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ウォルテニア戦記[ウェブ投稿版]

09/04/2014に本文の大幅な変更を致しました。



作品名:ウォルテニア戦記【ウェブ投稿版】(以降ウォルテニア戦記と略称)


作者名:ホー


ジャンル:ファンタジー


あらすじ:

青年の御子柴ミコシバ亮真リョウマはある日、戦乱の異世界に召喚される。

召喚された亮真は戦争のために意図的に呼び出されたことを知り、隷属からの脱走を決意する。そして無事脱走した亮真は自分が召喚された世界の理を目の当たりにする。

特権階級の作り出す選民意識、俗欲に塗れた宗教、人権なき奴隷制度……。

亮真は故郷への帰還と己の正義を胸に抱き、異世界に剣を突き立てる。

そして異世界は一人の青年が巻き起こす新たな風によって大きく姿を変えていく。

青年は異世界で何を見て、何を掴み取るのか……。



   ストーリー(発想・構想)   :7点・9点

キャラクター(キャラ立ち・組み合わせ):9点・9点

  文章力(表現・誤字脱字)     :7点・8点

  設定(世界観・詳細 )      :9点・10点

   その他(更新速度・文章量)   :7点・10点


計84/100





見所:

【これぞ、ファンタジー!】という帯でいいと思います。

添加物など不要で目を通せば、一発で魅了されること間違いなし。

誰もが一度は夢見る『ファンタジー』への憧れ。

身近に感じることのできる『困難な問題』

抜群の安定感を持つ『世界観』

何より最大の魅力は痛快な『主人公の解決策』

自信を持って薦めるファンタジーです。




感想:

紹介文を書きたいと思った要因は『王道ファンタジー×ダークヒーロー×世界観』の見事な相乗効果です。

物語自体は『異世界に召喚された少年が戦う』と至ってシンプルです。

もしこれが『熱血系主人公』や『仕方なく手伝う主人公』であったなら私は最初に紹介しようとは思わなかったと思います。

しかしウォルテニア戦記の主人公である御子柴亮真は『ダークヒーロー』だと私は思います。

恩義を忘れず、仇敵も忘れぬ人間臭い。そして刃のような冷酷さも兼ね備えた青年、亮真。

この『ダークヒーロー』が物語に深みと面白さを相乗させているといっても過言ではありません。


そして『リアル過ぎる』世界観。

異世界に召喚されるテンプレートな物語ですが、選民意識・宗教・人権という私たちの身近にある存在。

身近すぎるが故の盲目。


また中世ヨーロッパに存在した僕客の背にある知識。

そして過去に存在したという紛れもない事実。

誰もが一度は感じたことのある『勝ち組』『いじめ』という絶対的な経験。

それらが物語に真実味を加え、『ファンタジー』という非現実的な存在に圧倒的な安定感とリアリティーを生み出しています。


また登場人物も等身大に感じる人物たちです。

野望を抱く姫と己が目標を達成するために彼女に力を貸す召喚者たち。

ドロドロとした欲望を軸に非人道的な商売で富を肥やす商人。

恩義を感じ、それ故に盲目で忠実な姉妹。

王たりうる慈愛心を持ちながらも決断力のない王女。

強欲に更なる贅を貪ろうとする権力者。

復讐心という暗い火を瞳に灯しながらも英雄と呼ばれる母。

傭兵という身分ながら部下を思いやることのできる女傑。


立場や性別に違いはあるものの、人生の中で一度は関わりを持ったことのありそうな人物ばかりです。

そんな人間臭い登場人物たちが行動するからこそ人間らしく、物語が主人公の意図せぬほうに歩いていき、物語が主人公や登場人物を振り回していきます。





評価:


ストーリー(発想・構想):異世界に召喚された主人公が元の世界に戻ろうと努力するテンプレートな物語です。

テンプレートですがそれ故に安定した面白さがあります。この作品は正しくそれを体現した物語だと思います。

構想はとても安定していてこれといった矛盾もなく、また登場人物たちの行動も自然体でスルスルと読めます。しっかりと作りこまれた構想であり、この作品のレベルの高さを作り出す要因となっています。


キャラクター(キャラ立ち・組み合わせ):主人公を始めとする登場人物たちの心理やそれから来る行動というのも違和感もありません。登場人物の性格やバックグラウンドがしっかりと考えられており、物語に深みを与えています。

戦記という登場人物が多くなりがちなジャンルでありながら一人ひとりもちろん、陣営の組み合わせや人物関係などが構想に練られています。


文章力(表現・誤字脱字):言葉遊びなどはありませんがそれ故に多くの人に読まれる文章です。

また誤字脱字もほとんど見受けられず、意識の高さが伺えます。


設定(世界観・詳細 ):世界観・文明は統一され、しっかりと練りこまれています。

各陣営の勢力図、魔法という存在の位置付け、登場人物の自覚無自覚の認識や階級制度などどれを取っても高いレベルを誇っています。

戦記という広大なジャンルであるにも拘らず、その一つ一つに作者の思惟が見受けられる作品です。


その他(更新速度・文章量):初期中期には短期間ながらしっかりとした文章を更新していて畏敬の念を抱くばかりです。最近は更新ペースを落としているようですが、文章量はとても多く読み応えがあります。




総評:戦記という難しいジャンルでありながらしっかりと作りこまれており、書籍化されたことも納得の作品です。

ストーリー・キャラクター・文章・設定などどれを取ってもハイレベルでケチのつけようがありません。

正しくファンタジーのお手本にすべきという作品です。




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