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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第2部、第5章 赤ちゃんが生まれたよ! …人のじゃないけど。
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住居

最後まで読んでいただければ光栄です!

「あれ、シルバもここか?」

「ん、ひとつだけ空き部屋があると聞いて。」


 シルバは、俺たちと同じ寮らしいが…。

 空き部屋なんてあったっけか?


 俺の隣にいる龍の子レザールは、物珍しい物をみるような目つきで寮の建物を見つめている。


「…ずっとレザール社会だったのか?」

「そうだな。ほとんどが石造り・木造の建物だったな、レザールの周りは。前の世界あっちはもっと発展していたなーと思いながら。」


 確かに、シルバの前の世界は…アルカディア王国だっけか? 日本を知っているということは、なかなかに発展したところにいたと思われるけど…。


「前のところはどんな感じで発展してた?」

「えっと、超音速の戦闘機かな。特に【AR-010】、通称【Hope】は、最高時速マッハ3を越える可変翼の特級戦闘機。補給なしで地球を4~5周でき、さらにミサイルは地空不問のもので最大64発積める…ていうのは。」


 これは機密情報だったはずなんだけどな、とシルバ。


 それをこの年で知っている、というのと。

 さらには転生したのに完璧な記憶能力。


 …シルバとは関係ないが、シルバの元いた国は…。

 俺の知っている世界を遙かに凌駕するものだったのだろう。


 …というより、なんだそのいかにも小説に出てきそうな世界は。


「まあ、あの世界は魔法っぽいこともできたしな。ここでいう…サイコル?」

「…なんだと…?」


 …シルバ…まさか鍛冶経験済み?

 はは、まさかな。


「お前の考えていたことで大体合ってる。…転生前も鍛冶をかじっていてね。3歳頃から…。」


 …なん…だと…?


「この世界は魔法で武器を打ち、武器の品質を良くすることが出来る。もちろん、魔法で詠唱して魔法剣も作成可能だろう? もっとも後者というのは、一時的なものだけれども。」

「前の世界にもあったのか?」


 シルバは首を縦に振る。


「…そうだな。前の世界では属性能力というものが存在していた。詠唱は不要で、本当にこの世界の『魔能力サイキック』に酷似したものだ。」


 属性能力…魔法…『魔能力サイキック』。

 …ほかの世界にも、そんな物があったのか。


「君の世界は? 日本は、こっちの見解としては世界最高水準の国で、全面ガラス張りの研究室があったり、地下に基地があったりしたんだが。」

「ないよ。…本当に近未来だなそっちは。」


 …SF映画の設定を語られたみたいな気持ちだ。

 ちょっと戸惑った。


 そこで、割り込むようにイヴが話しかけてきた。


「あの…、私の部屋は?」

「イヴもここ?」

「はい。…あの、もしよかったら…。」


 俺は持っていた炭酸飲料を口に含む。

 と、その途端イヴが口を開いた。


「一緒に寝ます?」


 噴いた。

 盛大に噴いた。


 …向かい側にいるシルバに被害がなかったことが幸いか。


「だ、大丈夫!?」


 リンセルが、持っていたハンカチで拭いてくれた。

 優しさに感謝しよう。


「ありがと。」

「いえいえ。」


 ちなみにリンセル以外のアンセルたちは、イヴをにらみつけていた。

 シルバは天を仰いでいる。


「ちょっとイヴ来い。」

「え? 兄様私何かしました…?」


 問答無用。そういうようにシルバはイヴの首根っこを掴み、猫を取り上げるように俺たちから離れていった。


 …凄い膂力だな。

 思ったよりもレザールは力が強いらしい。


 ウェイカーが運動能力全般を得意とする…。特に武器術に特化しているといえるが。

 レザールは徒手格闘としゅかくとうが得意だったりするのかな。

 でも、鍛冶が得意なら武器もさすがに使うか…。










------------------【シルバ視点】



 俺は、疑問顔になりながらも、僅かにテンションが下がっているイヴに目をやった。


「…あの場面で、あれを言うか普通?」

「…え…。」


 イヴが上目遣いにこちらを見やる。

 …目を合わせても、俺には耐性がついているためどうとも思わない。

 妹として、かわいいと思うだけだ。


「…確かに、イヴの今の状況もわかる。」

「でも、…ランさんに悟られたくないです。」


 …彼女は特別だ。

 ランに彼女の状態を言ったら、ランはどんな顔をするだろうか。

 …引く?

 おびえる?

 イヴを避ける?


 それとも…、何も言わないのか?

 イヴを気にかけてくれるのか?


「…大丈夫ですよ兄様。…ランさんには、時がきたらちゃんと私から話をします。」


 イヴの顔が、少しひきつる。

 …おそらく、ランの態度よりも、さっきのアンセルさんやクリーゼさん、クレインクイン陛下の目線が怖かったのだろう。

 …たしかに、怖かったな。

 俺もブルッたからな、一瞬。


「壁は厚そうだな。…かなり高そうだし。」

「どんな壁であっても、私はあきらめませんし…。兄様も、応援していただけますよね?」

「もちろん。」


 …彼女には何年お世話になったことか。

 …今、その恩返しをするべきじゃないか?

ありがとうございました。


…エレメかわいい…。


ちなみに、「FOYH」とは一応ハイパーリンクしてます。



評価など、お待ちしております!



では~。

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