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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第2部、第5章 天才鍛冶師との生活は、事情が事情なだけに…。大変。
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龍化【Dracophose】

最後まで読んで頂けると光栄です!

 朝、登校中。


「シルバ。…決闘訓練だぞ。」

「え、なにそれ?」


 シルバがこの学園に来て…実に1週間。

 なじんできた方だと思う。

 …相変わらず、男子の交友というのは俺やウスギリたちに限られるが。


 何度か、武器を作ってほしいと頼まれているらしいが…。

 シルバは全部断った。

 …ここで作るのは、【聖魔】関係の人たちだけだと明言。

 それによって、リンセルたちは言い寄られるのが格段に多くなった。

 そこまでして取り入りたい人、俺は好まないんだぞ?


「魔法、肉弾なんでもあり。…つまりはタイマン。」

「ああ、1対1のね。…オッケー了解。」


 と、シルバは1本の背中に括り付けていた剣を俺に見せた。

 刀身は紫で、妖しく煌めいている。

 片直刃だ。…刀に近いけど何か違う感じ。

 そして柄には…【エクアトゥール】の紋章だ。


「魔剣?」

「おう。…自分のために作ったけど、癖が強くてな。剣の名前は【極光アクイローリス・ルミナリア】だ。オーロラっていう意味。」


 【極光アクイローリス・ルミナリア】…ねえ。

 と、妖艶的な女性が現れた。


『初めまして。』


 極光、という割に髪の毛は黒い。

 …日本美人な感じがするが。

 …なんだか色っぽいんだよなぁ…。

 どうなっているんだか。


「…お、おう。」

『シルバ様がお世話になっております。…ローリスとお呼びください。』


 そういって礼。

 …きっちり45度!


 妖精と言えば。


「そう言えば、俺の光剣妖精が出ないんだけど。」

「ん、でもきちんと宿ってはいるぞ? ほら、鑑定書。」


 シルバがバッグから一枚の紙を渡してくる…って!

 持ってたのかよ!


「一応、俺が作って俺の近くにある商品はな。いつでも相談に乗れるようにしないと。」

「…凄いなぁ…なんだそのアフターサービス。」

「イヴが鑑定したから、何かあったらイヴに聞いてみな。」


 シルバの言葉を聞いて、俺はイヴを探しに行くとする。









 …と、イヴが男子生徒に絡まれているのを見つけた。

 …相手は3人か。

 イヴが15歳なのをいいことに、壁に追いつめるのはどうかと思うんだよね。

 そういうの、汚いし。


 上級生っぽいけど、俺が名前を知らないってことはあまり…。

 有名じゃないってことだと思ってもいいだろう。

 有名だったら、一人で言い寄ればいい話だしなぁ。


「イヴ。」

「らんさんっ。」


 ある程度近づいてから、彼女の名前を呼ぶ。

 男子生徒がギョッとしたをすると共に、イヴは顔を一気に明るくする。


「ああん? なんだよお前ぇ。」

「お前らに名乗る名前はない。」

「んあ!?」


 「ん」と「あ」しかいえないのかな。

 …語彙力乏しすぎるだろ。

 魔法を学ぶ前に、国語を学んだ方がいいような気がしないでもないんだがどうだろうか。


 不意に…。

 殴りかかってきた一人目の男の腕をよけ。


 その男の鳩尾に拳をたたき込む。


 泡を吹いて倒れた一人目。

 そして俺はその他2人をみる。


「…まだやる?」

「…チッ。覚えてろ!」


 残りは舌打ちしてどこかに行ってしまった…。









 が。


「…俺の妹になにしてたのかな?」


 向かった先には、殺気を帯びて仁王立ちしているシルバ。

 初めてのレザールに、男子生徒2人は立ち止まる。

 しかも、シルバは鍛冶師の為に筋肉隆々で。

 …ごめん、俺擁護できない。

 したくもないけど。


 シルバは、そっと言葉をつぶやく。


「《龍化ドラコフォーゼ》。」


 赤黒いオーラが、シルバの周りに渦巻く。

 それが、暴風となって彼の激情を顕す。


 まず、最初に翼が展開された。

 赤く、さながら極炎龍インフェルノ・ドラゴンを連想させる禍禍しい翼が。


 次に、角が生えた。

 神龍を思わせる、いかずちを纏いし紅い角が。


 そして、彼の持っていた剣は。

 【極光アクイローリス・ルミナリア】。













 物々しい雰囲気になってきてしまったが、結局どうなんだろう。

 まだ日常のはずなんだけど。


 初めてのレザール龍化ドラコフォーゼ体を見て、足の竦んでしまった男子生徒2人に、シルバは殺気を帯びた視線を浴びせる。


 …一人が睨みを利かせられただけで失神。

 …絶対【龍眼】の効果、使ってるよね。


「お、俺を殴って見ろ! 親が黙っていないだろうさ!」


 相手は貴族の出身か。


「お、俺の父親は、カエシウス聖王国のスレイプ家当主だ! レザールだろうがウェイカーだろうが知らないが、親が絶対に黙ってはいない。そもそも、平民はこの学園にふさわしくないんだ! 粋がるな!」

「…ほう…なら、私からあなたの親に言ってやらないといけないようですね。」


 後ろで、ひどく冷えた声がした。

 …そして、俺は一瞬で声の主を判断する。

 この声、確認せずとも正体は決まっていることだろう。


 …てか、恐らく俺もシルバも平民どころの話じゃないんだけど。













「…アンセリスティア・フレイヤ・レイカー嬢……?」


有難うございました!

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