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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第2章 美少女2人に挟まれて、幸せだけれども少し…刺激が強すぎる生活を送っております。
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デルエクス

 【ゼニス】というのは、この世界の言葉で【普通ではない】・【卓越者】というのを指す。

 たとえば俺みたいに規格外だったり、実力が若きし頃からズバ抜けていたり。

 俺にとっては、この世界が普通じゃないけど。


「ところで、どうしたんだい?」

「…『アッパー』について、詳しく頼む。」


 カレルは、普通ではない。

 なにが普通ではないか。

 彼は、ウェイカーとエリシュの混種族なのだ!


 でも、好奇の目にさらされないように、一般ではエリシュとして名は通っている。


「『アッパー』なー。まあ、どこまでいたってる?」

「13日前に、発動は出来た。…でも、俺は何で発動できたのか分からないんだ。」


 そう答えると、カレルは目を細めた。


「ああ、ランレイ戦か。…俺も遠巻きながら見てたけど。…おそらく飽くまでも俺の推測だと、『自分の大切な人が涙をこぼして助けを求めたとき』だと思うな。確か、リーフさんが泣いたときだろう?」


 頷く。

 確かに、あのときはリンが泣いた瞬間に紋章が光った。


「…確かに、自分の発動条件は知っておくべきだな。…あと、ウェイカーは複数個『アッパー』を持っていたりするから、それも覚えておいた方がいい。」


 俺は3つ持ってる、とカレルはどや顔をしてきた。

 なんか、ムカつく。


「ほかの種族のそういう能力は?」

「んあ、サイコルは『魔能力サイキック』だろ? あとフライドは『飛行フライティング』でエリシュは『詠唱短縮ショートカット』…かな。サミュリはご存じの通り『身体武器化アーティウエポン』。ケレイジは『雷迅速ライトニングダッシュ』…。」


 へー。

 種族ごとにそれがあって。

 それぞれに条件や制限があったりするのか。

 『詠唱短縮ショートカット』も、訓練が必要らしいからなぁ…。


「『詠唱短縮ショートカット』ってのは、その通り詠唱を短縮する物だな。初級・中級の魔法の分類詠唱を省略できる。」


 うへ、すごい便利。

 いいなぁ。


「でも、それを使うにはそれ相応の実力も必要だからね。…リーフさんは可能としても、ほかの人はそう行かないんじゃないかな。」


 リン…チートキャラ?

 っておもったけど、よくよく思い返せば爺さんが大賢者様だもんな。



 そこから、30分くらい、俺はカレルの講義を聴いていた。








「ごめん、お待たせ。」

「いえ、気にしないで。」


 時間を忘れていた。

 慌ててリンセルの元に駆け寄ると、リンセルは笑顔で首を振る。

 ※付き合っておりません。


 って、そんなことは良いんだよ。


「今日は学園の外に行くんだって?」

「うん、殆ど学園の中で生活はできるんだけどね。」


 んなこといいながら、どうやらリンセルは菓子を作りたいらしい。

 …さすがにそれは外に出るべきか。


「ラン君って、【デルエクス】に乗れる?」

「んあ? なんだそれ?」


 何のことを指しているかわからず、聞き返すとリンセルは不思議そうな顔でみた後、ポンと手をたたいた。


「あ、記憶喪失だったね…。ごめんね、【デルエクス】っていうのは、人工魔力で動く車両のことだよ。…転移魔法はエリシュとフライドしか使えないから…。ほら!」


 リンセルの指さした方を見ると、…【Δ】に【Χ】を重ねたようなバイク型の車両が走っていくところだった。

 でも、宙に浮いてるからアレかな。

 ホバークラフトみたいな感じかね。


「…免許とか、いるのか?」

「めんきょ? …むぅ、パスポートカードのことでいいのかな? …ラン君、たまにオウラン帝国の言葉を使うから一瞬分からなかったよ。」


 ウスギリといい、寿司といい。

 オウラン帝国は日本に限りなく近いのかな。

 …行きたくなった。

 どちらかというと、『セリシト魔法王国』はヨーロッパの小都市と、森林を巧く融合させたみたいな感じだ。

 ちなみに、【パスポートカード】は【PK】と訳されるらしい。


「【デルエクス】のPKぴーけーは、うーん。ウェイカーなら、すぐに取得できるんじゃないかな!」


 それ、どんな理論だ。

 しかし、可愛い。

 おいこの天使可愛すぎるだろどうにかしてくれよ!

 挑発的じゃないのが唯一の救いか。

 発音も可愛い。

 すべてが可愛い。


「お菓子の材料を買いに行くがてら、役所に行って取りに行く?」


 え、そんなに簡単なのか!?



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