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命と酒
思えば二日酔いなんて何処かへ飛んでいってる。
部屋も澄んで、お酒は進む。また明日も二日酔いだろうか。
玄関からこの部屋まで筒抜け状態に嫌な汗もかかない。
「あれれ、ひなみちゃん?おさけのむぅ?」
「飲みます」
「そうだよなぁ、飲めねーよなぁ…」
飛んで良い気分な俺の思考に疑問。
偉そうにソファーに座る彼女の方へと視線を向ければ、偉そうに手を差し出してきてる彼女。
「ほれ、よこせ、酒」
「えっ?飲むの?」
俺の言葉に対して呆れたようため息を吐き、ソファーから立ち上がった彼女。
テーブルに置いてある缶ビールを手に取った。
カシャッと迷いもなくひらく音。
口に運ばれる飲み口を見つめながら、俺の喉が閉まる。
コポコポと音を立てながら流れる酒は、彼女の口の中。
「ぷはぁっ、酔う」
「嘘つけ!」
機械のように流し込む酒を酒だと認識しているのか、それとも、単なる気まぐれの感情なのか。
どちらにしても人間と変わらない彼女。
俺からの酔いが、ほんのわずかに引いた気がしている。




