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魔王の子の子  作者: 渡戸恭介
魔界出陣
1/4

Satan1

初めまして。

初の投稿作品となります。



 

「今日も来たんだ、懲りないねー」


「うるせぇ!今日こそぶっ殺してやる!」


 冴木斗真。16歳。毎日不良から狙われる日々。


 今、勝負を挑んできているのは3日前にやっつけたザコA。


「来いよ」


「死ねや!冴木ぃぃぃ!」


 ザコAが放った渾身の右ストレートを目で追いながら、避けた。


「甘いね」


「!?」


 俺は顎を狙ってアッパーを放つ。命中した。


 その瞬間、ザコAは半回転して倒れた。


「いつでも挑んでこいよ・・・って聞こえてないか。これで100勝0敗。ついに3ケタか〜」


 そして、その場を後にした。



「斗真君!」


「よ!凛香」


 吉村凛香。同じ高校に通うクラスメイト。


 髪はセミロングでストレート。愛らしい目と明るい性格を武器に


 恋人にしたいランキングで校内2位にまで登り詰めた。


「どうしたんだ?そんなに慌てて」


「斗真君がまた喧嘩してるって聞いて・・・」


「俺が負けるわけないだろ?」


「怪我するんじゃないかってすっごく心配だったんだよ!」


 今にも泣き出しそうだ。


「なんか・・ゴメン。悪かった」


「私も怒鳴ってゴメン・・・」


「なあ、凛香」


「なあに?」


「心配してくれてありがとう」


「な!あ、あああありがとうだなんて、そ、そんな!い、いいよお礼なんか・・・」


 燐香の頬が赤く染まっている。


「斗真君・・・」


「ん?どうした?」


「なんで、喧嘩ばかりするの?」


「っ!?」


 いつかは聞かれると思っていた・・・。


「今言った事は忘れて!そ、それじゃあまたね!」


「おう、またな・・」


「明日は学校に来てよね!」


 急いで帰って行った。


「俺も帰るか・・・」



 【なんで、喧嘩ばかりするの?】


 その言葉がまだ頭の中に残っている。


 すぐには答えられなかった。


 自分でも喧嘩をする理由が分からない。


 考えているうちに家に着いた。


「今日の晩ご飯は何かな〜」


 家に入ろうとする。


「ちょっとお待ちください」


 背後から突然声をかけられた。


 振り向くとそこには長い黒髪の凛とした女性が立っていた。


 目を見ていると吸い込まれそうになる。


「あのー、どちらさま?」


「失礼しました。私の名はレナ・セリーヌと申します」


「それで、セリーヌさんは何の用で?」


「貴方様に会いたかったのです」


「それって、俺の事が好きなの?まいったな〜」


「いいえ、違います」


「冗談で言ったつもりなのに」


 少し傷ついた。


「それで、本当の用件を言ってくれ」


「私は貴方様を魔界にお連れするために日本に参りました」


 なんと彼女はあり得ない事を真顔で言ってきた。


「・・・・・え?」


 なに言ってんだ?この人。え?魔界?魔界って言ったよね?


 魔界に連れて行く?だめだ、話がさっぱり分からん。


「いまなんと?」


「魔界にお連れするために参りました」


「仮に魔界があったとしても、なんで俺が魔界に行かないといけないんだ?」


「貴方様は魔王の血を引く者なのです」


「えぇ!ってことは・・・俺の親」


「いいえ、そうではありません」


「じゃあなんだよ」


「この世界で言うと魔王様の孫ということになります」


「遠いような近いような・・・」


「いきなりこんな事を申し上げられてお困りでしょう。ですが、

 今魔界が大変なことになっているのです。貴方様のお力が必要なのです」


「だーかーらー、なんで行かなきゃ行けないんだよ」


「いまはご説明できません。ですが、お力が必要なのです」


「そんなこと言われてもなぁー、俺にそんな力はないし・・・」


「いいえ、貴方様は魔王様から引き継いでおられます。人類の運命を左右するほどの力を。

 まだ、ご自分の力にお気づきになられていないようですね」


「そうなのか?」


「ちょっと、後ろを向いてください」


 そう言われて後ろを向く。


 背中にセリーヌの手の感触がある。


「は!」


 かけ声とともに衝撃が体中を駆け巡った。


「な、なんだこの力は!」


 体が焼けるくらいに熱い。

 地球を破壊する事ができるのではないかというほど力が湧いてくる。


 セリーヌが手を離す。すると、力が収まった。


「これが貴方様の力なのです」


 セリーヌは微笑むと、こう告げた。


「お分かりいただけましたか?」


 俺は驚き過ぎて声が出なかった。


「また、日を改めてお伺いします。その時までにご決断を。魔界に行かれるのは貴方様の自由です。

 ですが、魔王様も貴方様を必要とされていましたよ。それでは」


 彼女の顔が少し笑ったように見えた。



 夕方の出来事のせいで眠れなかった。彼女の言った言葉は本気だった。


「魔界か・・・行ってみるか。偉大な魔王がどんな顔なのか見てぇし」


 彼女は朝には来るだろう。しっかり睡眠を取らないと。



 ふと、頭に凛香の顔が浮かんだ。


「ゴメンな・・・凛香・・・・・学校に行くって約束したのに・・・」


 目を閉じた。




 朝になった。魔界に行く準備をし、外に出る。


「おはようございます」


 そこにはセリーヌがいた。


「もう来ていたのか」


「覚悟は決まったようですね」


「ああ」


「もうこの世界には戻って来れなくなる可能性があります。それでもよろしいですか?」


「必ず生きてこの世界に戻ってくる」


「分かりました。それでは行きましょう」


 セリーヌが魔界に通じる門を開く。門の中は果てしなく闇が広がっている。


「斗真君!」


 振り返ると凛香がいた。


「どこに行くの?斗真君・・・学校来るって言ったよね!」


「ゴメンな凛香・・・!」


 門に向かって走り出した。もう後ろは見なかった。凛香が叫んでたがそれでも振り返らなかった。


 全速力で門に飛び込んだ。


 俺は魔界への第一歩を踏み出した。


























 

どうだったでしょうか?

これから皆さんに見ていただけるように頑張りますので、

よろしくお願いします。

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