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ティラベルの想い

両派閥の動きを監視するのに英治は液晶ディスプレイをみていて……。

 青派と赤派の動きを監視するため英治は液晶ディスプレイを眺めていた。

 片やティラベルも液晶ディスプレイをみている。

 二人共に話すことがなく黙ったままだ。

 そんな中、ふと英治は通信用の腕輪を具現化させた方がいいと思い能力を使った。

 能力を三回使い緑のメタリック、猫の形、竜の形の通信用の腕輪を創る。


「可愛い……腕輪。それも軽い」


 それをみたティラベルは猫の形の通信用の腕輪を持ち喜んでいた。


「ティラベルは本当に猫が好きなんだな」

「猫、可愛い。でも今は、この町からいなくなった」

「大災害や戦争のせいか?」


 悲しい表情でティラベルは頷き無作為にテーブルをみつめる。


「大地震と急激に気象が変わったせい。他の国では大きな戦争もあった」

「そうか……でもティラベル達は生き残って前に進もうとしてるんだよな」

「うん、そのつもり。だけど……昔のようには無理」


 昔のことを思い出してしまったティラベルはツラくなってきてしまった。


「ごめん……嫌なこと思い出させちゃったな」

「ううん……大丈夫。それにエイジが謝る必要ない」

「それでも、ティラベルが思い出したくないことを」


 申し訳ないと思い英治は頭を下げる。


「エイジ……優しい。でも本当に大丈夫」

「優しいのは、ティラベルの方だ。俺は……空気を読むことができてない」

「まただ……自分のこと理解してない。エイジは凄いし優しいよ!」


 そう言われるも英治は納得できずにいた。


「ありがとう……」


 でもティラベルがそう言ってくれるならと少しは自信を持とうと思うことにしたようである。


「何を二人で、イチャついてんだ」


 そう言いながらルゼリウスは英治とティラベルのそばへ近づいてきた。


「イチャついてるって……別にそういうんじゃ」

「イチャイチャ、ルゼリウス……羨ましいのか?」

「羨ましい訳ないだろ! オレは女よりも機械の方が好きなんだ」


 それを聞き英治は、だから機械的な物に興味を示したのかと納得する。


「機械とラブラブ……変態だ」

「あのなぁ……ティラ、オレが何とラブラブだっていいだろう!?」

「うん、いいと思う。それなら、ボクがエイジとラブラブだって文句ない」


 一気に英治の顔は赤くなり、ユラユラと頭から湯気がのぼっていた。


「ええ、と……何時から俺とティラベルがラブラブ……いや恋人同士になったんだ? っていうか、なんでこうなった!?」


 英治は自分の言っていることが分からなくなり混乱し始める。


「エイジ……出逢った時からだよ」

「……俺は初耳だ。まだ何もしていない!」

「ボクのこと……エイジは嫌い?」


 そう問われ英治は、どう返答していいのか困ってしまった。


「あーうん……ティラベルのことは嫌いじゃない。でも恋愛対象としては……まだ逢ったばかりだし」

「そうか、それならいい。嫌っていないなら、まだ可能性はある」


 そう言うとティラベルは、ニコッと満面の笑みを浮かべる。

 それをみて英治は自分に好意を持ってくれるティラベルの気持ちを受け取れなくて申し訳ないと思っていた。


「もうイチャイチャは終わったか」

「ルゼリウス……別にイチャイチャしてたわけじゃない」

「ああ、そう怒るな。それよりも他の仲間がエイジに逢いたいそうだ」


 それを聞き英治は「逢ってもいい」と言いルゼリウスをみる。

 その言葉を確認したルゼリウスは仲間の所に向かおうとした。


「ルゼリウス! 待ってくれ……これを渡しておく」


 その言葉でルゼリウスは立ち止まりエイジの側までくる。

 英治はテーブルの上に置いておいた竜の形の通信用の腕輪を取るとルゼリウスに渡した。


「早速つくったのか……これなら何かあったら即、連絡できるな」


 受け取ったルゼリウスは早速通信用の腕輪を身につけると部屋を出て仲間の所に向かう。

 その間また英治とティラベルは二人だけになってしまった。

 そのため英治は何を話したらいいのか困る。

 だがなぜかティラベルは、ニコニコと笑みを浮かべ何かを妄想しているようだ。


「ティラベル……何か楽しいことでも思い出したのか?」

「内緒……これはボクの脳内の世界だけの楽しみ」

「なるほど……妄想してたってことか」


 そう言われ頷くもティラベルは自分の世界に浸っているせいか半分上の空である。


(まあいいか……これじゃ画面をみていられないだろうな。三分割に切り替えて監視してよう)


 そう考え英治は液晶ディスプレイの映像を三分割に分けて監視を始めた。

 そんな英治のことをティラベルは、ニヤニヤしながら時折みている。

 そのことに気づくも英治はみないフリをしていた。


(エイジ……ボクのこと嫌いじゃない。もっと好きになってもらう方法って何か考える。それなら喜んでくれることをすればいいのか?)


 喜んでもらえることってなんだろうとティラベルは考え英治をみつめる。


(ティラベル、まだみてる。好きだって言ってくれるのは嬉しい。でも俺は別の世界の人間だ。

 だからと云って、まあ……元の世界に戻るつもりはないけどな)


 そう思い英治は悩んでいた。

読んで頂きありがとうございます(o^^o)


では次話もよろしくお願いしますo(^o^)o

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