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記念話 平行世界?

100投稿目を記念して作った話になります!!


深夜のテンションで作ったため、深く考えてないです(-_-;)


一応、本編とは一切関係ない?と思います!!


楽しんで頂けたら幸いです(>_<)

俺の名前はワズ。近場の「私立そののち高校」の2年生だ。現在俺は学生寮から急いで走っている。いてっ。電柱にぶつかってしまった。前方不注意である。理由は単純に近場故の油断による寝坊だ。朝食を食べる時間もなかった。食堂で働いているケーラさんのご飯はおいしいのにそれを食べる事も出来なかったのが悔やまれる。起きてすぐ寝坊した事に気付き、急いでブレザーを着て出てきた。まだ走れば間に合うはずだ。ここ最近急に体が凄くよく動くようになったから大丈夫だろう。その足の速さに最近は陸上部からのお誘いがよく起こる。部活動は勘弁して欲しい。放課後遊ぶ時間がなくなるしね。そうして走り続けるとなんとかチャイムが鳴る前に学校へと着く事が出来た。俺が校門をくぐるとそこには風紀委員達が待ち構えていた。今日は風紀委員の抜き打ちで行われる検問の日だったのか。遅刻間近で急いでいた俺はそのまま通り過ぎようとしたが


「ワズさん待ちなさい。」


同学年で風紀委員長のサローナさんに見つかってしまった。呼び止められ仕方なく俺はその場に止まると、彼女に向け苦笑いを浮かべる。


「すいません、サローナさん。遅刻しそうなんで行ってもいいですか?」

「ダメです」


そう言って近付いてきたサローナさんの髪からはいい匂いがした。サローナさんはゆっくり手を上げると俺の緩んでいたネクタイを掴み、締め直してくれる。


「身なりはきちんとして下さいね」

「はぁ……なんか朝からこんな事されると新婚みたいですね」


後半はぼそっと呟いただけなのだがサローナさんには聴こえてしまったのか、顔が真っ赤になるとネクタイを締める手が強くなり俺の首が少し締まる。


「く、苦しいです」

「あっ!ご、ごめんなさい。も、もう行っていいですよ」

「は、はい」


急に締められてびっくりした。俺は首回りを確認しながらゆっくりと校舎へと歩き出した。ふと後ろを振り返ればサローナさんと目が合ったかと思うと、もの凄い勢いで逸らされた。う~ん。変な事を言ったから嫌われただろうか?




校舎へと入った俺は首周りの確認をしていた手でそのまま上履きを取ろうとして気付いた。いつの間にか指先をどこかで切っていたようだ。電柱にぶつかった時かもしれない。俺は絆創膏を貰いに保健室へと向かった。遅刻するかもしれない?いやいや、怪我の治療は立派な理由ですよ。保健室へと入るとこの学校の保険医であるタタさんが優雅に椅子に座っていた。


「あれ?ワズ君どうしたの?遅刻するわよ?それとも、私に会いに来てくれたのかしら?」

「からかわないで下さいよ。ちょっとどこかで指を切ったみたいで絆創膏を貰いに来たんですよ」

「それは大変!!小さな怪我でもそこからばい菌が入るかもしれないわ。こっちにいらっしゃい。きちんと消毒してあげるから」


タタさんに勧められるまま対面へと座り、怪我をしている手を出すとタタさんの優しい手がそっと包み込んだ。それだけでちょっと顔の温度が上がったのは内緒だ。


「大した傷じゃないみたいだし、すぐに治るわ」

「ありがとうございます。なんかこうやって手を繋いでると、まるでこれから告白するみたいですね」


照れを隠すように冗談を言うと、タタさんの顔が真っ赤になった。ん?どうしてと思ったのだが、タタさんが俺の傷口に明らかに許容以上の消毒液をぶちまけ、傷口にしみ込んだ痛みでその考えは一気に吹き飛んだ。


「いった~~~~~!!!!!」

「あ、ごめんなさい!!……まったくワズ君が突然告白なんて嬉しい事を言うから……」


後半は消毒液の痛みでよく聞き取れなかった。その後は絆創膏を貼って貰い保健室を後にして教室へと向かった。保健室のドアを締める際見えた、顔を真っ赤にして何かぶつぶつ言っているタタさんの姿が印象的だった。




教室へと着いた俺は自分の席へと向かう。窓際の後ろから2番目だ。席に座ると早速後ろの席に居る親友のオーランドが話しかけてきた。


「よぉワズ。今日も遅かったな。どうした?寝坊か?」

「オーランド。わかってるくせに聞くなよ」


はっきり言ってオーランドはイケメンである。オーランドの事が好きな女性はこの学校だけでも数多く居るのに、他校にもそのイケメンっぷりが知れ渡っている。性格も良いからね。まったく性格のいいイケメンなんてムカつくだけなのだが、オーランドとは親友付き合いをしている。まぁ、過去に熱い友情話があるのだがそれはおいといて……さっさと彼女でも作ればいいのだが、何故かコイツは俺と遊ぶ事を優先してくる。曰く「今はそういうのは考えてないな。ワズと遊んでる方が楽しいし、それに恋は突然落ちるものだろ?」とさ。うん。この言葉を聞いた時は、世のモテない男性に謝れと思った。まぁ、俺は親友だから許すけども……そうして、オーランドと他愛もない雑談をしていると、俺の前の席の奴がようやく今来たのか話しかけてきた。


