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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第4章 課題を出されました。…しかし、その前にもっと大きい問題が発生しました。これから、それを叩き潰しに行ってきます。 
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禁術:魔剣

「ひょ?」


 リーダー格の男が素っ頓狂な声を上げる。


「…禁術魔法を見るのは初めてか。」


 今ではなんだかんだ言って、《闇魔剣アビス・ブレード》2本分の魔力消費か。

 いや、結構疲れる。

 気を失いそう、っていう訳ではないけど。

 …なんていうか。空気が重く感じられる。

 酸素がほしい!


「いや…ね、それを唱えられたからって、実体化することは…!?」


 彼の言葉を聞かずに、地面に手をおく。

 手の影が広がりさらに大きくなり。


 倉庫を包み込まんとする、大きな闇。



 そこから。





 ズズズ、と巨大な魔剣が現れたのだ。



 闇の化身とも見て取れる、強大な赤黒いオーラを纏ったその剣の名前は《闇夜魔神剣レーヴァテイン

 禁術の最上級と言われる、創造する魔法。


 それを地面から抜き、男を見つめる。


「…驚いたか?」

「…おい! いつまで女と戯れてるんだ! こいつを殺せ!」


 リンセルとアンセルに手をかけていた男たちが、俺を見つめた。

 こいつら、どこのヤンキーだよ。

 本当に…なんていうかね。

 腹が立つね!


『ほら、アッパーも発動しちゃいなよ!』


 そう簡単にいうな、リューよ。

 最後の手段だ。…アッパーは。


『ええ? …まあ、いいけど。』


 リューが俺の頭のなかで呟く。

 と同時に。


 男たちが、5人ほどこちらに殴り掛かってきた。




「…ふんっ!」


 剣は、重かった。

 俺の身体を鉛にするように、重量がのし掛かってくる。

 その中で、俺は【敵】を視認した。


『右斜め前から1発くる。』


 リューの言葉を聞き、身体をスライドさせるようにして後ろに逸らす。

 そして、その言葉通りに拳はやってきた。


「ふんっ!」


 直線で解き放たれた威力は、俺の肩より少々上を狙っている。

 そこから一気に肩を落とし、下から左手で男の腕を掴む。

 …昔柔道で習った技だ。

 そのまま地面に叩きつける。


 …左手だけは少し強引すぎたか。

 そして、次に横から火の玉を射出してきた男に向かって、魔剣を薙いだ。


 《闇夜魔神剣レーヴァテイン》は、【容赦】という2文字を知らないようだ。

 そのまま、火の玉はおろか、3人目の襲撃者の手を切り裂いていた。


 …わ、驚きの切れ味。

 指が3本飛んだ。


「うがあああああああ!!!」


 断末魔の声が聞こえる。

 が、気にしない。


 二人に手を出した奴は…それなりの罰が必要だ。


 一旦距離をとり、リューの空間把握能力に任せる。


『次、後ろから2人が【光】属性の初級魔法。』


 リューに教えられ、後ろを振り返ることもせずに遠距離魔法を切り伏せる。


 《闇夜魔神剣レーヴァテイン》が、いっそう赤く光ったような気がしていた。

 脈動するかのように、それ・・は赤く点滅、黒いオーラが、一段階濃くなった。


『その次。…左方向から、さっき蹴って吹き飛ばした男が襲撃に来る。』


 了解。


 もう一回蹴って倉庫の壁に叩きつける。

 ズドン、という鈍い音とともに、…男は泡を吹いて地面に倒れ込んだ。


『前から2人、遠距離系の攻撃。』


 お前はどこのスーパーコンピュータだ。

 射出された魔法球をよけるようにしながらも、相手を見据えて走り出す。

 剣の柄で、思い切り鳩尾を貫くと。

 男は、倉庫のドアを貫通し、どこかに飛んでいった。


「く…!」

「アンセルとリンセルに手を出していなければ、何も起こらなかったのに。」


 後ろから、音も立てずに近づいてきた男を逆手に持ったままの剣で斬る。

 相手が【犠牲の腕輪】をしていたのはよかった。

 失神するだけですんだ。


『はい、残りはリーダーだけだよ…!?』


 リューが絶句する。

 前を向けると、リンセルが唇を押しつけられていた。









「おっと、これ以上近づいたら、どうなるかわからないよ?」


 駆け出すとすると、男はナイフを持ってリンセルの喉元に突き立てていた。

 …まんまとしてやられたな。

 …リュー。どうする?


『下がって。』


 下がれと!?

 リンセルを見殺しにしろと!?


『良いからさがれ!』


 頭の中に、リューの叫びが響きわたる。


 なぜだ!?

 俺はリンセルを見捨てるつもりはない!


『言うことを聞け! …考えはちゃんとあるんだ!』


 その言葉を、信じるほかなさそうだな。

 渋々ながら後ろに下がると、男はニンマリと笑ってリンセルに話しかける。


「君たちの王子様は、君を見捨てちゃったみたいだね…。」

「…ラン君…?」


 完全に泣いている。

 その顔は、絶望に満ちている。

 …こっちを、見つめないでくれよ…。


『こう唱えるか、僕に声帯を貸してくれるかな?』


 なんだよ、許可があれば乗っ取れるのか!?

 聞いてないぞ、そんなこと!


『君の身体を使えるのは、1日1分程度だよ! …救いたいなら、ちゃんとしろよ…! 僕だって、リンセルを救いたいんだ。…リンセルがその目をするの、一番いやなんだよ!』


 その言葉に、リンセルに対する気持ちが、ありありと浮かんでくるような気がした。

 本当に少しでいいんだな!?


『30秒あれば充分だ。』


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