プロローグ:うっせーよ!
プロローグ:うっせーよ!
俺は今、何のためにここにいるのか。
今日も、毎日と同じように朝、いつも通りの時間に起きる。
いつも通り歯を磨き、顔を洗い、朝食を抜かす。
父親と目も合わせずにドアを乱暴に開けて学校に向かう。
学校に着いたっていつもと同じ行動しか取らない。
何故か?そんなのめんどくさいから。
一ヶ月ほど前に高校二年生になった俺は、勉強に関心すら寄せていない。
勉強?なんだそれ。
普段と変わらない日常に、俺は苛立ちを覚えていた。
前からそんな風だったか?そんなことは無い。
確かに、親ともうまくいっていた訳でもなかった。
でも、それなりに気力はあった。
高校入ってから数ヶ月までは自分に自信を持てていた。
こんな思考は、ありきたりで使い古された物かもしれない。
そんな物に纏わり着かれている自分に、俺は腹が立っていた。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響く。
昼休みになるチャイム鳴った途端に、辺りの奴らが騒ぎ始める。
「藤崎ィ。購買行こうぜ。早くしないとパン売り切れちまうぞ?」
これもまた、いつもと同じ出来事だった。
たまには、予測してないような事が起こって欲しいもんだな。
適当な返事をして購買部に向かう。
その途中、財布の残金を確認して足を止める。
入っていたのは、たったの64円だった。
予測していなかった事態発生……。
「悪い。金無いから紅葉に金借りてくるから今日はパス」
妹のいる中等部に足を向ける。
「なんだよ。文無しかよ!」
後ろで友達が文句を言う。
振り返って指を刺しながら言う。
「うっせーよ!」