第三話「その投信、手数料で骨抜き」
---
日曜日の朝、森本 真(30)は、スーパーのチラシとスマホを同時に見つめていた。
理由はこうだ。
「卵1パック158円……うん、こっちは138円。たった20円でも安い方を選ぶのが、庶民の生きる道よな。よし、今日もいい買い物ができた……!」
その一方、スマホの画面では……
「うおぉぉぉ!この投資信託、爆益じゃん!“毎月分配型”“勝ち組向け設計”……ネーミングがすでに勝ってる!乗るしかない、このビッグウェーブに!」
即買い。
「信託報酬?管理費?あーもう小さい字で読みにくい!俺、目悪いんだよな〜(裸眼1.5)」
見なかったことにして全力IN。
---
数ヶ月後──
「え?プラス5%なのに、分配金引いたらマイナス?」
真は、証券口座の“損益”の欄を3回見直した。
「……あれ?なにこれ。分配金ってもらったよね?お金増えてるはずだよね?」
部屋にはポツンと置かれたプリンター(使ってない)が虚しく光る。
---
その夜、バー『ROE』
「その投信、分配金って言いながら自分の金返してるだけだからな」
ドカッと椅子に座るのは、投資の先輩・柿崎鷹也(33)。
今日も奇抜なTシャツ("PER me, everything is PE ratio")を着ていた。
「信託報酬ってのは、いわば**投資の“月額サブスク”**だ。気付かないうちに、資産がじわじわ溶けてくんだよ」
「でも、分配金出ると得した気分になるじゃないすか……」
「お前、ATMで自分の金おろして“儲かった”って言うタイプか?」
「……それは、言わないですけど」
「同じだよ」
---
家に帰った森本、バフェット動画を再生する。
画面の中の賢者は、やさしく語る。
> 「コストを制する者が、投資を制する」
「……卵の20円に命かけて、信託報酬1.5%にノーガードだった俺、ほんとバカじゃね……?」
彼は冷蔵庫の中の卵を握りしめながら、今日も小さな成長を噛みしめた。
---
今回の学び(真メモ)
信託報酬(運用管理費用)は、毎日少しずつ資産を“削る”。
毎月分配型=利益の分配とは限らない。元本が削られることも。
小さな文字にこそ、デカい真実が詰まってる。
今回、読んでいただきありがとうございます。「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!




