Satan3
第三話です。
内容は少し薄いと思います(汗)
セリーヌと共に会議室を後にした。
「明日から魔力の訓練を開始します」
「具体的にどんな訓練をするんだ?」
「斗真様の眠っている魔力を解放する訓練です。
解放することが出来れば全ての属性の魔力を使うことが出来ます」
「・・・・属性?」
「そうです。属性です」
「いや、分かんないんだけど」
「属性については明日、説明させていただきます。
・・・今日はもうお休みください」
「分かった・・・」
少し歩くと豪華な部屋があり、その扉には
来客用の札が掛かっていた。
「今日はここでお休みください」
中に入ると滅多にお目にかかれない
アンティークの家具が並んでいた。
ベットに腰掛けると体が沈むほど柔らかかった。
「す、すげぇ・・・・」
「それでは、失礼します。
頑張りましょう、斗真様」
「おう、絶対頑張る!」
セリーヌは微かに笑った。
翌日。
「おはようございます。斗真様」
「おはよう。一時間前にはもう起きてたぜ」
「気合い入ってますね」
「当たり前だ。・・・で、昨日言ってた属性ってなんだ?」
「それについて今から説明いたします。
この世界には火・水・木・地・光・闇・天・時・風・音の10の属性があります。
魔王様は天の以外全ての属性が使えます。斗真様も魔王様と同じように使うことができます。
ただし、訓練を積まないと能力は使えません」
「そうだよな・・・」
「しかし、作戦開始まであと10日しかありません」
「えぇ!どうするんだよ!」
「ついてきてください」
彼女の後を付いて行くと、奇妙な扉があった。
「ここは?」
「この部屋は時空が歪んでいるので10日を最大60日まで延ばすことが出来ます」
「ここで修行を積めばいいんだな?」
「はい。10日間は体を鍛え、20日間は少量の魔力を差し上げますので
集中して魔力を練ってください」
「分かった」
「部屋に入ってください」
部屋に入る。しかし、セリーヌが入ってこない。
「10日後にお会いしましょう。それでは」
「お、おい!」
扉を閉められた。
「嘘だろ・・・」
すると、一枚の紙切れが落ちてきた。
そこにはこう書かれてあった。
『10日間このメニューをこなしてください。
腕立て伏せ 一日1000回
腹筋 一日3000回
背筋 一日1000回
この部屋は地球の50倍の重力がかかっているので
まずは体を慣らしてください。
頑張ってください。
セリーヌ 』
はあ———。頑張るしかないか。
10日間頑張った。とにかく頑張った。
扉が開いた。セリーヌがいた。
「よく頑張りましたね」
「俺って・・すげー・・・だろ?」
筋肉疲労が半端ない。休みたい。
「次は魔力を練ってください」
「少し休ませてくれ」
「貴方には休む暇などありません。
地球を守るとおっしゃったじゃないですか」
「分かったよ!・・・・・頑張るよ!」
「さすがです。それでは魔力を渡します」
魔力が体に入って行く。これを自分の魔力に変えなければ行けない。
そして、体の中で魔力を生成出来るようにしなければならない。
「20日後に会いましょう」
扉が閉められた。
目を閉じる。魔力湧き上がってくる。
極限まで集中する。
この状態を20日間維持した。
扉が開いた。
「調子はどうですか?」
「本当、最高だよ」
「魔力を生成することに成功しましたね」
「ああ、楽勝だよ。けど、死ぬかと思った・・・」
「仕方ないですよ。あれだけ頑張ればこんなことになりますよ」
「お前が言うな!」
「とりあえず今日はお休みください。明日から30日間は
魔力を属性に変える訓練をしてください」
「分かった。で、どうやって変えるんだ?」
「自分が変えたいと思う属性を思い浮かべ
それを具現化すればいいのです。頑張ってください」
「ああ、ありがとう」
また扉が閉まった。
「彼はどうかね?」
「順調のようです」
「それは良かった」
魔王が微笑んだ。
「斗真は俺以上に強くなるよ」
「ご冗談を・・・」
「いいや、本気だよ」
魔王はそう告げた。
もう30日経ってる頃だろう。
そう思いセリーヌは部屋に向かった。
「ドゴォーン!!」
突然のことでセリーヌは動けなくなった。
なんと、扉が破壊されたのだ。
奥に人影が見える。
「斗真様?」
「よお、完璧にコントロールできるようになったぜ」
「それは良かったです」
「すまねぇ、扉壊しちまった」
「いいですよ。すぐ直せます」
「頑張ったね、斗真」
奥から魔王が現れた。
「明日から作戦開始だ。いいね?」
「いつでもいいですよ」
「頼もしいですね」
セリーヌは笑っていた。
翌日。
大勢の悪魔が大門に集まっていた。
「何人集まってんだ?」
「そうですね・・・。
2万人ぐらいですかね」
「多すぎだろ・・・・」
「集まったな、貴様ら」
魔王が立っている。普段会話している倍以上
威圧感があった。
「これからセンテ・レーゼ制圧に向かう。
死ぬつもりで作戦を成功させろ」
「おおおおおおおおおおお!!!!」
悪魔たちが一斉に叫ぶ。
魔王が近づいてくる。
「斗真、君への餞別だ」
手渡されたのは黒々としたローブだった。
ローブを羽織る。
「様になっていますね、斗真様」
「ああ・・・」
セリーヌは暗い顔をした冴木を見逃さなかった。
「・・斗真様?」
「本当は不安なんだ・・・。みんなの前では
強がって俺が守るって言ったけど・・・
俺が本当に地球を・・・大切な人を守れるのかって・・・」
「斗真様の大切な人というのは
どんな方だったんですか?」
「同じ高校のクラスメイトで吉村凛香っていうんだ。
その子には俺が荒れてたときに何度か助けてもらったことがあったんだ。」
冴木は凛香と出会った日のことを思い出す。
次回は冴木と凛香の話になります。