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プロローグ : 滅びの星、託された血

※本作には戦争描写および性的表現(R15相当)が含まれます。苦手な方はご注意ください。



〜21XX年〜


【惑星Elios シータ宮殿】




ゼータ軍の侵略により、シータの王都は炎に包まれた。

ここまでだ。


最期を悟った私は、妾であったルミナとその息子ルークを連れ、脱出艇へと続く細く暗い階段を急ぎ降りた。


「アルセリオン、あなたも来て」


すがるようなルミナに私は首を横に振った。

そして我が息子ルークの額に自分の額を付ける。

星脈封印だ。

この子が、生き延びるために。


「この子の中に、我らの全てが流れている」


私は顔を上げ、ルミナを見た。


「あなた・・・」


「星脈はルークが守る。ルミナ、おまえはルークを守れ」


ルミナの頬に涙が流れた。


「あなたがいなければ、私たちは・・・」


「ルミナ、恐れるな。この子は滅びではなく、夜明けを連れて来る」


その時、脱出艇が起動音を鳴らした。

私はルークを抱きしめた後、ルミナに抱かせた。


「あー・・・」

こちらに向かって小さな手を伸ばす幼い息子ルーク。


「さぁ、行くのだ」


ルークを抱いたルミナを脱出艇のシートに座らせ、シータの王族に代々伝わる小さな核を持つ水晶をネックレスにしたものを、自分の首から外して彼女に付けた。


「アルセリオン・・・」


「ルミナ、生きろ。ルークが必ず、星脈を目覚めさせる日が来る」


そして私は最後にルミナと口づけを交わし、脱出艇から一歩下がった。


そのハッチが閉まると、自分の姿が鏡のように映った。

その肌は淡く発光し、銀髪は炎の光を反射して揺れた。


シータの王アルセリオンよ。

最期の時へ、導くのだ。


地響きが低い唸りを上げている。

この惑星Eliosは、我々の文明の源。

決してゼータには渡さない。


私は、自らの命と引き換えになる、Eliosの崩壊コード共鳴を発動した。

蒼白い光の柱が天に向かい立つ。


ゼータ軍の動きは数秒止まる。

その間に、脱出艇は光の弧を描きながら漆黒の彼方へとその姿を消した。


これで良い。


惑星Eliosは崩壊し、王国と共に私の身体は光に呑まれた。

だが、その星脈は、まだ途絶えていない。





*作者コメント


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


星脈を封じられ、王家の血を知らぬまま生き延びた幼いルーク。

彼が辿り着く未来は、まだこの時点では語られません。


次話から物語の視点は変わり、

惑星間戦争の最前線に立つ、オメガ軍の女性兵士が登場します。


彼女はまだ知りません。

自分の選択が、銀河の運命と一人の男の覚醒に繋がっていることを。


次話「episode1」より、本編開幕です。

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