marry me?
興味を持って下さってありがとうございます。少しでも読んで下さった方の心に残れば嬉しいです。
何か悩み事でもあるのか。
最近しきりに溜め息を吐く様になったアリエに気が付いたのは、ちょうど昼時。デザートに用意したケーキを食べている時だった。
「…アリエさん、最近溜め息が多いみたいですが…」
「え…ッ」
心配げに…と言うよりも、興味がある様に話し掛けると、アリエは驚いた様にレオニールを振り返る。
「悩み事ですか?心配事ですか?」
手元のケーキを摘まみながら問い掛けると、アリエは困った様に眉をひそめる。
「別に…何でもないよ」
一瞬だけ何かを言いそうな顔をするが、結局アリエはそれだけを言うと押し黙る。
「…私に言えない事はないはずです」
アリエとは、同じ王宮に勤めている仕事仲間であった。
外交官であるレオニールが王宮で第二王女付きのメイドとして働いているアリエに一目惚れし、猛アタックの末、少し前にお互いの気持ちが通じ合い、晴れて恋人同士になったのだ。
そんな恋人である自分に言えない内容などないはずである。
きっと話してくれると信じ、辛抱強く待つと、アリエは俯いたまま目線だけをレオニールに向けた。
「…両親から…」
だがそこまで言うと、再び押し黙ってしまう。
「話して下さい」
レオニールは先を促す。
「実は…両親から結婚を迫られていて…」
「…結婚…ですか」
「…お付き合いしている男性がいるとは伝えたんだけど…、三十までに結婚出来ないなら、見合いをしろと言われてるの」
そう申し訳なさそうに言うアリエの年齢は、今年で二九。
三十まであと一年しかない。
「レオニールは…きっと忙しくて結婚なんか考えていないだろうし…。もちろん私も姫様を優先したかった、でも…」
「でも…?」
「両親も年だし…、孫を見たいだろうし…。私の結婚を焦る気持ちも分かるの」
「そうですね、私も分かります」
仕事が落ち着くまで待ってから結婚したのでは、最悪の場合は孫を両親に見せる事が難しくなる。
発展途上である国で外交官として勤めるレオニールは、それほどまでに忙しいのだ。
「…分かりました」
「?」
「結婚しましょう」
「はい…?」
「結婚したからと言って、お互い仕事が出来なくなる訳ではありません。今までと同様に仕事は出来ます」
「ほ…本当に?」
「はい、貴女は誰にも渡しません。お見合いなど以ての他です。本当は、姫様を優先させているのも嫌なくらいなんです」
「…レオニール…、ごめんなさい、結婚を焦る馬鹿な年増女だと思ったでしょう」
「そんな事は思いません、私こそ…仕事に没頭し過ぎた様です。アリエ…、私と結婚してくれますか?」
「はい!勿論です!嬉しい…レオニール!」
実の所、結婚などまだ先の事だと思っていたレオニールだったが、こんなに嬉しそうなアリエを見られるなら後悔はない。
思う所があるとすれば、上手くアリエにハメられたのでは…?と思うくらい。
だがもちろん前言撤回などするつもりはレオニールにはなかった。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
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今まで書いた短編を一つにまとめた、連載版[僕らは何度も恋をする。】(※加筆修正有)もどうぞ宜しくお願いします。




