表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
使えないと追い出された生活魔法使い、無限の魔力で生活無双  作者: 九頭七尾


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/84

第83話 またお前の仕業か

「魔力そのものを盾にして、オレの〈エアバレット〉を防いだだと!?」

「はい。兄上もご存じの通り、昔から魔力操作は得意なので」

「馬鹿な、そんな真似できるはずがない! 薄い膜を張る程度なら可能かもしれないが、オレの攻撃魔法を凌げるレベルの盾などどう考えても不可能だ!」

「そう言われても、現にそれで防いだので……もちろんもっと威力のある魔法だったら無理ですけど」

「っ……ならば望み通り、もっと強力な攻撃魔法をお見舞いしてやる! 〈エアバースト〉!」


 先ほどの風の弾丸を遥かに上回る大きさのそれが襲いかかってくる。


「〈防風〉!」


 対して僕が発動したのは、魔境探索中のレベルアップで習得した生活魔法だ。

 その名の通り風を防ぐ魔法だけれど、果たして兄上の強力な攻撃魔法に効果あるか――


「……おっ、すごい、大丈夫だ」


 体感的にちょっと強い突風に襲われたくらいだった。


「なぁっ!? なぜオレの〈エアバースト〉が効かない!?」

「生活魔法の〈防風〉を使ったので」

「そんな生活魔法ごときで、攻撃魔法まで防げるわけがないだろう!?」


 そうこうしている間に、空に飛ばされたリーゼさんたちが落ちてきた。


「〈重さ軽減〉!」


 体重が軽くなった四人は、軽々と地面に着地する。


「あれだけの高さから落ちて無傷だと!?」

「生活魔法の〈重さ軽減〉を使ったので」

「またお前の仕業か!?」


 叫び過ぎたのか、兄上はぜえぜえ言いながら、


「こうなったらオレの最大威力の魔法で確実に仕留めてやる……っ! 生活魔法などでは絶対に防げない魔法だ!」


 兄上の全身から凄まじい魔力が膨れ上がる。


「け、剣士の拙者でも分かるくらいの凄まじい魔力でござるよ!? ライルもとんでもないでござるが、その兄もとんでもない魔法使いでござる……っ!?」

「がははははっ! そういえば先ほど、エグゼール家と言っていた気がするな!」

「エグゼール家だと? ……まさか、あの魔法の名門か」

「とすると、ライル君はエグゼール家の出身だったんですか!? 道理で魔法に関する感覚が常人離れしているわけですよ!」


 リーゼさんたちが驚嘆する中、やがて兄上がその魔法を発動した。



「〈サイクロンテンペスト〉っ!!」



 それはもはや天変地異だった。

 空間が歪んで見えるほどの凄まじい風が凝縮し、荒れ狂い、猛烈な渦を成しながらこちらに迫ってくる。


 これはさすがに〈防風〉では防ぎ切れないだろう。

 だけど〈帰宅〉で逃げてしまったら、この凶悪な攻撃魔法によって一帯が蹂躙され、確実に大きな被害が出てしまう。


「〈そよ風〉!」


 僕はできる限りの魔力を込め、その生活魔法を発動する。

 優しい名前とは裏腹に、獰猛で暴力的な風が吹き荒れた。


 轟風と爆風が激突する。


 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!


「なっ……馬鹿な!? なぜお前が緑魔法を使える!? しかも、このオレの上級魔法と拮抗している……っ!?」

「緑魔法じゃないです。生活魔法の〈そよ風〉です」

「〈そよ風〉だとっ!? これのどこが生活魔法だ!?」

「実家を出てからかなりステータスが上がったので」


 魔力量が大幅にアップしたお陰で、生活魔法であっても、ここまでの威力を出せるようになったのだ。


「でも、さすがに本物の緑魔法が相手じゃ、分が悪すぎる……っ!」


 しかも兄上が放つ上級魔法だ。

 一時的には拮抗したように見えたけれど、やはり徐々に僕の〈そよ風〉が押され始め、今にも呑み込まれようとしていた。


「当然だっ! 生活魔法ごときに、オレの緑魔法が負けるはずがない……っ! このまま全身をズタズタに裁断してやる……っ!」


 僕の〈そよ風〉はもはや風前のともし火だった。


「ライル君!? くっ……近づくこともできないなんて……っ!」


 リーゼさんの悲鳴が聞こえる中、僕は一か八かの賭けに出た。


「〈そよ風〉!」


 もう一発、同じ生活魔法を放ったのだ。

 二つの魔法を同時発動するのは非常に難しいのだけれど、『叡智の指輪』というダンジョン攻略の報酬で得られたアイテムを装備しているお陰で、難易度を下げることができていた。


「魔法の同時発動だと!? 馬鹿な、オレでもまだできない高難度技術をっ……だ、だが無駄だっ! たとえ二発分だろうと、オレの〈サイクロンテンペスト〉は生活魔法ごときには負けん! ……っ!? な、なんだ!? オレの魔法が、上にっ……」


 兄上が目を見開く。

 というのも兄上が放った〈サイクロンテンペスト〉がいきなり上昇し、地面から離れていったのだ。


「まさかっ」

「はい。二発目の〈そよ風〉は、下から上に向かって吹くようにしました」


 兄上の魔法を持ち上げていたのは、僕が発動した二発目の生活魔法だった。

 普通に二発目を放っても兄上の魔法を押し返すのは難しいと考えて、〝逸らす〟ことにしたのである。


 兄上の魔法が僕の頭上を、そして屋敷の上を抜け、そのまま街の上空を通り過ぎていった。


 うん、この方が被害も抑えられるしね。

 ……ちょっと屋敷の屋根の一部が吹き飛ばされちゃったけど、あとで〈修繕〉で直せばいい。


「お、オレの、本気の上級魔法がっ……」


 自身最強の魔法を防がれて、兄上はその場に崩れ落ちた。



少しでも面白いと思っていただけたら、↓の☆で評価してもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生活無双
12月17日発売!!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