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楽園〈エデン〉〜才能無しと言われた少年が失われた才能を継承する〜  作者: SS神威


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エピソード8 学び

 今、目の前にいるのはお手伝いさんのククル。

前世でいうメイドに近い存在で自分が生まれる前から働いており、父母とは長い付き合いらしい。


 皆は、ククルさんと呼んでいるが、自分は親しみを込めてククルおばさんと呼んでいる。


 この間5歳になったので、ククルおばさんから勉強を教わることになった。


「ククルおばさん、もう算数出来るからいいよ、もっと別なことやりたーい」


 流石にこの年齢レベルの算数は飽きた、というかもう習うことは何もない。

この世界における数学のレベルは低く中学校で習うような2次関数や空間図形すらない。

良いことである。


「やれやれ、ライン坊っちゃんは旦那様に似て、優秀なようですし地理について勉強しますか」


「本当に…やった~~!」

 

 前世での自分の成績は可もなく不可もなく普通だったが、この世界では別である。

昨日ククルおばさんに難問として出された方程式も、前世の記憶がある自分には楽勝だった。


「私としてはもっと復習してからと思っていたのですが、ライン坊っちゃんは飲み込みが早いので特別ですよ」

 

 最初の自分は苦戦するフリもしていたが、元々知ってる内容だけなのもあり、退屈に耐えきれず、苦戦するフリは辞め、気持ちは神童として振る舞っている。


「まずは今住んでいる国の位置から勉強しましょう」

 

 そう言うと、机の引き出しから大きな地図を広げ始めた。

そこにはこの世界の地形や場所の名前が大雑把に書かれている。

これが、この世界の世界地図なのだろう。精度が低そうである。


「まず世界の中心にあるのが私達が今住んでいるサントルクラフトという国です。そこから東にはライブプレスト王国という国があり、そこから北に進むとグラオザームという少し小さい国があります…ここまで分かりましたか?」


「なんで王国と王国じゃない国があるの?」


「流石ライン坊っちゃん鋭い質問ですね、まずライブプレスト王国は王様が実権を握っていますが、他の国には王様がいません」


(異世界は王国制度が主流だと思っていたが意外と違うのか)


「サントルクラフトだと他に誰が実権を握っているの?」


「私達が住んでいる、サントルクラフトは、世界の創造主ルーラ様が居て、その下のルーラ教会が実権を握っていますね」


「そのルーラ様って実際に生きてるの?」


「ルーラ様は私達の心の中に存在し、生という祝福を受けて私達は生きて居るんですよ」


 ククルおばさんは胸に手を当て目を瞑りながら話す。


(うげぇ、何それ凄く胡散臭いな、じゃぁ実質ルーラ教会がトップじゃん、偏見だけどなんか怪しくない?)


「このグラオザームっていう国は?」


「グラオザームは少し特殊で色んな家が意見を出し合うのですがメインは、ブラック家になりますね」


(民主主義に近いのか?話を聞く限りだと)

 

 前世は日本人だったのでグラオザームに対して無意識に好印象を持った。

本当に単純である。


「人間の国はこの3つで他にサントルクラフトの南には亜人の国、フリーゲンという国があり、この国は、国で一番強い人が実権を握るようになっていますね」


(国で一番強い人がトップって亜人の国らしいけど実際問題上手くいくのか?)


「そんな雑な決め方で本当に大丈夫なの?」


「今のところは問題なさそうですね、現君主ファルケ様は聡明な方と言われているので」


「へぇ~それで意外と上手くいっているんだ、あと地図の端が黒く塗り潰されているけどこれは何なの?」


 地図には、今言われた国々を囲うように世界の外側は黒く塗りつぶされ、亜人の国の更に南の方角だけ赤くマークがついてある。


「この黒く塗りつぶされている場所は、グロスという15メートル以上の木々に囲まれていて、迷いの森と呼ばれています。亜人の国フリーゲンから唯一グロスを開拓された道を進むとフロリアンという魔族の都市に繋がっているんですよ」


「ふーん、魔族の国があるんだ」


「国というよりは魔王様が管轄している領地に近いですね」


「うへぇ!?や、や…やっぱり魔王っているの!」


 アニメや漫画でしか馴染みのないワードに驚いて変な声を出してしまった。そして描かれている殆どが人間と敵対しており悪の象徴というイメージである。


「そうですね、魔王様は魔族の祖と呼ばれる存在でフロリアンという都市は魔王様が築いたとされています」


(魔族が存在するという事は普通に考えて魔王様もセットで居るのが当たり前か、でもこの世界を見る感じ魔族と人間が争っている様子には見えない、意外に仲が良いのか?)


「魔王様と人間って仲良しだったりする?」


「仲が良い、仲が悪いというよりは魔王様は人間にあまり興味が無いですね、でも下手に怒らせると世界を終わらせる力があると言い伝えられているので絶対に怒らせてはいけません!」


 ククルおばさんは人差し指を立てて忠告する。


(よし、魔王様に関わるのは辞めよう、命が幾つあっても足りない、もしかしたらお茶を零しただけで殺されてしまいそうだ、怖い怖い)


 その後も長々と話されたが要約するとこうだ。


 サントルクラフトは、国々の中で一番人口が多く領土も一番大きい、主にマハト人が多く住んでいる。


 ライブプレスト王国は、教育機関がしっかりしており世界で最も有名な学校がある、リフト人が多く住んでいる。


 グラオザームは国々の中で一番人口が少なく、領土も小さいが、金を多く取れる鉱山を持っており国民の貧富の差が少ない、ヒカイト人が多く住んでいる。


 亜人の国、フリーゲンは文化的な発展はそこまでだが、亜人にはそれぞれの身体的な特徴があり、ごく少数だが空を飛べる人もいるらしい。


 魔王の管轄領土であるフロリアンは、他の国に比べて排他的で諸外国との関わりが薄いが魔法の分野については一番発展しており、魔法を学ぶ為に多くの人がフロリアンを訪れるらしい。


 紙に要点をまとめると分かるが国々にはそれぞれ特徴がある。

ククルおばさんの勉強の教え方も上手で、前世では寝る時間の多かった地理もすんなり理解出来た、ありがたい話である。


 ククルおばさんの授業も終わり、自分は今練習している土魔法を習得する為に庭に出た。

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