1章/対面2
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「次、幸音。報告しろ」
「…はい。今日の予定は……」
幸音は男の命令によって立ち上がり、今日の予定を報告する。
(あの子、一体どんな人なの?)
先ほどから幸音を観察している風間だが、観察に集中し続けている風間には今までの報告の内容は聞こえていない。
風間から見て御堂 幸音の特徴は、「眠そう」、「デスクの上が乱雑だからきっと面倒くさがり屋」、
「身長が低い」、「肩まである髪」である。
「…………たいと思います。後、現場からは直行で家に帰る予定です」
「わかった。次は、桜坂。報告しろ」
「はい。今日は幸音に同行し、現在調査中の………」
幸音の報告が終わり、次に美香子の予定報告が始まる。
それと同時に風間は幸音に集中していた意識を初めて予定報告に移した。
(やってしまった!御堂さんに集中しすぎてしまった……きちんと話を聞かないと。
ってもう終わる!?)
風間は今更ながら、周りの会話に集中していなかったことを後悔していた。
「よし、朝礼を終える。後、明日の夕方は風間の歓迎会を開く。
全員にあまり緊急性のある要請は回っていないのは確認している。
明日の夕方は空けておくように。以上だ」
課長と思わしき男が朝礼の終了を告げた瞬間、それぞれ立ち上がる者、デスクで作業を始める者。
各々の仕事に入っていく特務二課の面々。
そんな中、風間はこの後どう行動すればいいのかわからず座りっぱなしだった。
「風間さん、まずは幸音さんに挨拶してみてはどうですか?
いつまでかは分かりませんが、幸音さんの補佐をすることになるんですし」
「わ、わかりました」
「んー……幸音さんは今からすぐに外に出るし、今から話してみるといいよ。
挨拶が終わったら僕のところにきて。いろいろ教えることがあるからね」
「はい、では挨拶してきます…」
席を立ち、風間は幸音のもとに向かう。
幸音は机のファイルを閉じてデスクに積み立て、外出の準備をしていた。
鞄の中を確認し、その鞄を肩に掛けた後、机の上にあるメモ帳になにかを書いている。
「ミカ、準備できた」
「わかった。ちょっと待ってね。ユキ、これ今日の弁当」
「ありがとう」
「あ、あの」
「………」「あっ、風間さん。初めまして、特務二課の桜坂です。今日からよろしくお願いします」
「て、丁寧にありがとうございます。改めまして、風間すみれです。
御堂さんの補佐になる、と聞きましたので挨拶しに来ました。
御堂さん、補佐になる風間すみれです。
若輩者ですが、これから短い間よろしくお願いします」
「私は御堂 幸音。………よろしく……行こう、ミカ」
「えっ!?ちょっとユキ!………すいません、風間さん。あの子人見知りな部分があるので」
「だ、大丈夫ですよ。気にしてませんから (なんなのあの人!挨拶しにきたのに!)」
「…………(じーーっ)」
「?、あの…」
「………ふー。本当にごめんなさい。それじゃあ、私はあの子を追いかけますね。
初日ですが頑張ってくださいね」
「は、はい」
表面上笑顔を取り繕ってはいたが、風間は内心で怒りで一杯だった
挨拶をしたのに、ぞんざいに返事をされたのが気にくわなかったのだ。
(なんで、あんな風に返されなきゃいけないの!)
風間は自分の席に帰ろうと振り返ろうとしたとき、幸音が書いていたメモ帳を見てしまった。
護符らしきもの 現場 調査
(丸っこい文字だ…………それにしてもイラつく~~!)
メモ張の内容を流し見したはいいが怒りで気にすることもなく、
内心怒りながら自分の席に戻っていく風音だった。
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「ユキ、ダメでしょ、あんな返事したら!風間さん、怒ってたじゃない」
「………」
「ユキ?」
「なんか、嫌な感じがした」
「嫌な感じ?」
「…うん。なんか見下されてる感じ」
「そんなわけないじゃない (けど、ユキの勘って当たるしな~。うーん…)」
「……今日は車で行こ。運転よろしく」
「う、うん」