小話 改革-ルーク-
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「…なんなんだ、あの子。…いたた。」
「無理するからですよ、ルーク。」
俺…ルーク・フレイヤ・レイカーは妻のスピネルに手当をしてもらいながら呟いていた。
天上級魔法をみるのは、人生で3度目…か。
「…それよりも、彼でいいのですか?」
「いいんじゃないかな!」
「真面目に答えてください、ルーク。…まあ、ちょっと幼稚なところも魅力ですが。」
幼稚って…。
幼稚っていわれてしまったぁ…。
しかし、剣には剣を、魔法には魔法をという言葉があるように、ラン君が言っていることも間違っていないような気がする。
魔王に対しては、それほど凶悪な技も必要なんだろう。
私は、結局火の扱いで驚かれ…。
そのまま、仲間全員を殺された。
今にでも夢にでる。
俺を守ろうとして、槍に貫かれていく仲間達。
…だから、俺は家族だけでも守ろうと思った。
…しかし、そろそろ、あの子達に真実を伝えないといけないだろう。
もちろん、ラン君にも。
あの子達には、【儀式】を間違った知識で覚えさせている。
…それは、変に希望を持たせないため。
…あの子達には、本当に悪いことをしてしまった。
私にもう少し力があれば、もう一度私がいくのだが。
「それにしても、あのミレイという少女は…特異ですね。ラン・ロキアスと同等の…。」
「転生者だろう。…あの年で自作の魔法を持っているのは、レザール、カラミタ、そして転生者くらいだ。」
自作魔法…。
魔王も、いくつか持っていた。
…もしかして?
「…さて、そろそろあの子達に話をしないと。…ルーク、私もそばにいますよ。」
「ああ、助かるよ。」
私は、席を立ち。
顔を上げて、彼らの部屋に向かうことにした。
…さあ、伝統についに、私も逆らうことになるのか。
改革を、始めようか。
ありがとうございました!