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別話4 ルルナの感じた恐怖

ちょっと投稿が遅れました!!


申し訳ない!!


明日からはまたいつものように6時頃投稿します!!

これは私があの日感じた恐怖の話です。




あの日はそう、私達がナミニッサ様達と出会ってから数日が経過した日でした。どうもナミニッサ様達家族の方々は、王家である事をやめ、自分達に着いてくる者達と共に南へと向かうらしい。私達も実際王様達にお会いしたのですが、すっごく軽い……フレンドリーな方達でした。普通エルフを見れば、大抵の人は警戒するか、売り飛ばそうと襲い掛かってきます。あっ!慰み者にするって選択肢もありましたね。ですが、この王家の方々は、そんな雰囲気が一切無く、普通に気軽に接してくれるので、嬉しく思いました。


おっと、話が逸れました。この数日私達は王家の方々と共に居ました。理由は単純でナミニッサ様達の旅支度のお手伝いです。アイテムバッグと呼ばれる軽度の時空間魔法がかけられた、ショルダーバッグを人数分用意され、その中に物を入れていきます。見た目よりの大幅に荷物を入れられるこのバッグを簡単に用意出来るなんて、さすが王家と思いました。そうして、旅支度をしている内に、オーランドという方を紹介されました。ナミニッサ様の兄・ナヴィリオ様の専属騎士の方で、リニックからワズさんと共に来られた人でした。道中のワズさんの話を聞いたり、この前起こった戦いの話を聴きました。ワズさんの相変わらずの強さには、知っていたとは言え、ただ驚くばかりです。私達の里に来た魔物達を蹴散らしたかと思えば、今度は魔物達+ならず者達+Sランク冒険者ですか…どんだけ強いんですかと文句を言いたい。ギルドカードを作ったと聴いたので、今度見せて貰おう。そういえば、最近サローナが私がワズさんに気があるんじゃないかと疑っているようだ。そんな気はないと後で言っておかないと……友達にはなりたいけど、私の理想は王子様のように格好良くてシュッとした体つきで、強く優しい人でお金持ちで私を大事にしてくれる、そんな人だ。そんな人が居るかはさておき……


そうして準備をしている間に私達とナミニッサ様達の仲は急激に良くなっていった。ワズさんという共通の知人をかわきりに、色々と話を交わしていき、結局はそこに辿り着き、サローナ達がお互いのワズさんの好きな所を言い合ったり、こんな言葉をかけて欲しいとか、初めての夜は皆一緒がいいねとか話しているのを聴いている私の事も考えて欲しかった。そんな会話の中で最も私達の興味を引き真剣に聞いたのがタタさんの夜の講義である。サローナ達ワズさんのハーレムメンバー内において唯一の経験者で、辛い体験であったであろうに、私達のため、ひいてはワズさんが喜んでくれるために、その知識を教えてくれた。私も将来役に立つ時が訪れると信じて真剣に聴きました。


そして、いよいよ明日、王家の方々は南へと、私達はワズさんを追い掛けて北へと向かう準備を終えた日。あの恐怖の日。私達はお互い無事に目的が達成出来る事を願って、城にある大広間で晩餐を共にします。王様達の話によると、共に南に行ってくれるのは、ナレリナ様の直属騎士団が合流した、ナヴィリオ様の直属騎士団の方々に、この国に仕えていた騎士達の約半数は着いてくるらしく、また町民達も約7割が一緒に来て、ほぼ全てのギルドも本部は別の場所に動くそうです。王家の方々がどれだけ国民に愛されていたのかが良くわかりました。それでも話しによると、国を譲られ自分が王になる事に宰相は大喜びだったそうです。既に国が終わってると思うのですが…そういう話は最初にされ、後は一時の別れを惜しむように楽しく話していたのですが、唐突に開け放たれた扉によって、会話が止まり、恐怖がもうすぐ始まります。


