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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第2章 美少女2人に挟まれて、幸せだけれども少し…刺激が強すぎる生活を送っております。
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寝起き

「…ラン君?」


 その声で、次の日は目覚めた。

 幼いほうの声だ、きっとリンセルだろう。


 目を開ける。

 そこには、俺の手を握ったまま、戸惑った顔をしているリンセルがいた。


 今日は太陽の日…つまりは日曜日である。

 アンセルもリンもウスギリも遅い。

 起きるのが昼前になるため、こういう時間も…。


「…布団、ありがとね。」

「ああ…。…リンセル。」


 リンセルがこっちを向いて、小首を傾げた。

 うん、今日も可愛い。

 …唐突に、感情が押さえきれなくなった。


「君が愛しいよ。」

「…ふぇ…? え?」


 パニック状態のリンセルも可愛い。

 …我慢できなくなる。


「…まだ、気持ちの整理が着いていないのも確かだし、好きなのは本当にリンセルなのか、アンセルなのかも分からない。…でも、少なくとも今は、二人が愛しく思える。」

「…へ…? 本当…?」


 リンセルが、強く俺の手を握った。

 それこそ、痛いくらいに。

 でも、何も言わない。


 そっと抱き寄せる。

 柔らかい。

 小さくて、人形のようで。

 しかし、確かな人の温もりがあった。


「…お付き合いはちょっと先だけど。…中途半端かもしれない気持ちだけど、いいか?」

「……。」


 彼女は、何も言わない。

 俺が彼女の体を離さない限り、彼女は俺の手を離そうとはしないだろう。

 …そんな、気がしていた。




------------------【リンセル視点】



 朝、起きたらラン君が目の前にいた。


「ひぁ…?」


 奇声をあげかけて、自分の周りを確認した。

 …布団、かかってる。

 手…ラン君の手を握ってる。

 …あ、これかな。原因。


 ほっぺたをつんつんしてみた。

 …起きない。

 このままキスしよっかなーとも思ったけど、さすがに寝込みを襲うのはダメかな?


「…ラン君?」


 昨日のことがあって、今日。

 大好きな人の名前を呼んでみる。

 …あ、起きた。

 …なんて話しかけよう…?

 とりあえず、お礼…。


「…布団、ありがとね。」

「ああ…。…リンセル。」


 彼が、私の名前を唐突に。

 頭が沸騰しそうです。

 え、あまりパニクるなって言わないで…。

 たぶん、学年の中では一番女子に人気があって、自分の一番好きな人に名前で呼ばれて…。

 うん、大好きビームを目線でおくっとこ。

 届くかな…。


「君が愛しいよ。」

「…ふぇ…? え?」


 えへへ、ごめんなさい、パニクっちゃいましたっ☆

 頭の中が真っ白です。どうしましょう。

 マジマジとラン君を見つめてしまう。

 冗談じゃないかって、思ってしまう。

 …かっこいいなぁ…。って、そういう場合じゃなくて!

 愛しい…?

 

 ふぁーーーーー!


「…まだ、気持ちの整理が着いていないのも確かだし、好きなのは本当にリンセルなのか、アンセルなのかも分からない。…でも、少なくとも今は、二人が愛しく思える。」

「…へ…? 本当…?」


 本当とかの前に、お姉ちゃんはついでに聞こえる。

 ふふ、やった☆

 やっとお姉ちゃんに勝てたよ!


 夢じゃなかろうかと思って、手を強く握り込む。

 …すこしだけ、実感がわいたような気がしたとき、抱き寄せられた。


「…お付き合いはちょっと先だけど。…中途半端かもしれない気持ちだけど、いいか?」

「……。」


 彼は暖かかった。

 筋肉質…だったけど、優しさを感じる。

 本気なんだって、…改めて思った。


 中途半端でも全然かまいません。

 …今まで通りでかまわないけど…。

 もっと一緒にいてくれるなら…。


 私は、ずっと貴方のそばにいます。


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