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醒眼族の異世界学園覚醒譚  作者: 天御夜 釉
第1部、第9章 決戦の時。僕は大切な人の人生のために戦います。…貴方はこんな時、誰のために戦いますか?
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関門

どうぞお読みください!

------------------【リンセル視点】



 今日が【あの日】。

 ラン君、今どこにいるのかなと考えながら私は自分の部屋で呆けていた。


 …ラン君に今すぐ会いたいな…って思ったり。

 妄想したり。

 …ラン君のそばにいることが、やっぱり幸せだったから。


「…すこしいいか、リンセル。」

「…お父さん…?」


 ドアがノックされ、お父さんのルーク・レイカーが顔をのぞかせる。

 お父さんが部屋を訪ねてくるなんていったい何年ぶり?

 …小さい頃が懐かしいな。小さい頃はお父さんとお姉ちゃんで遊びに行ったのに。


「…いいよ。」

「そうか。」


 お父さん、嫌いじゃないんだけどね。

 でも、愛情は持っているんだろうけど、素っ気ないっていうか。

 …機械的に物事をこなす性格だから、あまり分からないっていうか。


「…まずは、明日の予定についてだ。夜の7時から交流の機会が与えられる。」

「…それ、結婚の?」

「そうだ。…今の間に有力候補をあげておこう。」


 政略結婚の場。

 それは私にとって、…将来の道が定まりつつある私の中では一番苦しいもの。

 聞いただけで悪寒が走りそうな決まりきった常套句。

 見ただけで嫌悪感がわく、太った豚。


 参加者のリストをお父さんから受け取る。



 あれれ?


「…あれ? ラン君の名前も入ってる。」

「ああ、最善はそれだな。…カレルの名前も入っている。」


 ロキアスは遅れて合図とともに門衛を突破させる、とお父さんは言っていた。家のそこかしこに設置されたカメラで中継をとるらしい……。

 これには二つの意味があるんだと思う…。

 一つは、門衛突破可能という実力を見せて、儀式から目を反らす。


 もう一つは、その実力を私たちを狙っている豚に突きつける。


「…ラン君が、突破したらいいの?」

「それが第1の関門。第2の関門はリンセルたちの取り合いの決闘で勝ち続けること。第3は私と戦うことだ。」


 第1の関門が突破できれば、第2も自ずと出きると思うけど。

 …問題はお父さんだよね。


「お父さん、手加減はしないんでしょう?」

「しないが? …【聖魔の牙バルデュバル・ケル】も本気だろう?」

「でも。」


 2つも関門を突破したラン君は、すでに体力も魔力も限界なはず。


「リンセル、彼女が彼氏のことを信じないでどうする。」

「…でも…、ラン君…。」


 心配だよ…?


「この代は、【儀式】をする気は全く持ってない。…【聖魔の牙バルデュバル・ケル】がもし私の条件を満たせなかった場合、次の候補は決まっている。」

「…ラン君は、勝つよ。」


 ラン君は、あきらめるという言葉を知らないから。

 …そこも大好きなんだけどね。


「そうだといいんだがな。」

「お父さん…、私の好み分かってる?」

「分かっているともさ。」


 豚はいやなんだろう? と聞かれ、頷く。

 …貴族のことを豚って呼べるのも、レイカー家だけ。

 王族に一番近い貴族。レイカー家は何代にもわたって、その称号を掴みとっていた。

 だからこそ、こう言うときに面倒なんだけどね…。


「明日は陛下と第二王女も来られるぞ?」

「クレインクイン様とグレイシア様?」

「ああ。」


 そこまでして、注目されているの?

 それは私に? それともラン君に?


「とはいっても、昨日決まったばかりなんだがな。」


 私は、素直に喜べなかった。

今日はあとでもう1話投稿します!

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