表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/28

2.

2.


俺は元々、親父と母さん、妹と四人で暮らしてた。

その頃の親父は、ある程度の安定した収入のある仕事をしてたんだ。

でも、数十年前に色々、いや、いくつか問題が起こった。

一つは、親父の会社の上層部が不正な事をしたとかで倒産したんだ。

まぁ、家には貯金もあったし、親父もすぐに小さな会社に

けたから、大した問題は無かったんだ。

でも、その次の年になって、母さんが体を悪くしてさ。

そんでその何年か後位に病気で死んだ。

それからだよ。こんなのになったのって。

親父は一気にすさんで行った。

タバコに酒。そんな物に頼って、現実を忘れようとしてたんだ。

親父は、いつしか俺と妹との関係もこじれて行った。


「って、波音?」

ふと、顔を上げて彼女を見てみると、その頬には涙が伝っていた。

「す、すみません。私、その……ごめんなさい」

しゃっくりをしながら波音が俺に謝る

ったく。本当にこいつは…。

「何でおまえが泣くんだよ。ほら、またつねるぞ?」

サラサラの髪に手を乗せてかき混ぜる。

そうすると、シャンプーのいいにおいがした。

「ありがとうございざいます。話してくれて、その、嬉しいです」


キーンコーンカーンコーン


朝の予鈴だ。あと十分位で門が閉まる。

「って、おおっ!?波音、走れ!門が閉まっちまうっ」

「え、えぇ!?」

あたふたとしている波音の手を取って駆け出す。

校門に向かっては走る中、振り返ると、そこには波音の笑顔があった。


気が付くと、俺もつられて笑っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