エピソード2 日常の終わり
アラームより早く起きる。
頭痛で目が覚めた。
(このままだとヤバイ)と思ったが10分すると治って少し安心する。
階段降りると母が先に気づき不安気な顔で体温計を渡される。
「熱はないって」
「いいから一応計りなさい」
無いとは思いつつも気にはなるので体温計を脇に入れる。
ピピ…ピピ…ピピ…
お馴染みの音で気づき母に体温計を渡す。
「36.6度ね」
「熱は無いって言ったろ、とりあえず今日は学校行くよ」
逆に熱が無いのが少し怖い。
なんで焦ってる?背中がやけに熱い。
胸騒ぎがする…
朝ご飯を食べ終えた時、頭の痛みが少し戻って来たが気にせず制服に着替えた。
いつも面倒くさいと思っていた学校に今日は行きたい。
何故だろう…
寒い、昨日より寒いかもしれない。
「おーい」
聞き馴染みある声が聞こえなぜか安心する。
大丈夫、大丈夫、いつも通りの日常。自分は大丈夫。
「はぁーーー、ふぅーーーー」
一度深呼吸するが空気が入ってこない。喉詰まりを感じる。
「おい、顔色悪いけど大丈夫か?」
「え!?」
さっきまで離れていた彼がもう隣にいる。
「なんか思い詰めた顔してるけど…何かあったか?」
「別になんでもない。もうホームルームに遅れそうだから行こう」
ジョグ程度で走る。
前より確実に足が前に出なくなっていた。
最近、運動してないのが原因か?今の体調が悪いのが原因か?
分からない、けど…
彼は明らかにペースの遅い自分に歩幅を合わせてくれている。
いつもは大雑把だがこういう時は気遣いの出来るいい奴だと再認識する。不本意だけど。
チャイムギリギリで朝のホームルームに間に合った。
彼には「先に学校に行っていいよ」と言ったが頑なに自分のペースに合わせていた。
1時間後…
暗い、暗い、外は晴れていてクラスメイトが談笑する声が聞こえる。
だが映画館のように暗く、周りに黒いモヤが掛かっている。
瞼は重く目を開けているのが辛い。
いつの間にか、1時間目が終わり2時間目になっていた。
机には前の授業で使った数学の教科書が置いてあった。
(そろそろ国語の教科書出さないと)
自分は机の引き出しに目線を下げた。
そう、ただ目線を下げただけ…アレ?
体が地面に吸い込まれ
バターン!!!
人が畳に叩きつけられたような音を立て、一瞬の静寂と共に女子たちの悲鳴が教室に響く。
体全体から危険信号が鳴り響き、腹の底から沸き立つ得体のしれない何かを吐き出した。
血
どす黒くペンキのような紅色が教室の床に広がり周りは恐怖と混乱に包まれた。
自分でも理解出来ない。
立ち上がりたくても体は鉛のように重く頭は割れるように痛い。
学級委員長が廊下に飛び出し、担任の先生を呼びに行く。
クラスメイトは自分から吐き出す血から逃げるように教室の端に避難する。
一人を除いて。
目を閉じる寸前、親友の姿が見えた。
もう少しだけ転生するのに時間が掛かります。
後々に繋がる話なので…




