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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第2部、第5章 赤ちゃんが生まれたよ! …人のじゃないけど。
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紅龍

最後まで読んでいただければ光栄です!

「…孵化…?」


 それは、あまりにも幻想的すぎる光景だった。

 教壇の上に置いた卵が、赤いオーラを保ち。


 ゆっくり、ヒビが卵の…宝玉に入っていく中、内側から光が迸るように充満していく。

 この世界の真理を、目の当たりにしたような気がした。


 それは結局気のせいなのだが。

 特に問題はないだろう。


「順調すぎて、逆に怖いわ。」

「…龍卵の孵化は始めてみたな。…ドラゴンは、飼育しない限り巣で生まれるから。」


 これって、俺本当に…。

 珍しいことをみているんだな。


「しかも、カメラに写らないんだ。…光がカメラにあわないらしい。」


 何年か前に、カメラに写そうとした研究者達がいたらしいが。

 光しか写っていなかったんだと。


 遮光レンズも役に立たないのだという。



 カチッと、ひときわ大きな音がして卵が二つに割れた。

 光はすでに、教室中を赤く染めるほどになっている。

 教室の外から見れば、怪しげな魔法を発動しているようにしか見えないだろう。


『キュゥ。』


 光が収まったとき、そこにあったのは小さな龍だった。


 一般的に、俺が想像していたもの…だろうな。


 一対の翼と、前足後足。


 目はぱっちりしていて愛くるしさを感じさせる。


 鱗は真っ赤だが、いくつかほかの色の…鱗も存在していた。


「…誕生、おめでとう。」


 俺は、無意識にそう呟いて、頭を撫でていた。

 その度に、可愛らしい鳴き声を発する。

 おお、可愛い。


「…メスだな。種別は紅龍ヴァーミリオンドラゴン。」

「あれ? 幼少態は赤龍レッドドラゴンじゃないのか?」


 自然に生まれたらな、と彼は笑う。


「だって、自分の彼女たちにも魔力流させたんだろう? …魔力が特に高い龍は亜種になる。それにしても、どれだけの魔力を与えたのやら。」


 3ヶ月、ずっと俺のそばにいたから…。

 プラス、リンセルとかアンセルとか?


 多いね。

 めちゃくちゃそそぎ込んだんじゃないかな。


「まあ、魔力を流し込んだだけ、この子は強いさ。…役所に行って、一度登録してきた方がいいだろう。」


 異名つきが拒否られることはないと思うがな、とカレル。

 …俺は、自分の手のひらに乗るほどの龍を見つめて、帰る支度をした。





------------------




「生まれたんだぁ…。」


 紅龍は、興味津々にのぞき込むリンセル達をみて、何とも思わないようだ。

 …自分に魔力を流し込んでくれた人が分かるらしい。


「名前、どうするの?」


 これはミレイ。

 さすがに、名前が必要か。


「何がいいかね。」

「トマト!」


 クリーゼがなんか言い出した。


「…食べるの?」

「じゃあ、ステーキ。」


 …クリーゼは没。

 何で食べ物なの?


「フォティアがいいです。女性名詞で炎焔です。」

「…言いにくいね。」


 アンセルは本を読んでいるからか、難解な単語を言い出した。

 …簡単にしてくれないかなあ。


「これ、赤龍レッドドラゴンの亜種らしいんだけどさ、アンセルとか俺とかみんなが魔力を流し込んだから、亜種の紅龍のなかでもなんかカラフルなんだよなぁ…。」


 鱗が赤一色じゃないのだ。

 カレルに帰り際聞いたが、分からないと言われた。


「明日、図書館に行って調べてきますね。グレイシアちゃんも協力をお願いします。」

「はい。」


 アンセルとグレイシアが探してくれる…と。


「…エレメ。」


 クインが呟いた。


「ん?」

「セリシトの言葉で、元素を表す【エレメント】から。…雄雌どっちにも使えるし、いいんじゃないか?」


 エレメ…か。

 俺的には悪くないけど。


「みんなは?」

「…いいと思うけど。…ステーキ…きゃう!」


 クリーゼに軽くチョップをかまして、俺はみんなをみた。


 うなずいているから、いいか。


「役所に明日、休んでいくけど。」

「あ、私も行く。」


 リンセル…はあれか。

 異名追加も一緒に行きたいのか。





「よし。」


 明日は役所ですな。

ありがとうございました!

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