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AI No.173

AIと人間に差はある


 煙と酒が腐った様な臭い。

1Kの狭く薄暗い部屋。汗を流しながらひたすらブルーライトを浴びる生活。

床も見えない程に詰まったゴミ袋達の光景にも慣れている。

 トイレ、シャワー。買い出し。宅配、郵便物受け取り。こんな時は、淡々とあるゴミ袋の隙間に足元をひゅるり。まるで猫のように華麗な足取りで移動できるようになっている。

タバコは1日5本程度だからまだ健康的だし、お酒の方も、1日のアルコール摂取量の基準値以下だ。しかしそれは、あくまでも俺の中の基準値であるから、実際の健康的と言うのはよくもわからない。

 昼間の日の光も遮るような分厚いカーテンは、この部屋の全貌をぼかしてくれている。

そのお陰あって、俺はまだ安心してこの部屋で暮らせている。

そう、俺はなに一つの不自由もなく生活ができている。運良く手に入れたこの有り余った金。

このまま死ぬまで生きのこれば良い。そう思える。


…。


なのに、悲劇は突然に起きた。


それは、一通のメールだった。


〈明日、更生させに参ります〉


「はへぇ?こ、これは…嘘だろ?」


冷や汗が身体から滲み出す。

メールの内容を眺めている。

文と呼ぶには短過ぎる文字。

そのたった12文字を残酷にも理解してしまっている。


〈件名〉 担当 AI No.173

俺とお前に差はない

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