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ゲインに連れられて詰所の食堂に向かうとそこにはリスのように頬を膨らまし口いっぱいに食べ物を詰め込んでいる見覚えのない黒髪の少年がいた。



「あれか?」


「あぁ、学生服を着てるし黒髪黒目THE日本人って感じだろ?

空腹で行き倒れそうになって、アホみたいに飯をかきこんでる」




パッと見は高校生くらいか、着ている学生服は土や泥で汚れている。

食べっぷりを見るに何日か外をさ迷っていたのだろう。



「つまり、この異世界人の当面の世話係を押し付けにきたわけだ」



「そういうことだ、あとは任せたぞ」



確かに異世界人の相手、ましてや日本人なら僕以上の適任はいないだろう、ただニヤニヤしながら部屋を出ていった所を見ると面白がってるのは間違いない。


…なんとなく腹ただしい気分ではあるが、少年に非はない。

気持ちを切り換えるために息を大きく吐き、食べ物を詰め込みすぎて喉を詰まらせている少年に水を渡した。



「落ち着いて食え」



少年は奪うようにコップを手に取り勢いよく水を流し込んだ。



「あー、死ぬかと思った」


それでやっと食べ物以外に意識を向けられるようになったらしい少年は僕を見て借りてきた猫の様にギョッと身体を強張らせた。

まー、見知らぬ190センチ近い大男が似たようなサイズの大剣を背負ってるんだ、警戒するのが当たり前だ。

決して僕の人相が悪いわけではない。



「そう警戒しなくていい、別に取って食ったりしない。」



「えーっと、この度は助けて頂いてありがとうございます」



「色々混乱してるだろうが、とりあえず自己紹介でもしようか

名前は?どこから来たんだ?」



僕の問いかけに少年はこの世界に来てからどれだけ大変な思いをしたのかを話し出した。それはどこかで聞いたことがあるありふれた異世界人テンプレストーリーで、似たような出来事に身に覚えのある僕を懐かしい気持ちにさせるものだった。






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