皆が見つめる先には、先程話しに出た宰相が居ました。痩せ簿そった体に趣味の悪い金銀を着飾った服装、禿げ上がった頭に下品な笑みを浮かべています。後には大勢の騎士が居り、おそらく彼らは宰相側の者達なのでしょう。彼等は不躾な視線で私達を見てきます。宰相は大広間内に居る人達を一通り見ると、恭しく芝居がかった仕草で一礼した。


「これはこれは皆様、私の城で優雅に食事ですか?」

「…お前が正式に王になるのは明日、私達が旅立った後だと思うが?」


宰相の物言いに王様が苛立ちを隠さず答えます。


「いえいえ、間違っておりませんよ。何故ならアナタ方はここで死ぬんですから!!」


宰相の指示で騎士達が剣を構え、私達を包囲すると、オーランドさん達、この場に居る私達側の騎士達は帯剣していないが、それでも私達を守るように前に出て、相手を牽制する。


「フフフ…最後の最後で油断しましたね…まったく困るんですよ、私の下僕たる国民をああも連れていかれるとね」

「…キサマ…自国民を下僕というか!!」

「…何をそんなに怒っているのですか?まぁ、アナタがどう思おうとここで死んで頂きますから、関係ないんですがね」


そう言って一歩私達へと騎士が近付いてくる。


「キサマァ…」

「フフ…そうそう、アナタの娘達は性奴隷にしてこの城の騎士達にたっぷり可愛がって貰いますから安心して下さい」

「ヘヘヘ…宰相様、こちらのエルフ共も一緒にお願いしますよ」

「わかってますよ」


騎士達が私達に上から下、下から上へと不愉快な視線を向けてくる。そして、宰相が言ってはならない事を言ってしまった。


「たっぷりと可愛がった後はそうですね…この国の英雄とか言われているワズでしたか?彼の前へと連れて行ってこう言ってあげましょう「たかだか町民風情のゴミくずが調子にのるからこうなるのだ」とね。その後は惨たらしく死んで頂きましょうかね」


ブチィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!


そして、恐怖がはじまった。






「我が敵に聞こえるは 死を呼ぶ風の音色」


サローナの魔法によって、騎士達の剣と鎧が細切れになった。サローナの表情は凍てついた笑みである事から多分、魔法で殺さないのは簡単に終わらせるつもりがないんだろう。装備を失った騎士達が動転している内に、飛び出したのは赤い髪の女性、ナレリナ様である。ナレリナ様は怒りの形相で騎士の1人に飛び蹴りをかまし、そのままボッコボコに殴りまくった。


「ふ~む…格闘術の腕が鈍ってるな…まぁ、練習相手には事欠かないか」


そのまま宰相側の騎士達と乱戦を繰り広げる。そこにオーランドさん達こちら側の騎士も加わり全員をフルボッコにしていった。私もそこに加わり、私達の里を救った人を侮辱された怒りを発散されていく。


ふと、そういえば宰相は?と思い周りを見回すと宰相は大広間の壁と透明な壁に挟まれていた。ん?一体何が起こってるのだろうと、視野を広くすると宰相の前にはタタさんとナミニッサ様が居ました。


「ぐげげ…」

「なるほど、結界魔法にはこんな使い方もあったんですね」

「ええ、一種の壁ですから、こういう風に相手を捕らえる事も出来るんですよ」


2人は笑顔で会話してるんだけど…なんか背筋が凍るような笑顔です。


「わ、私が悪かった!!た、助けてくれぇ~~~!!!」

「私にも使えるでしょうか?」

「大丈夫です!私がきちんとお教えしますから」


宰相の言葉など聴こえてないかのように2人は平然と会話が出来るんだろうか……そんな容赦のない彼女達の姿に私は心底恐怖し、決して彼女達を怒らせてはいけないと思いました。




その後、瞬く間に勝利し、宰相と騎士達は地下牢に閉じ込め、翌日地下牢の鍵はここに残る騎士に渡した後はそれぞれの目的地に向け、私達は旅立ちました。

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