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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第2部、第3章 勇者(自称)が思いのほか面倒です…。
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人間と異世界種族

最後まで読んでいただけたら光栄です!

 トワイライトが一気にダッシュして切りかかる。


 それを剣で受け止めるイリテに。


 リューが拳銃を発砲した。


「…っ!」

『リューさん、私が実体化していないからと言って、そのような外道はおやめください。』


 トワイライトの言葉を受けたリューが頭をかく。

 彼は、トワイライトの体を貫通するように銃弾を撃ったのだ。

 そりゃあ、トワイライトも怪訝な顔をするわ。

 なんだその外道は。


「リュー、相手の動きを止めるだけでいい。トワイライトは、リューの合図で一気に飛び退け。」

『了解です。』


 トワイライトがいったん離れ、その隙にリューが発砲。

 リューの拳銃に込められているのは麻痺弾…か?


 一撃で戦闘不能にしないために麻痺のレベルは低そうだ。

 …悪趣味だなお前も。


 結論をいうと、相手が勇者はなんたるかというのを示してくれない限り、あちらが勝利する可能性は、限りなくゼロに近い。

 いや、ゼロだ。

 自分は驕っている訳ではない。


 すくなくとも、クレアシモニー学園で上位3割に実力は入っているだろうが。


「くそ、なんなんだよー!」


 滅多打ちにされたあとの負け惜しみ、ありがとうございます。


「俺は1人だぞ。…肉体のない奴なんて召喚して、楽しいのか?」

「楽しいさ。」


 バッサリ切り捨て、リューから拳銃を、トワイライトから【夕暮れ時の太陽トワイライト・サン】を借りる。


「…なら、本物の1対1で勝てるんだな?」







 イリテが打ちつけてきた剣を、【夕暮れ時の太陽トワイライト・サン】で防いだら折れました。


 あっちの剣が。

 ついに、《汚染》が剣の芯まで浸食し尽くしたらしい。

 あっさり、バキッと折れた剣をみて、イリテは開いた口がふさがらない状態。

 まあ、そりゃあそうだろうな。


「…剣が。」

「勇者の持っていた剣は、ただの鉄の剣か?」


 依頼者から、勇者の剣くらいもらってこいよ。

 ますます怪しくなってきたよ。


「くそぉ!」


 え。


 まさか、素手で殴り掛かってくるとは。

 それを腕で受け止め、そのまま腕をつかむ。


「!?」


 そのまま、背負い投げに近い状態で投げ飛ばした。

 そして、またパターン化されているように撃槍インパクト・ピラムを投げつけて無力化する。


「…次。」


 これで、あと1回か?

 しかし、ここまで弱いのはさすがに。

 …何か、覚えているんじゃないのか?


 さすがに、魔法が使えないわけはあるまい。


 …種族的な問題があるとはいえ、みたところサミュリでもないし。

 …いったい何なんだ。


「…。」


 注意深く、彼をみてみよう。

 …転生者と、召喚された人って何か違いはあるのだろうか。


 転生者は、転生神という存在にもう一度「生」を預かる。

 その時の能力などは、俺みたいな運であったり、ミレイのような話し合いの元で決まったりする。

 少なくとも、スロツ=トールとアルカだけではないはずだ。


 召喚の方はどうか。

 召喚ってそもそもなに? と聞きたいところだが。

 前の世界でやっていたゲームとか、呼んでいたラノベとかと同じだとすると。


 …能力も何も、持ち合わせていないと言うことになるのか…?

 しかし、そのようなことがあってはならないだろう。


 ただの人間ヒューマンは、この世界ではただの弱者である。

 エリシュのように魔法に秀でたわけではなく。

 ウェイカーのように強靱な肉体を持ち合わせているわけでもなく。

 サイコルのように超能力を扱えるわけではなく。

 フライドのように空を駆ける翼もなく。

 ケレイジのように爪も牙もなく。

 サミュリのように頭の回転も速くない。


 …カラミタとレザールは別問題だろうが、あまりにも人間は弱すぎるのだ。


「…さて。」


 しかも、この世界の空気には「魔素」というのが含まれている。

 …普通の人間が、この世界の空気に適応できているのか?


「うらああぁっ!」


 殴り掛かってきたイリテを避け。

 足を振りあげたイリテを殴り。麻痺弾を発砲し。


「…血が上るのが早いな。」

「…うるせぇ!」


 顔を真っ赤にして叫ぶイリテに、ため息をつき。

 俺は、走り出した。


「心配してあげているというのに。」

「それのどこが!」

「ここがだよ!」


 剣の柄を投げてきた。

 それを手でキャッチし、なげかえす。


 イリテは悲鳴を上げながら避けた。

 …なんか、楽しくない。


 初めてだ。

 対人戦で…楽しくなかったのは…。

 ギリス・ランレイ以来か。


 …しょうがないよね。

 本気出しても。

 

ありがとうございました!

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