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超視力!

超視力___正義のミカタは忙しい!

作者: 栗色マロン
掲載日:2021/09/30

「あの女の人、なんかおかしくねえ?」

高校生達が指さす方をつられて見やると、2番線ホームの先頭部分に女性が一人佇んでいる。


30代半ばくらいであろうか。こぎれいで上品そうな服装に身を包んでいる。

だが朝の通勤ラッシュ時にも関わらず、乗車を待つ人々の列から離れた場所で、茫然と立ち尽くす姿は確かに普通ではない。


嫌な予感がする。

この駅は何かと問題が多い。

先日も日本刀を持った男が暴れて、事件になったばかりだ。


「電車が参ります。危ないですから、黄色い線まで下がってお待ちください。」

場内アナウンスが流れ、電車が進入してくる。


その時である。

「うおおお」

先程の女性が短い叫び声を上げると、突如として電車に向かって走り出す。


やはりそうか!

私は女性を制止しようとして、追いかける。

しかし間一髪のところで手が届かず、女性の体はホームから宙に舞う。


響き渡る電車の警笛、運転手のひきつった顔。誰かの悲鳴、、、、、、、


―――――――


まだ間に合う!私は祈る気持ちで瞼を開ける。


2番線ホームの先頭部分に女性が一人佇んでいる。

「電車が参ります。危ないですから、黄色い線まで下がってお待ちください。」

場内アナウンスが流れ、電車が進入してくる。


私は迷うことなく全力で走り出す。

「うおおお」

短い叫び声を上げた女性が電車に向かって走り出すのが見えたが、直前で何とか体を捕らえることに成功する。


「やめろ、早まるな!」

間に合った。また一人、人類を救うことに成功した。与えられた能力を使って。


そう、私は未来を見通すことができるのだ。

この能力を駆使して日々、人々の救済に全力を尽くしている。


ただ見通せるのは、たった3秒後の未来である。

だから、のんびりしている時間はない。正義のミカタは忙しいのだ。


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