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清楚系ヤンデレと天使な小悪魔と  作者: みゃゆ
一年 二学期 前半
76/87

第七十六話 学園祭一日目:一日目終了

メイド喫茶行きてぇ

「篠崎君、私もちょっと校内を回ってくるからホールはよろしく」


 午後三時過ぎ、委員長がようやく休憩を取るようだ。朝から頑張っているから今日はもうこっちで頑張るからと伝え、遊んできてもらうことにした。


「遼、私も一緒に行ってもいいかしら?」


 桜が席を立ち委員長と一緒に学園を回りたいみたいだ。久しぶりに会う友達と楽しみたいのだろう。わざわざ聞かないでもいいんだけどな。


「元々そのつもりで来たのだろ? 遊んできてもいいぞ。というか、俺に許可取るものでもないだろ?」


「うん、そうだね。何かあったら連絡するね」


 少し寂しそうな顔をしていた気がするが、桜は委員長と一緒に教室から出て行った。なかなかこの学園には来れないので楽しんできてほしい。


 午前中がピークだったのか、ホールは落ち着いてきてお客さんはほとんどいない。他に何か目ぼしい出し物でもやっているのだろうか?


 少しホールに人が余っているな。もう何人か遊びに行っても問題なさそうだな。花も理事長に呼ばれてから体育館に来た以外では休憩を取っていないはずだ。


「花も休んできていいよ」


「こちらはよろしいのですか?」


「人が余ってきたらから他の子達も遊びに行ってもらうつもりだよ」


「それでしたら、みなさんとご一緒してもよろしいですか?」


 みなさんと言うのは理事長達のことだ。まだいたのかと思っていたが、結構盛り上がって会話をしているので移動するのが面倒なのだろう。特に姉さんが。注文もしてくれているので文句は言えない。


「別にいいんじゃないか? でも忙しくなっても休憩中は休憩を取ること。これを守れるならいいよ」


「わかりました。今日は残り時間も二時間ほどですし、急に忙しくなることはないでしょうからゆっくりさせていただきますね」


 そう言ってみんなの席に向かい、桜が座っていた席についた。理事長と平の目がエロ親父のようになっているのは見ていないことにしよう。


 他の子達もまだ見たいものがある子がいたら行ってもいいと伝え、ホールを回すのを俺を含めて五人にした。残っている子達も余裕ができたら行ってもらうつもりだ。


 学園祭は一日目の今日が五時、二日目の明日は後夜祭の準備があるので四時までとなっている。花も言っていたように今日の時間はもう二時間を切っているので、ここから忙しくなることはないだろう。もう少し客足が落ち着いたら厨房組の何人かには明日の準備をしてもらおう。


 ――――――――――――――――――――― 


 四時を回りホールにいる客が理事長達だけになってしまった。別にそっちが騒いでいたとかではなく、時間的な客足の問題だろう。こればかりは仕方ない。


 委員長と桜も戻って来たので俺も休憩を取ることにする。休憩と言うかバイトだと早上がりのようなものだ。五時には終了だからな。俺も残りの時間はみんなと過ごすことにしよう。


 ほんとは時間さえ合えば花と桜、二人とも回りたかったのだが、イレギュラーのせいで二人と回る時間を取れなかったな。


「そんなに我を見つめてどうしたのじゃ? もっと我と学園祭を回りたかったのかの?」


 あんたがイレギュラーだよ。別に怒っている訳ではないが、少しは自由な時間がほしかった。明日は自由にさせてもらおう。理事長は姉さんに任せて逃げる、これ決定。


「遼さん、私は戻ったほうがいいですか?」


「もう人も少ないから今日はいいんじゃないか? 今日はここでゆっくりしよう」


 戻ってきた桜と俺の分の席を追加するのだが、人数が多すぎてテーブルが少し遠い位置に椅子を置くことになった。用意しているのは六人席までだったから狭いが我慢することにする。


 九人は多いぞ。野球できるじゃないか。やらないけどね。あと二人集まればサッカーもできるな。もちろんやらないけどね。


「藍、楽しいか?」


「このババアがいなければ楽しい」


「お兄ちゃん怒るぞ」


「ババアダイスキー」


「よいよい、こやつも来年から我を楽しませてくれそうじゃの」


 頼むから姉さんはともかく、藍をおもちゃにするのはやめてほしい。この子暴走すると怖いんです。俺でも手が付けられないんです。


「遼の接客すごかったな。本物の執事を見ているみたいだったぞ」


「そりゃどうも。やるからには真面目にやらないとだしね」


「遼、私の家に執事服置いておくから今度からうちに来る時はそれ着てくれないかしら」


「遼さん、私も用意しますのでお願いします」


 それをやるならメイド服を着てもらわないとな。俺だけ恥ずかしい思いをするなんてごめんだ。桜もメイド服姿は見たいし奉仕されたい。本物の天使に見えるのは間違いない。花はこの前着ていたもっとおっぱいをアピールするメイド服を着てもらおう。そのほうが興奮する。


