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猫顔型ゲーム機と【ゼルリダの伝説】

ティラベルに頼まれ英治は携帯ゲーム機を作ることになり……。

 あれからも英治とティラベルとルゼリウスは話していた。そう、まだ色々と話すことがあるからだ。


「それで……何からやる?」

「先ずは何をつくった方がいいかを考えないか?」

「それがいいと思う。でも……その前に、ボクのゲーム機」


 そう言われ英治は、ティラベルから色々と聞き鞄に入っていたメモ紙に書き込んでいる。


「猫耳、ピンク、猫顔の形、魔石ボタンの配置が猫の手のようにする、魔石スイッチは猫の鼻、俺の居た世界のゲーム……こんな感じか?」

「うん……楽しみ」

「俺の居た世界のゲーム。具現化できるか分からないが試してみるか」


 瞼を閉じると英治は指定された物を自分なりに解釈し思考を巡らせた。


 (女の子が好きそうな乙女ゲーム……それとも万人受けするロープレやシミュレーション、アドベンチャーあたりか?

 まさか格ゲーは、ないよなぁ。さて……迷ったぞ! どうする?)


 そう英治が考えているとティラベルは耳を疑うような言葉を発した。


「エロゲーって面白いの?」


 その言葉を聞いた英治とルゼリウスは石のように固まる。


「どうしたの?」


 あり得ない発言を自分がしたことなど気づいていないティラベルは二人がなぜこうなったのかを理解できずにいた。


「知らないのか?」

「あー……えっと。その言葉を何処で知ったんだ?」

「兄さん達が、ゲームしながら叫んでた」


 それを聞き英治は納得した。

 その一言で我に返ったルゼリウスは、ホッと安堵する。


「エロゲーなぁ……そんなに面白くなんてないぞ」

「エイジの言う通りだ。あんなゲーム……女性がやっても、つまらないからな」

「そうか……やってみたかった。だけど、そう言うならやめる。じゃあ剣とか魔法なんかで敵を倒していくヤツ」


 それならアレがいいかと思い英治は口角を上げ笑みを浮かべた。


「考えが纏まった」


 それを聞きティラベルとルゼリウスは、どんな物が具現化されるのかと思いワクワクしている。

 手を眼前に翳すと英治は、ティラベルの要望に合わせた物を思い浮かべた。


 《創作スキル【妄想】!!》


 そう叫んだ。


 本当は、スキル名を言わなくてもいいのである。だが、それらしく言ってカッコつけただけだ。


 翳した両手の前に魔法陣が展開される。それと同時に、チカチカと光って携帯ゲーム機が姿を現した。

 その携帯ゲーム機は本当に英治が妄想して具現化させたのかと思うほどに可愛いデザインだ。

 これは勿論ティラベルの要望通りの仕様やデザインなのである。だが、あまりにも可愛すぎだ。

 その携帯ゲーム機をティラベルとルゼリウスは目を輝かせみていた。


「猫顔型携帯ゲーム機……それも、キュートだ♡ これなら男のオレでも欲しくなるぞ」

「ルゼリウス……似合わない。岩型の方がいいと思う」

「別にいいだろう!? 男が可愛い物を好きだってよ」


 それを聞きティラベルは、ジト目でルゼリウスをみる。


「俺も可愛い物が好きだぞ」

「エイジは似合う、だから問題ない。でも、ルゼリウスは駄目!」

「なんだ……その差別は? ハァー……まあいい。それよりも内容は、どうなんだ?」


 そう言いルゼリウスは英治の持つ携帯ゲーム機へ視線を向けた。


「これはティラベルの物だ。お前が動作の確認をしてくれ」


 そう言い英治は携帯ゲーム機をティラベルに差しだす。


「ありがとう……エイジ」


 携帯ゲーム機を受け取ってティラベルは動作の確認をする。

 その様子を英治とルゼリウスは覗き込むようにみていた。

 ティラベルは鼻部分に設置されている魔石ボタンに触れてみる。

 すると口部分にハメられている液晶画面が発光し映像を表示させた。


「凄い……可愛い映像。ファンタジー世界のよう。【ゼルリダの伝説~リンクスの冒険】って表示されてる。なんか面白そう」


 右側にある魔石の方向ボタンを操作し【START】と表示されている場所まで移動させると左側の魔石Aのボタンに触れる。

 それと同時にスタート地点の森が表示された。

 その森の中には緑の帽子を被ったエルフの男の子が立っている。このエルフの男の子はゲームの主人公でリンクスだ。


「可愛い~エルフだ!」

「この世界でもエルフって言うのか?」

「ああ……近くの森にエルフの村があるぞ」


 この世界にエルフが存在すると知り英治は興奮する。


「それ本当なんだな?」

「嘘を言ってどうする! いや、なんで興奮してるんだ?」

「エルフって俺の居た世界では空想の存在だった」


 それを聞きティラベルとルゼリウスは納得した。


「同じ所を通っているのに毎回……違う、どうなってるの?」

「システム内容は分からない。でも、すぐにレベルごとのフロワーボスに辿り着けない仕様になってるらしい」

「これって、エイジもやってた?」


 そう問われ英治は頷き笑みを浮かべる。


 (ティラベルに具現化してあげた方のゲームはカラー版だ。だが俺は、モノクロ版をやってた。

 そういえば今のゼルリダの仕様って本格アクションRPGだったはずだ。

 でも、やったことがないから具現化は無理だな)


 そう思い英治は苦笑した。

読んで頂きありがとうございます(*'▽'*)


では次話もよろしくお願いします(^o^)/

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