「おはよう、ワズ君」

「……それは無理があるんじゃないか?」


フロイドである。


「そうでしょうか?わりと自分では着こなしていると思うのですが?」

「いや、明らかに違和感しか感じないぞ。確実にお前とは同年代ではないし」

「さっきから2人は何を話してるんだ?」

「「こっちの話だ(です)」」


相変わらず胡散臭い奴だ。なんというか掴みようがない。そうこうしている内に担任のレーガン先生が入ってきた。うむ。今日も見事なハゲである。つるつる光っていた。食堂のケーラさんを狙っているらしいが、上手くいかない事を祈っておこう。




いくつか授業をこなし、お昼休みになると学食へと向かう。オーランドは何故か女性達による予約制の弁当を一緒に食べている。オーランド自体はあまり乗り気じゃないのだが、断るとこの学校の数多くの女性達が反乱を起こすので仕方なくらしい。フロイドはいつもお昼休みになると消える。なので俺は1人で学食へと向かった。空いてる席に座り、1人で日替わりの定食を食べていると、唐突に目の前に2つの定食が置かれた。目をご飯からそちらの方へ向けると、そこにはこの学校で有名な俺と同学年の双子のダブル生徒会長ナレリナ・ナミニッサ姉妹が微笑みを浮かべていた。


「やっぱりここにいましたのね」

「いい加減私達の誘いを受けたらどうだ?」

「また生徒会への勧誘ですか?」


この姉妹は何かと俺を生徒会へと誘ってくる。なんでもそのために副会長の席を開けているらしい。俺にはそんな気はないのでお断りしているのだが。


「何度も言ってますけど、俺は生徒会へ入る気はないですよ」

「そうは言わずに。それに生徒会へ入れば毎日私達と一緒にこうやってお食事が出来ますよ?」

「いや、今までもこうやって毎日一緒に食べてるじゃないですか」

「そ、それはそうだが……な、なら特典として「あ~ん」もつけてやろう」

「それも偶にやらされてますよね?」


そうなのである。この2人は毎日俺の食事時に現れては一緒に食べ、何故か偶に誰も見ていない時に俺へと強制的にあ~んをさせるのだ。まったく意味がわからない。誰かに見られたら誤解されますよ。


「そうですけど……うぅ~、手強いです」

「しかし、ほんと気を付けて下さいね。こんな毎日来られると俺達が付き合ってるんじゃないかと思われますよ?」

「「え?」」


俺がそう言った途端に2人の顔が赤くなる。俺がその様子を見ていると2人は何か考え込むように何やらぶつぶつと呟いていた。「……なるほど……外堀から……」とか「……既成事実に……」とかよく聞き取れなかったが、そんなような事を言っているような気がする。まぁ、この2人は成績も優秀なので何か難しい事でも考えているんだろう。そんな事を思いながら視線をずらすと学食に掛けられている時計でお昼休みの残り時間が少なくなっている事に気付いた。俺は急いで残りのご飯を口に入れると立ち上がり未だ考え事をしている2人に声を掛ける。


「すいません。次体育で着替えなきゃいけないんで、そろそろ行きますね」

「「はっ!!ちょっ!!」」


俺は急いで学食を出て行った。




全ての授業は終わり放課後になると俺はオーランド達と遊びに出掛けようと靴箱の所で待っていた。現在オーランドとフロイドはレーガン先生に呼び出されている。何やら学校行事の事で2人に頼みたい事があるんだそうだ。俺が2人を待っていると、後ろから声が掛けられた。


「……ワズ先輩」


その声に反応して後ろを振り向くとそこには、中等部の後輩で陸上部のハオスイがこちらへと歩いてきていた。短パン姿である事からこれから部活へと向かうのだろう。


「よぉ、ハオスイ後輩!毎日部活頑張るねぇ。そんなに走るのが好きなの?」

「……好き。前を向いて走る感じがいい。ワズ先輩はいつ陸上部に入るの?」

「いや入らないから」

「……あんなに早いのに勿体ない」


前に1度だけハオスイ後輩と短距離勝負をして勝ってからどうも俺に絡んでくるようになった。熱心に陸上部へと誘ってくるのだ。まぁ、入る気はないのだが。


「練習に行かなくていいのか?大会も近いんだろう?」

「……モチベーションが上がらない」

「なら、優勝したら何かご褒美でもやるよ。俺の出来る範囲でな」

「……わかった。なら覚悟を決めといて」

「覚悟?」


それだけ言うとハオスイ後輩は嬉しそうに顔を綻ばせて部活へと向かった。覚悟って何の覚悟?うんうん悩んでいるとオーランド達が来たので、そのまま俺達は遊びへと向かった。


これが俺の毎日送っている普通の1日。


未だ俺に彼女は居ない。


あぁ、彼女欲しいなぁ~……

明日からまた本編に戻ります!!

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