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閑話 タタ

PV5万突破記念の早出しです!!


ありがとうございます!!

ありがとうございます!!


これからもなるべくこのペースを維持していくつもりなので、よければおつきあい下さい!!


本当にありがとうございます!!

私には優しい商人の父と母が居る。両親に愛情を注いでもらい健やかに育ってきた私に訪れた転機は18歳になった頃だった。父が領主に多額の借金を背負ったのだ。それまでの生活は一変したが、それでも両親は変わらず愛情を私に向け守ってくれた。その頃から領主は私を嫁に差し出せば借金は無くそうと、色々言ってくるが両親は頑なにそれを拒んだ。そんな両親の思いに少しでも恩返しがしたくて私はその身を売る事を決断した。私は父の知り合いであるギャレットさんに相談して、そのまま館で働く事になった。私の初めては自分でどうにかした。ギャレットさんは私にもよくしてくれて、嫌な客や変な客を近付けようとはしなかった。それでも、まったくお客を取らずにお金だけを貰う事は出来ないし、私も何もせずに貰うのは嫌だったので何度かは抱かれた。名も知らぬ誰かに抱かれる度に私の心は死んでいく。それでも借金が無くならない以上、ここから出ていく訳にはいかない。領主も何度もやってきては私を抱いていった。その時は心が死そうになり感情もなくなりそうだった。思い出したくもない。それでもここで生きていく内に友達も出来た。一番仲良くなったのは猫の女性獣人でネニャさん。耳が可愛らしく、よく話すようになり、私の身の上を話すと涙を流してくれた。


私がここで働き始めて半年後、ギャレットさんに呼び出され部屋へと赴くとレーガンさんを紹介された。この街のギルドマスターと聞いて驚いた。ギャレットさんの昔の冒険者仲間とのこと。そして、レーガンさんから希望を与えられた。どうも父の借金は領主が私を手に入れるための画策かもしれないと、しかも現在その事をギャレットさんと共に調査していると言われた私は驚きに満ちていた。ギャレットさんからは必ず証拠を見つけるから、もう少しだけ耐えて欲しいと言われて私は涙を流した。


それからの私は抱かれても前よりは心が死んでいく事はなかった。領主への怒りを胸に、いつか終わる日を信じて頑張れた。


そうして半年過ぎ19歳になった頃ーーー


私にとって運命の出会いがあった。ギャレットさんの話によると、この街を魔人から救った英雄であり得ない程強いらしい。その方がこれからここへ来るとネニャと話すとその人をもしもの時のため利用しようと提案された。私は話し声に導かれるように応接間へと向かうとギャレットさん、レーガンさんと共に1人の男性が居た。黒髪黒目の無害そうな平凡な顔立ちの男性。本当にこの人が?と最初は思った。けれど、確かにそれ程の強さを持っているのなら、もし領主と戦う事になれば役に立ってくれると思った私は彼に近付くため、この体を使ってでも味方に引き込もうとした。その日は彼が酒に潰れたので失敗した。


領主の調査が進む間、次にお会いした時はなんとか次回の約束を取り付ける事に成功しホッとした。


そして次にお会いした時、私はワズさんに抱かれる覚悟をしていた。ここはそういう場所なのだから。こんな穢れた体で最強の味方が手に入るのだからと思ったのだが、そうはならなかった。ただお話ししただけ。けれど、そんな人は初めてだった私の心は、お話しをしている内に少し癒されていくのを感じた。だが、楽しい時間は騒音によって終わる。私は異変を察知すると直ぐに応接間へ向かった。ギャレットさんがやられ、野蛮な人に捕まった私は絶望したが、瞬く間に事態は終わった。気が付けば助け出され、野蛮な人達もあっという間に片付けられた。私はただただ、ワズさんの背中を見ているだけだった。ワズさんが何かを言っているが頭に入ってこず、ここから出ていく姿を見ているだけで心臓は早鐘を打つようにドキドキしていた。


調査も大詰めに入った頃、私はお客に抱かれている時、決まって思う事があった。これがワズさんだったらなぁと思っていた。ワズさんの事を考える時間が増えた。1日のほぼ全部がワズさんへの思いで占めていた。私は恋をしたのだ。平凡と言った顔立ちは今ではとっても可愛く思え、その背はなんとも逞しく思えた。飛び付きたいと思った。今まで私は恋をした事が無い。これが私の初恋だ。