「遼兄ぃ、こいつらの家に行くのはダメ」


「……藍、俺達を見て分かると思うが、この前の件はもう和解したから仲良くしてくれないか?」


「いや」


 頑固な妹だ。誰に似たのやら。納得させることが難しいからもう当人達で話し合ってもらうしかないか。あとで花と桜にお願いしておこう。


「喧嘩でもしているのか?」


「そういうわけではないのだが……。一成、俺に何かあった時は助けてくれ」


「篠崎、そういう時は俺も頼っていいんだぜ?」


「いや、お前は頼りない」


 ガクッと肩を落として見るからに平が落ち込む。それを見てみんなが笑い出す。平はこういうキャラでいいんだ。


「そういえばお嬢様、勝負の結果は私の勝ちでよろしいですか?」


 学園祭前日に理事長との約束、楽しませてみよとのことだったが、誰がどう見ても今日の理事長は楽しいんでいる。満足しているに違いない。


「忘れておった。勝負は貴様の勝ちでよいぞ。後ほど理事長室に来るがよい。褒美をやろう」


「遼さん、なんの話ですか?」


「学園祭の前日に理事長を楽しませたら俺の勝ちっていうよくわからん勝負を持ちかけられたんだ」


 姉さんだけは納得しているようだが、他のみんなは意味がわかっていない。あまりに漠然とした説明なので仕方ないとは思うが、詳細を話すわけにはいかないからな。


「その勝負って私達でもできるの?」


 桜が気になったのか質問してきた。桜はまだ学園の生徒ではないので対象外になるとは思うのだが、理事長は桜の事を気に入っているみたいだし内容によっては受けるかもしれない。


「ならん。これは学園の生徒のみじゃ。学園の生徒なら我の求めるものを達成すれば望みを一回だけ叶えてやるぞ?」


 話を聞くのは後日じゃがのと付け加えて理事長がジュースを飲みだす。ここにいる桜と藍以外は対象になるわけだ。例外で姉さんは一回どころか何度もお願いをしているらしい。暴力で何とかしてるに違いない。


 そもそもそんな話は理事長と関わりを持つか口コミで知るかのどちらかでしか知れないのだ。姉さんは知っていたようだが教えてくれなかったし、もしかすると口コミはダメなのかもしれない。


 普段から学園をぶらぶらしている理事長と話すぐらいはそう難しくはないと思うが、マスコットキャラみたいな理事長にお願いをするなんて発想は持たないのが普通だ。


 みんな何かお願いしたいのか何かを考えているな。一番わかりやすいお願いをしそうな子がいるじゃないか。アドバイスしてやろう。


「詩織ちゃん、その平らな胸を大きくするなんてお願いでもいいんだよ」


「そんなお願いするわけないでしょー!」


「さすがにそれは我でも無理じゃ。できてたら我はナイスバディじゃぞ?」


「確かにそうですね」


 女性陣全員からジト目を向けられるのだが、最近はその視線にも慣れたぞ。なんとも思わなくなってきた。


「それって彼女がほしいとかでもいいんですか?」


 平がアホな質問をしかがった。そんなの自分で頑張る以外ない、他力本願はよくないぞ。


「貴様は確か農業部だったの。あそこにいれば自然と彼女ぐらいできるじゃろ? それにそういうのはやってもよいが、学園合コンを開催することになるぞ。そんなのカオスになるに決まっておろう」


 想像したのか誰もが納得をする。学園で合コンなんてやっていいものではないな。参加するだけで学園生活が終わってしまいそうだ。街コンみたいな、会ったこともない知らない人とやるものではなく、学園の生徒でやるのだ。そこで気まずいことを起こすとその相手は学園にいて、すぐ顔を合わせるかもしれない。絶対に開催してはだめだ。


『これにて学園祭一日目の日程を終了します。明日も楽しみにしてください』


 気がついたら五時になったらしく、学園祭終了の放送が流れた。いつまでもここにいさせるわけにはいかないので、俺・花・平以外は帰らせることにした。一成と詩織ちゃんは一度自分のクラスに戻るそうだ。


「理事長、片付け次第終わったら行くので六時ぐらいでよろしいですか?」


「よいぞ。それと理事長ではなく、お嬢様じゃ。学園祭が終わっても貴様は我の執事じゃろ?」


 そうだった。忘れていた。俺の学園生活は理事長の手に握られているんだった。


 ニヤニヤしている理事長は楽しそうよりもどちらかと言うと小悪魔桜のようで少し背筋がブルっとなった。俺の周りには普通の女性はいないのか? 詩織ちゃん? どこが普通なんだい? 平らな胸なんだ、普通ではないでしょ?

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