表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第0章  始まりの始まりは、鉄骨に貫かれての異世界転生でした。
2/442

異世界

「……はっ。」


 気を失ってからどのくらい時間がかかっただろうか。

 …まだ腰が痛い。

 どうなってるんかな、これ。


『あー。あー。マイクテストマイクテスト。』


 音量でかい!

 頭が割れる!


『おっと、すまん。スロツ=トールだ。』


 でかいって! 音量下げろって!


『…あ、すみません。…どうだ? …アルカイダス大陸は。』


 そういわれて慌てて見回す。

 どこみても木、木、木。

 完璧に森だ。


『ここはおそらく、ネフェリティスの森だな。』


 そこから、スロツは俺にこの世界の簡単な説明をしてくれた。

 これからも、俺のサポートに入ってくれるという。

 …必要なときだけじゃだめかな?



------------------



「…いくら歩けば、森のはしに着くんだろうか。」


 道はちゃんと整備されている。

 …日本の山にも、こんな感じの自然公園があったような。

 たしか、アメリカとかに行くと山脈で自然公園とかあるんだよな。

 …疲れた。足が棒になりそうだ。

 ていうか眠い。

 ここで寝たら…死ぬか?




 獣のうなり声が聞こえてきた。

 地の底から響くような、声。

 それが俺の鼓膜で認識するとともに、俺の背中には寒気が走ってくる。

 …俺か。

 せっかく転生したのに…。

 ここで死ぬのか?



 ガサガサッッ!!!!



 右か左か。

 それとも前か、後ろか!?

 わからない。

 だけれども…怖い。

 背後に…視線…ッ!?



 そこでなにをみたか、俺には認識できなかった。


 黒い影。


 そして俺は…意識を失った。



------------------




 さざ波の音が聞こえる。

 爽やかなにおいも。

 それに…なんだろうか。

 女の子の良い香りもする…。


 って。

 女の子の良い香り!?


「はぅあ!? …起きたんだね…おはよう? …聞こえてる?」


 目を開けると、目の前にいたのは緑色の髪の毛をした、少女(?)だった。

 目は若干垂れ目気味。

 耳はすこしながい。

 …マンガとかでみるエルフ…みたいな。

 声は透き通っていて、すこし幼げ。

 …かわいい。

 ちなみに、今さっきは顔文字で言う[><]みたいな顔をしていた。

 なんですかこの天使は。


「…あぅ…。えっと、お名前は?」


 …さて、これはどうするのだろうか。

 前の世界の、『紀伊きいあらし』でいいのか。

 それとも、スロツに聞くか。


『んあ? …名前か。…ラン・ロキアスでスロットは出てたぞ?』


 それも運か。

 なるほど、運か!


「ラン・ロキアス…のはず。」

「のはずって…。ふふ、私の名前はリンナアイデル・パン・リーフ。リンって呼んでね? ちなみに種族はエリシュ。」


 イエスチース、リンちゃん。

 かわいいな、この子。

 エリシュ…、エルフに語感が似ているな。

 …そんな感じのが多いのだろうか。


「…ここはどこ?」

「え…。」


 いきなり、戸惑われてしまった。

 何か変なこと言っただろうか。


「…もしかして、記憶喪失だったりする?」


 この世界にも記憶喪失って言う言葉があるのか。健忘ってやつ。


 …そうだということにしておこう。

 うなずくと、リンちゃんは困ったように耳をヒクヒクさせた。


「…どこまで覚えてる?」

「…知識全部抜け落ちたみたいだ。一応話の仕方はわかるみたいだけど…。」


 はい、最初っからこの世界の知識は持ち合わせておりません。

 リンちゃんは、すぐに状況を察したようだ。

 ちょっと待ってて、と部屋を出ていく。




 …あ、はい。

 なんていうのか。

 日本語通じるんだなって。

 ていうか、ここ完璧アパートだよね!?

 …女の子の部屋だよ。

 前の世界では、一度も女の子の部屋にはいることなんてなかったからなぁ…。


「お待たせ。」


 …なんでこの子は、俺に警戒心を持たないのだろうか。

 男だぞ!? 俺男だぞ!?

 と、何かに気づき、リンちゃんに聞く。


「鏡、貸してくれない?」





 俺が鏡を頼んだのは、きちんと理由がある。

 転生前、スロツの体で回したあれだ。

 容姿が相当良いってでていたような気がする。

 関西弁で。


「…やっぱりねえ。」


 鏡は、この世界には存在するようだ。

 それよりも。

 …前の世界で下の下だった俺のルックス。

 …パネエ。

 うん、なんでリンちゃんが警戒しないのかわかったよ。

 ホストとして、俺十分にやっていけるよこの顔。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