り響いたように、激震を俺に与える。
…音だけで普通の魔獣は倒れるような気しかしない。
…何はともあれ、龍は倒れた。
今までの苦戦が夢のようである。
少しずつ、霧散していく獄炎龍。
残っていたのは、赤い宝玉…かなりでかいのと、何枚かの鱗。
手に取ってみるが、かなり大きい。
大体、おおまかにいうと一枚が50センチ×60センチくらいある。
それが10枚ほど。
…武器の材料とかに使うのかね。
あそこの武器屋に持っていこう。
買い取ってくれるかもしれん。
宝玉は、ちょうど手のひらで包み込めるくらいだった
赤い。
そこに、龍の魂が宿っている。
そんな感じがした。
「…。」
…もう一度いおう、かなり巨大だ。
あの光輝く剣、武器妖精付きの【夕暮れの太陽】にあった宝玉くらいはある。
となると、値段も半端じゃないはず。
なんせ、龍のだからな。
「…ラン君…?」
いつのまにか。
リンセルが俺のそばにまで来ていた。
『アッパー』を解除し、向き直る。
…リンセルが、泣き笑いをしていた。
俺の胸に飛び込んでくる。
「ね、え? …よかった…。」
「…調子乗ってた…ごめんな。心配させて。」
「うん…、大丈夫。」
「ところで…龍はなぜ霧散したんだ?」
彼女の頭をなでてやる。
リンセルは、満足そうに目を細めた後、崖の方を指さした。
「伝説級以上の魔物は霧散していくの。…戦利品だけが残る…のが見解。詳しくは知らないけど、伝説級以上の魔物はエネルギー自体でできているっていう噂。……お礼に行った方がいいよ。」
「う、そうだな。ごめん。」
謎の少女は、銃を担いで森の中に消えていくちょうどそのときだった。
リンセルに謝って、慌てて走り出す。




