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とある令嬢の本音

作者: 澄川

誤字報告ありがとうございます!

私→令嬢

あなた→婚約者

あの娘→平民の女の子

で統一してます。

(名前考えるの面倒だったので)

ねえ、何がダメだったのかな。

私がしたのはいけないことだったのかな。

私は悪くないよね?悪いのはあの娘。

あなたに手を出したのが悪いんだ。

そう。私は悪くない。

なのになんで、みんなそんな目でみるの?

どうして、あなたはあの娘の隣でわらっているの?

私の方があなたを好きなのに。私の方があなたを幸せに出来るのに。

だってあの娘は平民なのよ?

侯爵令嬢の私と結婚した方が絶対幸せ。

私の方がかわいいし、頭もいい。身分だって公爵家のあなたとつりあってる。

なのに、私のことを見てはくれないの?

こんなにもあなたを愛しているのに。

私、あなたの為ならなんだってできる。

これまでだって、あなたに相応しくなるためになんでもやってきた。

勉強だって、乗馬だって、マナーだって、全部あなたのために。

そう、あなたのためにやってきた。

昔はとっても仲が良かったのに。

あなたが私と一緒にいるのは楽しいと言ってくれていたのに。

あの娘が来てから全てが狂った。

あなたは私を一切見なくなった。

それとは逆に、あの娘をみるようになった。

そして仲良くなって、いつの間にか恋人になっていた。

私という婚約者がいながら、あなたは平民の娘にうつつを抜かした。

最初は一時の迷いだって。きっと私のところに戻ってきてくれるって。信じてた。信じようと頑張った。

でも、あなたはどんどん離れていった。

そして、私のことを邪険に扱うようになっていった。

だからね?思ったの。


あの娘を消せばいいんだって。


あの娘がいなくなれば、きっとあなたは私を見てくれるようになるでしょう?また、昔みたいな関係に戻れるでしょう?

だから、消そうと思ったの。

あの娘さえいなくなれば、あなたは私を見てくれる。

そこに気付いてからは毎日が少し楽しくなった。

表面上では寛大な婚約者を演じてみせた。

あなたに気付かれないように。周りに気付かれないように。あの娘を消す計画を練りながら毎日を過ごした。

まあ、少しいやがらせはしたけれど。でも軽いものよ?靴を隠したり水をかけたり教科書を破いたり。命に関わることはしてないもの。

でも、一度だけ見つかってしまった。そこからは益々邪険に扱われた。

どうしてなのかな?

婚約者に手を出すあの娘が悪いのに。

いやがらせはやめた。

だってまた見られて嫌われたくないから。

それに、私のお友達達がなにかしてるらしいし。

わざわざ私がやらなくてもあの娘はいじめられるみたい。

でも、私やってないのに嫌われるのよね。

何でなのかな?


それから少し経って、噂を聞いた。

私が取り巻き達に指示してあの娘をいじめてるっていう噂。

なんでそんな噂がたったのか分からないけどおかしいよね?だって私やってないもん。

でも、誤解されたら嫌だから、ちゃんと否定したんだ。

そしたらあなたが言った。


「嘘をつくな」


って。

私嘘なんてついてないのに。本当のことなのに。

そんなことがあった頃から、だんだん私の周りから人が離れていった。

お友達達もいつの間にかいなくなっていた。


私は独りぼっちになっていた。


周りから嫌悪の目で見られていることに気付いたのは、独りぼっちになったと気付いた時だった。

やたらと視線が刺さると思って周りを見てみた。

そしたら、みんながみんな私のことが嫌いだって目線で語ってた。

私嫌われるようなことしたかな?確かにあの娘にいやがらせはしたし、消そうと思ってはいるけれど。でも、たかが平民じゃないか。嫌われることでもないと思う。

じゃあどうして?

どうしてそんな目で見られるの?

疑問には思っても、聞ける相手なんてもう居なかった。だから、いつしか疑問に思うことも無くなっていた。


当たり前のように毎日を過ごしてた。


漸く準備が整った。

これであの娘を消すことができる。

平民のくせに私の婚約者と恋人だなんて許されることではない。

だから消す。それだけ。

そうすればきっと、みんな元に戻るから。


計画は順調だった。

バレないようにしっかり根回しもした。

なのに、最後の最後で歯車が狂った。

あとは殺すだけだったのに。

来てしまった。

あなたが。

あの娘を助けに。


ちゃんとバレないようにしていたはずなのに。

バレているのは何故だろう?

誰かがバラした?

それともあなたが私の様子がおかしいことに気付いてくれた?

もしそうなら、とってもうれしいな。

だって私のことをみてくれた。

そんなに嬉しいことはない。

そう、きっと私を見てくれたんだ。

でも、バレちゃった。

どうしようかな?


あれから数日たって、あの娘を消そうとしたことが噂になって、益々遠巻きにされるようになった。

でも、それも気にならなくなっていた。

だって、私のことをみてくれた。

あなたが私を見てくれたから。


今日のパーティーはエスコート出来ないって断られた。

何か用事があったのかな?

それなら仕方ないよね。

そう思ってたのに。


「貴様との婚約を破棄する!」


あなたはパーティーの真ん中で私に向けてそういった。

あの娘を横に侍らせて。

婚約を破棄する。

それが私にとってどれ程のことか。

私は動けなかった。

声も出せなかった。

なんで。どうして。

それだけが頭の中でぐるぐるしてる。


「平民だからといっていじめる者は相応しくない!」


「ちゃんと罪を償え!」


なんで?なんで?

私は悪くないじゃない。

あの娘があなたに手を出したから。

あなたが私を見てくれないから。

だから、あの娘がいなくなれば前みたいに。

それに、罪なんて犯してない。

消そうとしただけで殺してない。

お友達達が勝手にやったこと。

私じゃない。ちがう。ちがうよ。

なんで信じてくれないの?


「謝ってくれるだけでいいんです!」


「確かに平民だけど、それでもこの人が好きなんです!」


謝ることなんてない。

だって私は貴族であなたは平民。

身分がちがう。

それに、ほんのいやがらせ程度しか私はしてないもの。

私だってあなたを、あなただけをずっと。

ずっと愛しているのに。

あの娘なんかよりもずっと昔から。


「追って沙汰は下す」


「二度と目の前に姿を見せるな」


二度と?

もう会えないの?

会っちゃいけないの?

なんで?

私悪いことしてないじゃない。

全部あなたと私の未来のためだったのに。

あなたが平民と恋人になんてなっているから、その恋心は違うのだと正そうとしただけなのに。

あなたに手を出したあの娘が悪いのに。


何も出来なかった。

理解すら出来なかった。

そのまま立ち尽くしていた。


気付いたら家にいた。

どうやって帰ってきたのかも分からない。

翌日、父に呼ばれた。

本当に婚約破棄されたらしい。

怒られた。

今までに無いくらい。


「お前を勘当する」


「お前はもうこの家の人間じゃない」


そう言われた。

平民として生きていけって。

もってる宝石などはくれてやるからもう二度と顔を見せるなって。


私がしたことってそんなに悪い事だったのかな。


私はどう生きたらいいのかな。







ずっとひとりなのかな────














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