ギャレットさんの快気祝いにワズさんが来ると聞いて心臓が跳ね上がった。精一杯おめかしをして、扉の前で何度も深呼吸をし、部屋へと入るとワズさんがソファーで横たわっていた。近くにいって確認すると眠っているのはわかったが、少しうなされていた。私は誰も居るはずのない部屋をキョロキョロと見渡すと、そっとワズさんの頭を持ち上げ自分の膝の上へと置いて優しく頭を撫でる。ワズさんの寝顔が少し安らかになったように思う。可愛い……ごくっ。


次の日、ワズさんの性格を考えれば今日また来るかもしれないと思って、抱かれてもいいように念入りに体を洗っていたら待たせてしまった。私は来ている事を聴くと、直ぐ様そのままバスタオル1枚巻いただけの格好で部屋に行ってしまった。恥ずかしい。そしてこの日は忘れる事が出来ない運命の日。私がどれだけ心配したかをわかってもらうためにワズさんに説教をしていると、化物へと変貌した領主が部屋へと入ってきた。ワズさんが飛ばされ、私は領主に連れ去られてしまう。この時、私は死を覚悟した。心残りはワズさんに抱いてもらってない事。けれど、この覚悟は意味が無かった。私はあっという間にワズさんに助け出された。お姫様抱っこは恥ずかしいです。ワズさんに魔法が次々と当たる。平気そうに見えるが心配だった私は逃げて下さいと言ったが、ワズさんは困惑するだけだった。んんもぅ!!だから、私は思わず聞いてしまった。


「どうして……私なんかを助けるために来たんですか?」

「え?好きだから」


え?今なんて言いました?好き?ワズさんが私を?だ、駄目ですよ。私みたいな女……けれど、ワズさんは私が自分を卑下する言葉を発しても否定してくる。否定される度、私の心はワズさんに夢中になっていく。すると、唐突に降ろされ肩を掴まれる。はぅっ!!


「それでも俺は!!タタさんが好きなの!!わかった?」


はぅっ!!はぅっ!!

わかりましゅた!わかりましゅたぁ~!!その後の私はただただ頷く事しか出来ず、いつの間にか気が付けば事態は終わっていた。


その後、私達は街を出た。ギャレットさんの話によると領主小飼いの連中が報復に出るかもしれないので、落ち着くまで街を離れてギャレットさんの知り合いの所に皆で身を隠す事に決めた。ワズさんと離れる事は嫌だったが、現状近くに居ても迷惑をかけるだけだと思い、ネニャにこの事を伝えて欲しいと頼んでおいた。ネニャは任せてと言っていたので大丈夫だろう。


数日後。ギャレットさんの知り合いはなんとエルフの方で、中央の山近くにある里の長だった。快く私達を迎えてくれた。エルフの方々と挨拶をしているとネニャが戻ってきたので、ちゃんと伝えてくれたか確認するとその内容に愕然とした。そう言えば私ネニャに自分の気持ちを教えてなかったっけ……ど!!どうしよう!!!私は自分の気持ちをきちんとネニャに教えて頭を抱えた。すると、そんな姿を見た両親が心配そうに「どうしたの?」と聞いてきたので私は正直に話した。すると、お父さんは呆然とし、お母さんは花が咲いたような笑顔を浮かべていた。


「あらあら、それじゃあ今すぐ追いかけないとね」


え?いいの?隠れなきゃいけないんじゃないの?と考えている内にお母さんはギャレットさんに話を通し私はワズさんの所へと赴く事になった。ありがとうお母さん!!




それから少しして、火花を散らしつつも、今日私達はワズさんに会うために旅立ちます。メンバーは恋敵とエルフさん2人、それとネニャと私の計5人です。リニックの街まではギャレットさんも同行します。里の皆さんに激励されながら、私達は里から出発しました。


もうリニックの街には居ないかもしれませんが、必ず会いに行きます!!その時、例え他の方が傍に居ても私負けませんから!!


第2夫人でも第3夫人でもいいので私の事貰って下さいね。

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