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動きだす者たち

液晶ディスプレイで監視を始めた英治たちは……。

 あれから追加の液晶ディスプレイを二個、具現化すると英治はテーブルの上に置いた。

 それらは可愛い猫の液晶ディスプレイと岩のような竜の形をした液晶ディスプレイである。

 それをみたティラベルは猫の液晶ディスプレイを、サッと奪うようにとった。

 そんなことをしなくても取らないと思い苦笑しながらルゼリウスは、もう片方の岩のような竜の液晶ディスプレイを手にする。


「三人分できた……これで別行動しても、ステルス浮遊球体を確認できる」

「ああ……そういう事だ。ルゼリウス、そういえば別行動をした時の連絡手段どうするんだ?」

「それなら……問題ない。ちょっと待っててくれ」


 そう言い椅子から立ち上がりルゼリウスは棚の方へ向かい歩き出した。

 何を持って来てくれるのかと思い英治は、ワクワクしながらルゼリウスへ視線を向ける。

 そんな中ティラベルは余程うれしいようで、ニコニコしながら液晶ディスプレイを色々な角度から眺めていた。

 そんなに時間をかけずルゼリウスは戻り、テーブルの上にメタリックで頑丈そうな腕輪を三つ置くと椅子に座る。

 その腕輪は色違いで緑とピンクと紫だ。


「これって……なんだ?」

「通信の腕輪……だけど重いから嫌い」

「重いのは勘弁してくれよ。これしかないんだからな」


 そう言われ英治は素直に納得する。

 ティラベルの方は渋々納得したようだ。


「これがあれば……」


 通信の腕輪を持った英治は本当に重いと感じた。


「確かに重い……あとで同じような物を創ってみるか」

「その手があったな」

「じゃあ可愛い腕輪がいい」


 それを聞き英治は頷き二人を順にみる。


「とりあえず今はステルス浮游球体を、あと二つ起動させないと」

「手分けしてやろう。オレは赤派の方にいる二人組を監視する」

「ボクは青派にいる二人組の方」


 それを聞き英治は赤派と青派の動きを観察することにした。

 その後ルゼリウスとティラベルは、ステルス浮游球体を起動させて入力を完了させると指定した場所へ向かわせる。


「これでいいな。それにしても液晶ディスプレイから命令できるうえに監視対象をロックできるなんてな」

「凄い機能……満載!」

「必要と思った物を色々と入れたからな。だけど思っていた機能を全て内臓するのは無理だった」


 そう言い英治は苦笑した。


「あっ! 動き出した」

「ああ……こっちも、やることやったら建物から出てったぞ」

「画面を二分割にして赤派と青派をみてるけど……まだ動きはないみたいだ」


 その後も三人は話しながら監視をする。


 ・

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 ✽

 ✧

 ✽

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 ・


 暫く話をしながら監視をしていた英治たちは、ルゼリウスの一言で再び液晶ディスプレイを真剣にみた。


「町の外に向かったぞ」

「コッチも外……バギーに乗って走りだした」

「赤派と青派共に気づいた仲間が何処かに向かった。両方共、追う」


 各自動きがあり液晶ディスプレイの画面に釘付けである。


「……ここがアジトか?」

「キートモンの町。場所は、この町から南東だよ」

「コッチは赤派と青派ともに幹部らしき連中が表に出たみたいだ。恐らく互いに殴り込みに向かったんだろうな」


 英治は一先ず両アジトの外にステルス浮遊球体を待機させて様子をみることにした。

 案の定、英治の予想通り両派閥共に敵の派閥へとくる。

 赤派の幹部三人が青派のアジトに入るなり怒鳴り散らすも青派の幹部は冷静に対処し始めた。

 片や青派の幹部二人が赤派のアジト内に入ると中に居た者に対し礼儀正しく挨拶している。赤派の幹部は困惑しているようだ。

 だが互いに敵アジト内に入った瞬間、異変に気づいた。そのため近くに居た者に状況を聞き現在の状況を把握する。


「青派って……滅多に喧嘩しないのか?」

「ああ……赤派の方は喧嘩っ早い。しかし青派が冷静なお陰で今まで大きな揉め事は起きなかった」

「じゃあ今回の揉め事も穏便に済ますつもりか?」


 その問いにルゼリウスは首を横に振った。


「青派は、タダ冷静に対処しているだけだ。でも、この状況をみれば両派閥共に変だと思うだろうな」

「どっちの派閥の仕業じゃないと分かったら、ここ危ない。どう……証明する?」

「証明はできるはずだ。ステルス浮遊球体で撮影しているから一部始終を動画でみれる」


 それを聞いたティラベルとルゼリウスは「凄い」と言い驚き目を丸くする。


「そんな機能まで付いているのか。これなら、なんとかなりそうだ」

「でも相手が、みせた映像をみて納得するか……それだけ心配なんだよな」

「そこは、なんとかするしかないだろ。そうなると、ここの連中にも伝えてくるか」


 そう言ったあとルゼリウスは液晶ディスプレイを腰のバッグに仕舞い立ち上がった。その後、部屋を出て仲間の所へと向かう。


「いったな……監視を続けるか」

「うん、そうだね。ボクも……」


 そう言い英治とティラベルは話すことがなくて黙ってしまった。そのため二人は無言のまま液晶ディスプレイをみている。

 そして暫く二人は色々なことを妄想しながらルゼリウスが戻るのを待ったのだった。

読んで頂きありがとうございます(^ν^)


では次話もよろしくお願いします(^ω^)

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