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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第7章 大切な人を救うためには、やはり課題が必要。…というわけで、課題をこなすために火山に行ってきます!
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適応力

どうぞお読みください!

------------------【リンセル視点】


 私は、朦朧とする意識の中…、赤い剣《焔迦剣イグナイト・ソード》を構える少年…ラン君を見つめた。


 …いきなり…、上級って、唱えられるものだっけ?

 あれは、…ラン君の適応力の…。

 証明だ。





 …ダメだ、ラン君をみると胸が苦しくなる。

 …見たら、泣きそうになっちゃう。

 泣く。泣きたくないのに、愛しすぎて。

 さっきは送り出しちゃったのに、今は早く戻ってきてほしいって思う…。


 …ミレイさんの、賛歌は終わっていた。


「うぇ…。」

「…泣かないでください。…彼なら大丈夫ですよ。」


 ギョウアンさんが強く私を抱きしめてくれる。

 しかし、それは無理矢理、というような乱暴なものではない。

 …護衛対象を安心させる、頼もしいハグだ。


「…私では彼の代わりは出来ませんが、私たちの目的はあくまでもあなた方の護衛ですから。」


 その忠誠心には、頭を下げるしかない。

 …ガラ、恐ろしく悪いのにね。


「ラン君…。」


 もういちど、彼の名前を呼ぶ。

 …がんばってね。





------------------【ラン視点】


 今まで、対人とさっきのトカゲとしか戦ってないから、こういう巨大な相手と戦うのは…。

 正直言って、きつい。

 獄炎龍インフェルノ・ドラゴンが動く度に、地面は揺れる。

 獄炎龍インフェルノ・ドラゴンが攻撃する度に、地面は抉れる。


 完全に調子に乗ったな…俺。

 …大口、たたくんじゃなかったなと思いつつ。

 俺はどうにかして、その爪を切り落とせないかと模索していた。



「くっ!」


 ウェイカーという種族は、元々戦闘種族と呼ばれるほど戦いには適している。

 しかし、ソレは対人の戦闘であって、魔獣狩りではない。


「うがっ…!」


 爪の攻撃をよけきれず、左肩が一撃で血塗れになる。

 しかも…。【火】属性だ…!


「がっ!」


 灼熱とも捉えられる、熱さと痛みに思わず声を漏らす。

 ギョウアンに鳩尾を突かれた時よりも、遙かに痛い!


 しかも、このあと待ち受けるのはリアルな【死】。

 俺は、大切な人を結局守れないのだろうか。


 …嫌だ。




「『超絶能力開花アッパー』、発動。」


 リンセルが泣いている。

 俺は、彼女が渡してくれた魔力で覚醒した。



 自分の姿が、炎焔ホノオに包まれる。

 熱さは感じない。

 代わりに、《焔迦剣イグナイト・ソード》が強化されているのに気づいた。


 炎焔を噴き出したその剣。

 それは、俺にとっての心の意志のようだった。




「Gaaaaaaaaaaa!!!!」




 獄炎龍インフェルノ・ドラゴンが吼え、一気に炎焔を口から発射した。

 それを避け、いったん距離をとる。

 いくら『アッパー』で強化されたとはいえ、それでも有り余るほどの差はある。

 

 この『アッパー』、癖が強すぎてうまく使える気がしない。

 …使いこなせない。


 可能性は4:6と言ったところか。

 …もちろん、俺が4だが。


 ちなみに、流れ込んできた知識の中には、獄炎龍インフェルノ・ドラゴンの情報もあった。

 弱点は目、遠距離攻撃はそこに当てない限り効果をほぼなさない。

 それか、身体の真ん中…にある心臓を貫くか。


 しかし、それも無理だ。

 強固すぎる鱗に包まれているからだ。


 それこそ、前の世界の対物アンチマテリアル…ライフルだっけ?

 戦車用のあんな感じのを持ってこないとたぶん、打ち抜けない。


 そもそも、龍というのは滅多に現れないのだ。

 対策方法は、情報にはあまりなかった。


獄炎龍インフェルノ・ドラゴンさんよぉ…。何とかして帰ってくれないかね…?」


 龍に言葉が通じるとは思えなかったが、話しかけてみる。

 …周りからみたら滑稽だろう。


 しかし、代わりに返ってきたのは。

 巨大な炎焔ホノオの塊だった。


「うげっ!?」


 間一髪。

 それをローリングで避ける。


 あぶな、と思いながら横を見つめると、そこには焦土があった。


「…いや、食らったら死ぬって。」


 なら死ね、と言わんばかりの攻撃がまたもや俺を襲う。

 《焔迦剣イグナイト・ソード》を鱗に打ちつけても、カキンとはじかれるだけだ。

 2、3個は剥いてやったが、痛がる素振りすら見せない。

 だからといって、目を狙ったらそのまま食われるだろう。


 …第一、俺の体力が限界に近い。

 かれこれ…30分、俺は避け続けている。


 『アッパー』のアシストがあったとしても…。

 ダメだ。…左腕の感覚がほとんどない。






「Guuuuuu…。」






 ニヤリ、と龍が笑ったような気がした。

 一気に息を吸い、太陽かと錯覚してしまうくらい、巨大な炎球を、生成。


 死の予感しかしなかった。

 ミレイにあったばっかりで、リンセルたちに約束取り付けて。

 …情けない。

 やっぱり、誰一人守り通せないのか。




「Gyaaaaaaaaa!!!!」





 しかし俺があきらめずに龍を見つめ続けたとき。

 龍が、火球を消滅させ、のたうち回った。


属性にたいする適応力は高くとも、

新能力に対する適応力はそこそこなので

うまく使いこなせないのが現状。


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