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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第7章 大切な人を救うためには、やはり課題が必要。…というわけで、課題をこなすために火山に行ってきます!
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温泉

どうぞおよみください!

「…うぉぉ。」


 目の前は楽園です。

 なにが楽園って。


 …年齢制限越えるからやめとく。

 簡単にいおう。

 メロンから大平原まで。

 褐色から真っ白まで。

 …サイコル3人…!


「それにしても…温泉なんて…いいですね?」


 天使一人目、アンセルがホッと息をつく。

 …うなじ! うなじ!

 …白いよ!

 雪みたいに白い!


「ふぁ…。僕、眠くなってきた…。」


 天使二人目、クリーゼが欠伸をした。

 欠伸移すな。…こっちも眠りに落ちそうだ。

 夜の相手できないだろうが。


 え、変な意味じゃないですよ?

 …一緒に添い寝するだけです。

 …おそらく。


「うにゅーぅ。」


 何かうめいているのは天使三人目、リンセル。

 …ごめん、一瞬誰だ! って思ってしまった。


「うにゃーぅ…?」


 …半分寝ているのだろうか、おぼつかない手で俺の肩を触り、そのまま…。

 寝た。

 ヲイ。


「…ふふ、あらあら。」


 あらあらじゃないよアンセル。

 ここで寝たら後で困るよ。

 ふやけちゃうよ。

 …その前に茹で蛸になるっ。


「クリーゼ、助けて。」

「…うん、ちょっと待っててね。」


 俺が抱き上げたリンセルを、クリーゼがそっと受け取る。

 …思ったよりも、クリーゼは力持ちだったのだ!

 親がガラ悪いとはいえ、護衛の仕事をやっていることに影響はあるのだろうか。


 それにしても…。


「先に寝てていいー?」


 クリーゼの言葉に、うなずく。


「一応、全員分の布団を敷いておいてくれー。」

「了解ー!」


 そう…オウラン帝国風の部屋を頼んだら。

 日本の旅館そっくりだったのだ。

 たたみ! ふすま

 すっばらしい!














「…アンセルは、そろそろ上がらないのか?」

「…もうちょっと、浸かっていようかなと思いまして。…ラン君もどうですか?」


 アンセルの隣に移動し、飲み物を渡す。

 炭酸水だ。

 それを受け取り、アンセルは一口。

 …すっきりしたような顔で、俺を見つめた。


「月が出ていますね。」


 これこそ、月夜つきよというものか。

 …この世界でも、月っていうんだな。


 彼女の銀髪が、月明かりを浴びてきらきらと瞬く。

 その姿は、神秘的だった。


「…ラン君には、感謝していますから。」

「俺、感謝されるようなことしたっけ?」


 悪いが、身に覚えがない。


「でも、私たちを死なせないって、言ってくれました…。先入観ばかりに気を取られて、運命には逆らえないんだっていう思いを、ラン君は…。」


 変えてくれました、とアンセルは微笑む。

 …でもごめん。


「…それは、俺の責任だから。…感謝なんてされたくない。…自分の幸せを取りに行くために、していることだから。」


 アンセルやリンセルに、感謝される資格なんてないから。

 …自分のエゴのための行為だから。


 しかし、アンセルは黙って俺の頭を撫でる。


「…。」

「…。」

「…落ち着きましたか?」


 うなずく。

 と、アンセルは一息吸って、話始めた。


「私が貴方に感謝する理由は、二つあります。一つは、記憶を失っている私を、捨てていないと言うことです。貴方との関係のいっさい…記憶がなくなり、リュー君の記憶しかない私に対して、ラン君は本当に、親身に接してくれていたと思います。」


 …アンセル?

 普段、…ふつうなら、聞くことの出来ない話だろう。

 捨てる訳ない…のに。


「二つ目は、今回のことです。普通の人ならば、【伝統】を知った時点で私たちと縁を切るでしょう。…【伝統】というのは、あくまでも【伝統】であり、破るなんてことは普通考えませんから。…でも、ラン君はそれを破り、お父様と戦って、魔王ですら倒しにいくと言ってくれました。」

「…そんなに、すごいことでもないだろう…。」

「すごいことなんです。…少なくとも、私の周りには…私の体を目当てにした人しか、いませんでしたから。…リュー君と、ラン君以外は。」


 俺はそんなに高貴な人じゃない。

 俺はかぶりを振る。

 俺だって、アンセルの身体には注目しているから。

 汚したいとは思っていないけど。

 少なくとも、多少の下心はあったはずだ。


「…下心だけだった人が、ここまでしてくれる訳ないじゃないですか。」


 確かに、それはそうだけどもな。

 …ちゃんと、告白したときから、俺は本気だったし。

 …いや、本気だと思っていた。


「大丈夫ですよ。…ちゃんと、私も今は…ラン君のこと、本気で想っていますから。」


 涙流して言われても困る。

 …そっと、彼女が俺にしがみつく。


「…ラン君、これからも、よろしくお願いします…。」

「…一生だぞ? …絶対な?」


 絶対、守り通してみせる。

 アンセルも、リンセルも、もちろん…クリーゼも。

 俺はそれを決意したあと、アンセルの手を取った。


「…そろそろ上がろう。」

「…はいっ。」


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