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エマニュエレ・フィリベルトの場合

 ヴィットリオ・ヴェネト級の建造が承認されたわけだが、そこにはもう一つの決定が付随していた。

 フランチェスコ・カラッチョロとクリフトフォロ・コロンボ級への新型15インチ砲の適用という第二次改装も行うとされている。

 そうなると、15インチ砲が足りなくなる。3隻分は確保しているが、すでに軍縮条約は失効しており、代替艦のみの建造にとどめる必要性も消滅している。予算さえ許すなら新たに建造することも可能なのだが、現状では主砲が足りないという状況にあった。


 ただ、それは15インチ砲に拘った場合であり、すでに新たに16インチ砲の試験が行われている。こちらを搭載することで主砲不足の問題は解消されるものと考えられていた。


 そもそも、15インチ砲を選択したのは既に製造実績がある口径であり、その改良型であれば量産も早期に行えるという目論見からなされたものだった。

 フランス同様、ロンドン海軍軍縮条約における戦艦建造の5年の建造禁止延長に服さなかった事で早期の新造が求められたというのも大きかった。

 もともと15インチ砲の改良は続けられており、すぐにでも実現可能な状態であったからこそ、ヴィットリオ・ヴェネトの建造がスムーズに進んでいる。もし、新たに主砲の開発を行うとなればより時間を要したに違いない。

 

 その裏で行われていたのはもちろん、新規の16インチ砲の試作であった。量産目標は1941年ごろであり、1934年ごろから建造を開始する戦艦の主砲にはなりようがない。そこで、まずは急いで必要な戦力補充分の3隻が15インチ砲で建造され、余裕を見て追加建造する場合には16インチ砲搭載の新型戦艦を建造するという方針が出されることとなった。


 実際に16インチ砲を装備するにあたって、砲弾重量がこれまでよりも重くなり、砲塔機能のすべてが開発に時間を要すると言うのだから尚更だ。


 ヴィットリオ・ヴェネト級の起工時点では16インチ砲など搭載の目途すら未定という状態だった。

 それがイタリアの限界だった。これではいきなり16インチ砲など搭載できない。だが、時間さえかければ不可能ではなかった。


 しかも、幸いなことが色々存在している。

 まず、1896年のエチオピア戦争によってエチオピアは保護国となっていたので新たな戦争の必要性がない。

 さらに、リビアでの石油採掘が軌道に乗っているので史実よりも景気が良く、石油輸出の見返りとして英国からの技術導入が行われていた。

 こうした幸運から、イタリアは史実よりも技術が向上している上に戦争の必要もない。それだけ予算の余裕が生まれている。


 ヴィットリオ・ヴェネトの建造で見えてきた改善点を洗い出しながら16インチ砲戦艦の設計が行われている。

 地中海での戦闘の場合、日本ほどには対空防御に血眼にならなくてもよい。なにせ、英国空母の搭載機数は日米に比べて少なく、雷撃機や爆撃機が雲霞の如くという訳ではない。その代わり、水上艦による戦闘を重視した方が良いだろう。


 あれやこれやと考えているとどうしても大和型似になってしまったのは俺が日本人だからだろうか?


 艦前部に2基の16インチ3連装砲塔が乗り、艦橋がそびえて居る。艦橋脇には左右各一基の6インチ3連装砲が鎮座し、その後方には2段にまとめられた90mm単装高射砲が下段4基、上段2基並んでいる。

 そして、2本の煙突の後方に後部艦橋があり、艦橋のすぐ後ろには6インチ3連装砲がある。副砲を背負い式にする位置に16インチ3連装砲が配置されている。艦尾にはカタパルトとデリックが備え付けられている。艦尾も角に切り落とした艦尾となっているので余計に大和っぽさがある。

装甲に関してもイタリアの持てる限界まで使い、381mmの一枚板を製造し取り付けることとしている。完成すればヴィットリオ・ヴェネトどころではない、大和を除くすべての戦艦を凌駕する性能を備えていると自負できる1隻に仕上がる事だろう。


 というか、後ろから見たらミニ大和に見える事だろう。


エマニュエレ・フィリベルト級

排水量     48200t

全長        254m

幅        35.6m

出力    150000馬力

速力       29ノット

武装 16インチ3連装砲3基、6インチ3連装砲3基、90mm単装高射砲12基他


 起工された1939年、第二次世界大戦が勃発した。しかし、イタリアは動くことなく、エチオピア侵攻が起きていないため、英国との関係も崩れていない。何より、石油がある。

 このままいけば完成してくれるのではないか。そんな期待感をもっていると、記憶が飛んだ。




もし、完成出来たらどうなるんだろう。


そんな性能にしてみました。


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