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銀河の戦風  作者: 水沢佑
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序章

 「敵艦隊、突撃してきます! 距離5光秒、艦艇数約300!」


 スクリーンに写る敵艦隊の姿が、無音の轟きを発しつつ動き出す。

 戦艦ウェーゼルの広い艦橋の中央に立つ青年は、隣の壮年の男を見やる。視線を受けて男はわずかに亜麻色の髪を揺らすと、低い声で命じた。

 「迎撃せよ。全艦主砲斉射三連、用意」


 艦橋要員が慌ただしく動き、たちまち主砲の発射準備を整えていく。

 他の艦からも射撃準備完了の報告が伝えられ、そのたびに通信担当のオペレーターが声を張り上げる。


 その間にも、敵艦の姿は刻々と近づいてくる。4光秒にまで近づいた時、青年は思わず拳を握りしめ、再び隣に立つ男を見る。 しかし、男は盤石の姿勢を崩さない。それを見た青年は、自分の軽挙を恥じる風にスクリーンに向きなおった。


 「距離3光秒!」

 オペレーターが声を上げた瞬間、青年は右手を高々と挙げ、勢いよく振り下ろした。

 「撃て(フォイヤー)!」



 宇宙暦923年11月26日。グリューネラント王国領アルレスハイム星系の外縁部で、1つの会戦が始まり、その日のうちに終わった。


 この激しくも短い戦闘が、王国全体を襲う激震の初期微動であることを洞察した者は、まだいない。

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