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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第2部、第5章 赤ちゃんが生まれたよ! …人のじゃないけど。
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昼食

最後まで読んでいただければ光栄です!

 決闘訓練の授業が終わり、俺は午後にある魔法訓練の授業の用意を終わらせ…。

 エレメをリンセルたちに預けた後、中庭に向かっていた。


 無論、クインとの約束である。

 ちなみに、リンセルにクインと飯を食う事を伝えたところ。


「…へえ、…クインさんも…ふふ。」


 と、なにやら裏がありそうな笑顔を俺に向けていた。

 正直言って、怖い。


 リンセルの洞察力は人を卓越した何かがあるような気がして…。

 いや、実際に人のオーラを感じ取って生体反応で人を追うという、ストーカーもびっくりな追跡技術を持ち合わせているのだが。





 そんなこんなで、中庭に到着。

 ちなみにクレアシモニー学園に、中庭と呼べる物は5つある。

 クインが選んだのは、その中でも人気ひとけがない場所だろう。

 何せ彼女は、顔もよければプロポーションもよく、男子生徒に話しかけられ易いだとかなんとか。


 もちろん、彼女がカエシウス聖王国の聖王陛下だと知っている生徒は学園の中でも10人未満だろうが。


「ラン。」


 俺がクインに指定された中庭で、彼女の姿を探してあたりを見回していると。

 白く細い手が挙がった。


 …植物が邪魔をしていたみたいだ。

 しかし、彼女の方からは植物の間でこちらを見ていたんだろう。


「へえ。こんなところに喫茶店らしき物もあったんだ。」

「まあ、ベンチと机しかないんだがな。…イベントの時には喫茶店を開いたりするらしい。」


 クインは、少しだけほほえんで俺を席に促す。


「この学園に、祭りとかってあったっけ?」

「年末にあるらしいぞ。…去年は、レイカー家に私もランもいたからな…。」


 …年末か。

 …それにしても、この世界『アルカイダス』。

 9ヶ月周期で1年が過ぎるから、行事も無かったり、複数の行事が一括りにされていたりするんだな。



 …俺が考えていると、クインが空咳をした。

 慌てて考えるのを中断し、彼女の方を向く。


「これ、作ったんだ。…できれば食べてもらえると嬉しい…。」


 いつも威風堂々としているクインも、好きな男子の前では一人の女の子、ねえ?

 俺の考えではないが、ルークさんの言っていることも、あながち間違っていないような気がした。

 …しかし、この考え方だと、俺がその好きな人になってしまうのだが…。

 いいのだろうか? なにも支障はない?














------------------【シルバ視点】


 鍛冶屋、【エクアトゥール】前。

 店が開業して、5年で世界に認められるメーカーになった、鍛冶の伝説。

 俺は、今日…義理の妹であるイヴとともに、いったんここから離れる。


「…なにみんな悲しそうな顔してるんだよ?」

「…。」


 なぜ、こんな18歳の出発に町中の鍛冶屋が集まるのか?

 俺は魔王を倒しにいくわけでも、勇者の従者になるわけでもない…将来的に、ランなら俺を誘ってくれるかもしれないが。

 彼も俺も、共通点・・・があるからな


「別に死ににいくわけでもないし、長期休暇は一気に創る。そして…何倍も強くなって帰ってくるだけだ。」


 鍛冶屋だからといって。

 生産職だからといって、戦いに後込みするのはどうかと。

 俺は戦いをほとんど経験したことがないから、最初の方は苦労するだろうけど。


「…じゃ、行ってきます。」

「行ってきますっ。」


 イヴが手を振り、俺は手を挙げる。

 妹のイヴは【エクアトゥール】の看板娘兼受付嬢。

 …彼女の目を見つめて一言二言返事をしていたら、恐らく最低400万ほどは財布から吹き飛んでいる。

 イヴをナンパしようとして高めに設定した人が、何人も彼女を詐欺だと押し掛けてきたことがある。

 そのとき、俺はこう答える。


「品質と値段は吊り合っているため、これは詐欺ではない。そればかりか、自分で財布を取りだしたのに何を言っているんだ。」


 詐欺とかしたら、信用はがた落ちするしな。


「…イヴ、どうするんだ?」

「何をですか、兄様。」


 イヴが俺に手を差し出す。

 今日くらいはいいだろうと思いながら、俺は彼女の手を取った。


「ランのことだよ。…競争率激しいぞ?」


 【眼】を使わずに、ランさんに気に入られて見せますよ。とイヴはほほえんだ。

 …まったく、本当にできるのかね?

 リンセル嬢とか、アンセル嬢とか。

 …まあ、俺はハーレムなんて作る気はないが。


有難うございました。


感想など、いつでもお待ちしております!

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