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プロローグ

 この世には妖怪、悪魔、神話生物などといった悪意を持った存在がいる。その中でも妖怪や怪異を専門に人々を守る「霊能者」と呼ばれる陰陽師がいた。この物語は後に現代最強の霊能者と呼ばれる夜桜隼人の若き時代の記録である。


 怪異と妖怪、遥か昔から存在する人に害を及ぼす危険な存在。怪異と妖怪の違いは意思疎通出来るか否かによって識別されている。他にも人の負の感情から生まれるという共通点、生のエネルギーである霊力を喰らうといった分析もされている。その存在を祓えるのは霊力を使った霊能力だけである。


 霊能御三家と認定されている夜桜家では影を媒体にした霊能力を扱う夜桜隼人もその使い手の一人だ。だが現在の隼人の状況はあまり良くはない現当主の具合が悪く跡目争いが過激になっていく地獄のような空気だ。残念ながら隼人は当主なんてものに微塵も興味がない、なので霊能者を育成している専門学校「幻霊学園」で青春を謳歌しているのだ。


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 ー夜桜隼人、紺色の癖毛に黒い瞳をした青年で年齢は18歳。平安時代から続いている霊能者の家系「夜桜家」の当主候補の一人である。霊能界隈では御三家とも言われる有名な家系の夜桜家だが大きく三つの派閥に分かれていた。その派閥を話すにはまず異能協会について語らなければならない。


 異能協会ー別名「異能犯罪防衛軍」。主に霊能者や魔術師などの犯罪を取り締まる政府直属の軍組織である。任務として政治の閣僚といった重要人物の護衛や保護、異能犯罪組織の制圧などが主な仕事になる。表向きでは公務員といった方が分かりやすいだろう。夜桜家は異能協会に仕事の斡旋をしてもらっている協力関係である。


 先ほどの話に戻るが夜桜家の三つの派閥は異能協会に属する賛成派とそのままの関係を続ける現状維持派、そして協会と縁を切った独立派へと分かれていた。当主候補である三人はそれぞれの派閥に属している。隼人が属しているのは現状維持派、隼人の考えとしては余計なことをしない方が良いという結論に至った。決して面倒でその派閥に参加しているわけではない。


 賛成派を率いているのは隼人の叔父にあたる夜桜雅吉

 独立派を率いているのは隼人の従兄弟にあたる夜桜綾人

 現状維持派は夜桜隼人といった三つ巴の状態になっていた。


そんなある日、幻霊学園に異能協会からある任務の要請がやってきた。

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