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第7話 制服なの~

 さあ、どうしよう。お金が沢山集まりだした。

 どーする?


 と思っていたら丁度良い相談が来た。


「懺悔するの~」


「はい、実は私達貴族学園の平民特待生です。代表のセーラーと申します。実は・・・」



 何、何?貴族学園で一年生の貴族令嬢に難癖をつけられた?



『学園規則に、学生は品位を保つ義務があります。なのに、貴方方は、いつも平民が着る服を着ています。私、商会をやっておりますの。特別に銀貨30枚でドレスや紳士服を売って差し上げますわ』


『そんな。銀貨30枚はお父様の月給と同じですわ』


 と言われた?



「はい。確かに品位を保つ義務があります。その方は高貴な方の婚約者で、どうしたものかと」

「普段は親交ないのに、いきなりやってきたから、お名前を存じません」

「それに私達は学費免除なだけで、服飾代は頂いていません」




 今年から貴族学園で一般平民の特待生を受け入れた。富裕層ではない。中間層、人数にして40名。一クラス?


 なるほど、お姉様もドレスの商会を経営しているけど、うちは高級ドレス部門だったから、違うだろう。


 なら、日本の制服で良いだろう。


 しかし、コネはない。

 儲かったお金を使って無料で作ってもいいけど、それは違うな。


 そういや。私は躾、謹慎中の身、外出は老シスター様の許可が必要。しかし、こんなシスター見習いの幼女が言っても、誰も話を聞かないな~。



「企画書を作るの~!」


 指示をした。この世界でもあるはずだ。採算度外視をして作ってくれるところ。

 想像しろ。



 私はお絵かきをした。


 日本の学生服とセーラー服だ。学生服は色を灰色に変えて、アニメで見る何か金持ちが着てそうな奴で、セーラー服は、この世界に合わせて、踝までスカートの裾を伸したものだ。

 金貨の入った袋を渡す。あぶく銭だ。学生に使うのなら良いだろう。儲かって返ってこないだろう。


「お金はこれを使うの~!領収書はいらないの~、政治家じゃないけどいいの~!」


「え、政治家は分かりませんが・・・預からせて頂きます」



 学生達に企画書を作らせて、私の絵を添えて生徒会本部に提出させた。




 ☆☆☆貴族学園


「殿下、要望書です」

「制服だと?男子は陸軍、女子は海軍を真似る?アハハハハハハ、いいぞ」

「まあ、この絵は、お絵かきね・・・まさか」



「ちょっと、お待ち下さい!私の商会でドレスと紳士服を銀貨30枚で作れますわ。そこで買うべきですわ!」


「オリビア様、品位を保つ義務です。ドレスや紳士服を着ろとはなっておりませんわ」


「でも、どうせみっともないものになると決まっていますわ!」



「貴方たち、これはどこで相談したの?」


「はい、第18修道院の幼女です」


「やっぱりね」


「分かったわ。陛下の許可は殿下にお願いしますわ」



 そして、殿下は陛下に許可をもらった。

 公爵家お抱え絵師に、お絵かきをリアルに直してもらった。お針子に型紙を作ってもらった。試作品を作る。モデルは私と殿下よ。


 その上で、私、エリザベスは、王国騎士団工廠部服飾科に依頼をした。



「ほお、確かに、いつも、服を作っていないから、演練で丁度いいや。材料費だけでもらおう」


「お願いします」

 男子は陸軍の下士官の制服をもじった詰め襟だ。だからここで良い。



 女子は、お針子学校の生徒にお願いする。見習い12歳から15歳の間の子がいる。

 皆、親がお針子のエキスパートだ。




「良いですわ。顧客のいる課題は上達します。我ら教師が強度や品質の試験を行います。合格をしたものだけ出荷です。皆様いいですね?」

「「「は~い」」


「よろしくお願い申し上げます」


 快諾をいだだいた。


 S、M、Lと大きさを指定し。さすがに、細かい所の直しは生徒の自費でお願いする。



 そう言えば、材料費は誰にもらったのかしら?あの幼女にお金があるとは思えない。



「はい、幼女の方が、これを・・・」

「まあ。金貨の袋を?」



 試行錯誤の上、出来上がった。

 販売は、スージーのドレス店で行う。



「一着、銀貨5枚、販売益を入れても、安く出来たわ。これなら、貴方方でも買えるかしら」


「「「はい」」」



 制服はいい。団結感が生まれる。

 平民特待生は、団結して、貴族、平民富裕層に負い目を持たなくなった。

 良い風に向かったわ。


 さらに、私達、生徒会本部も着るべきだと説得した。

 皆は面白がって着てくれた。


「アハハハハハ、これはいい」


 と言っても貴族用にアレンジをした高級品だ。



 そして、私も、スージーにお願いして、制服をお願いした。



「金貨5枚になります」


「安いわね」


 強制ではないが、この服を着れば、品位を保っていると布告した。


 私達生徒会本部役員の制服姿を見た貴族令嬢たちはざわめき立つ。



「まあ、これ・・・制服でも高級感を出せるのね」

「毎日、考えなくてすむわ」

「まあ、殿下とエリザベス様が着るのなら・・致し方ないわね」


 もとから、ドレスで苦労をしていたのだろう。毎日、週、月ごとのドレスのサイクルで女同士の見栄の張り合いが起きていた。



 若干名、オリビアとその取り巻きが文句を言うが、


「まあ、まるで、皆様、渡り鳥のようだわ」


「まあ、国を守る騎士や海兵たちに敬意を表しているのよ。その物言いは、彼らに対する侮辱になるわ」



「私は着ないわ!」



 予想せずに、メアリーは、姉オリビアの商機を一つ潰したことになった。



 そして、



 ☆☆☆第18修道院


 ドン!



「メアリー様、制服の特許を申請しておきました。これは、頂いた材料費と、特許代です」


「何なの~!また、お金が増えているの~!特許申請しなくていいの~!」


 これは、日本の知識だ。私が考えたものではない。


「何故、特許申請をしなくてもいいのですか?すぐに他の商会が真似をしますわ」


 何て言えばいいのだろうか?そうだ。お告げだったとしておこうか?


「真似させればいいの~!これは、女神様の知恵なの~!夢で見たの~!」



「「「まあ」」

「まさか、夢見の聖女様・・・」

「「「ハハー!」」


「違うの~!」


 また、信者を増やしてしまったメアリーであった。






最後までお読み頂き有難うございました。

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